ルール化

「現代のコミュニケーション」

SNSが世の中に浸透し、しばらく経つが、次第にストレスを感じるようになる人が多いという。女性の約7割弱が何かしらのストレスを感じているようだ。なんとも高い割合いである。その理由としては返事が来ない、「いいね」をやってくれない、おかしな書き込みをされた、誕生日に年齢をばらされた、等が代表的な理由である。知人の女性に「なんでiPhoneにしてるの?」と聞いたところ、「SNSを常にチェックするから」とのことである。完全にSNSに依存しているのではないかと感じた。Aさんとはaの話題、Bさんとはbの話題、Xさんとはxという軸の話、Yさんとはyという時代の話、等々、相手によって出す自分も変わるだろう。それを一まとめにして情報を垂れ流しているのがSNSである。Aさんのページを開くと、よくわからないc,d,e,f,gの話が載っていたりして、見たい情報aについてはごく一部である。そしてaに辿り着くためにだけその他の溢れんばかりの情報をチェックしなくてはいけないことになる。もちろん、実はc,fの話も面白そうだとか、そういった広がりに期待しているのかもしれない。しかし、数百人に及ぶ友人の情報すべてを毎日チェ...
ルール化

少年よ、大志を抱け

先日の新聞で、現在の高校生の6割が「留学したくない」と考えていることが文科省実施の調査で分かったと掲載されていました。私自身は高校時代に留学を志し、以前の職場では高校生留学を支援していたので、何だか残念な想いを抱き、記事に目を通しました。その記事によると、語学力や留学費用を懸念している為、留学に消極的になっているそうです。その為、自治体によってはグローバル人材を育てる為に、留学費用の支援制度を設けるなどして、生徒の内向き姿勢を打破しようと躍起になっているとのこと。留学を諦めざるを得ない理由の多くは金銭的に難しい場合である為、支援制度が充実することは海外を目指す若者を増やす一手になると思います。しかし、金銭面の援助だけでは、もともと留学をしたいと思っている限られた人数を増やすだけに止まり、潜在層を増やすことにはならず、そもそも、留学の大きな目的の一つになるであろう「世界に興味を持ち、挑戦する」という想いを生むことに繋がらないのではないだろうか。若者が世界を志すためには、あと2つの要素が必要だと個人的に思っています。①世界との接点②想像が出来る現実ではなく、想像もつかないことを楽しめる勇気...
ルール化

欠点

職場でも、社外でも、いつの時代も、人間関係は、最も重要な事のひとつだと思う。「自分のこんな欠点が嫌なのに、直せなくて、また人に迷惑をかけてしまった」と自己嫌悪に陥ったことや、周囲の人のこんな点が嫌で鼻につく、という思いをした経験は、誰にでもあるのではないのだろうか。しかし、これは、経験上、生きづらい。そう思っていたある日、50代半ばの方で、キャリアの集大成を迎えられようとしている方にお会いする機会があった。年月を経て培われた柔和な表情が魅力的で、この方の部下になりたいと思うビジネスマンは一人や二人ではないだろうと容易に想像できた。冒頭のように、自分や他人の欠点が目につく、というお話をこの方にすると、下記のようにお答えになったのが印象的だった。「自分も若いころは、よくそう思っていました。だから、人に厳しく、ツンツンして、近寄りがたい雰囲気だったと思います。でもあるとき、思ったのです。自分は、人にも自分にも求めすぎなのではないか。もし完全無欠の人がいたら、窮屈で、親しみもわかず、近寄りがたいのではないかと。誰かに欠点があるから、周囲がそれを支える。支えられたほうは、別の形で、それを補う。そ...
キャリアについて

変わらずに咲く桜の価値

見てくれは微妙な我が家だが、一点だけ誇れるものがある。それは、窓から見える桜だ。この家で暮らすようになって6年、毎年この時期になると「今年も変わらず咲いてくれた」と気持ちがなごみ、何とも表現しがたい安堵感に浸ることができる。一方で、「去年この桜を見た時と今の自分に変化はあるだろうか?」と少し不安な気持ちになることもある。変わらなくても良いもの、変わることが求められるもの、状況によってその価値や良し悪しは異なるだろう。私はどちらかと言えば安定志向のものの考え方をするので、本来は変化を嫌う傾向だと自覚している。そんな私もこの人材コンサルタントの仕事に就いてからは変化することを求められてきた。転職活動の場合、仮に安定志向の方だったとしても仕事を変えるという意味では必ず変化を伴うわけで、私たちはお客様に対して常に何らかの「変化」を提供し続けていることになる。お客様に変化を提供し、働き方をご提案する立場でありながら、自分自身に去年と全く変化がないのであれば、その説得力はゼロに等しい…というものだ。そんな意識で、どうにか自分を変えてこられたと思っている。安定も変化もバランスよく融合されている仕事は...
ルール化

風に揺らぐことの無い足場

この季節、変化の時期である。寒さも緩み始め、生物は春に向かって新たなる芽を吹き出し生命の息吹を感じさせる。気候は春へと変わろうとする中、不安定な大気の中で強烈な風が吹きさらし、春の嵐も頓に感じる。弊社のオフィスの近くで、新しいマンションが建設中だが、見上げると、もの凄い風の中で作業をしている現場の方が目についた。おそらく地上から9階ぐらいの高さで足場作りをしている鳶職人。服がバタバタしており、強烈な風に逆らいながら作業をされているのが感じ取れる。強風の中で、自分の身長の3倍以上の長さの鉄の足場を持ち上げ、それをどんどん上に伸ばす。安全なところから見ていても、身震いしてしまうほどのおっかなさだ。彼のてきぱきした素振りと強風が続く中でもどんどん上に伸びていく足場を見ながら、「足元を固めること」というのがいかに大切かをふと考えるに至った。きっと彼は自分でか、または彼の仲間がこれまで作ってきた、「今、自らが立っている足場」に絶対の信頼を置いているからこそ、このような天候の中でも臆すること無く、作業を続けることが出来るのだろう。もしくはそこまで考えるまでもなく、当然の安心感を持って作業に臨んでい...
ルール化

他者からの視点

先日、古い友人の紹介で外国籍の方をご紹介頂いた。どうやら転職したいそうだ。26歳になったばかりのフレッシュで活気のある人材。現職は地方の学校で子供たちに英語を教えているそうだ。転職の動機は教え甲斐のなさ、のようだ。日本を取り巻く修学環境は、とりわけ先進国の中でもレベルが低いと思う。これは日本人である自身も感じることである。この環境下におかれた外国籍の人が、就業後間もなく感じるのであるからこれは割と深刻なように感じる。彼の言う教え甲斐のなさというのは下記の通りである。1、生徒の就学意欲の低さ(やらされている感)2、カリキュラムレベルの低さ(何を子供に教えたくて勉強のプログラムを組んでいるのか)3、先生のレベルおよび程度(生徒の裏返しで、先生も子供の将来や意識など意に介さず)彼は、英語の必要性をうたい、子供にやる気を出させながら教壇に立つようだがうまく伝わらない、先生の独りよがりと見られている事だそうだ。それを周囲の先生にも相談しているものの、取り合わないようである。もっというと、どうでもよいという風に感じるような態度らしい。彼の教え方、伝え方という面も一部要因としてあるだろうがここで取り...
ルール化

古い友人に逢っての気付き

10年ぶりに会うということが、世の中そうあるものではないと思うが、先日これが起きた。大学時代から実に10年ぶりの再会である。この10年間、特段連絡を取り合っていたわけでもなく、もちろんお互いの携帯電話なども知らない。とあるSNSで急遽再開することになった。最近、SNSが流行しているので、この手の話は珍しくなくなったかもしれないが、それでも10年のブランクを経て会うということの希少性に驚いている。大学時代の友人ということもあり、当時はテニスの話や仲間内の話で終始していたが、先日は仕事観・人生観・将来像などの話がメインとなった。大学時代から、キレのある後輩だと思っていたし、魅力的な人物でもあった。そのイメージはそのままに、更に進化を遂げて目の前に現れたから驚いた。進化と言うのは日々の中では確認しづらく、また確認しようとも出来ないものである一方ブランクを経て再会すると如実に分かってしまう。今回の友人は、それぐらいインパクトのある人物であったということを差し引いても素晴らしかった。そして、何よりも自身の成長意欲を刺激されたことが想定外の収穫であった。元より、頭のキレる人物であると知っていたし、...
出来事

権威

この頃、社会が「音を立てて」変わっていくように思える。以前からそれを望んでいた自分としてはカタルシスさえ感じるほどである。以前、日本人としての個の自立について触れたことがあるが、まさに今、日本人は個を尊重しつつ和を尊ぶ世界へと入りつつある。権威、権力の、ある意味での崩壊である。 昨今話題になってスポーツ界を始めとする暴力問題がまさにそうだ。権力のあるものが絶対的真実を握り、下は従うことが美徳とされる。しかし、これによってもたらされているのは権力者たちの倫理的崩壊である。オリンピックの金メダリストだって権力を利用した暴行が許されると考えたのである。これは柔道界の権力者が権力を持って何をしていたか、業界の構造的問題を示している。 日本社会では、年功序列で地位は絶対的なものとされる。学歴をかざしただけでひれ伏す人だっている。非常に盲目的で危険なことであると思う。個を個として認識していない。肩書きだけで成り立つ世界である。間違ったことを言い続ける上司に何も言えずに従わざるを得ずに転職を考える方も多いだろう。正しい見解を持った人の意見を取り入れれば大きく会社も変われるが、チャンスを逸している。「...
出来事

体罰事件に見られる教育と自主性について

大阪市立桜宮高校の男子バスケットボール部の体罰問題から、今は柔道女子全日本の件など、体罰問題の議論の余波が広がっている。体罰議論については今に始まったことではないが、解決されていないのはこの問題の根が深いことを示唆している。最初に個人的な見解を示しておくと、体罰はいけないことであると思っている。とは言え、自身が小学生の頃は同じ班の誰かが忘れ物をすると、全体責任で班全員が一列に並び、頬を引っ叩かれて育った。それでもその先生が大好きだった。みんなもその先生が大好きだった。たぶん、自分たちのことを誰よりも一生懸命に考えてくれていたし、親のように愛情いっぱいに褒めてくれたし、叱ってくれていたとみんなが実感していたからだと思う。そういう経験はあるが、「お前たちのためだ」と教育・指導を盾にして勘違いした独りよがりな暴力行動とも言える。体罰は「怒られないこと」や「殴られないこと」を目的としてしまい、本質的な「どうしたら勝てるのか」「何をどのように解決すればいいのか」を自ら考えることが出来なくさせてしまうのではないだろうか。小さい子供が親から怒られることを怖がり、「お母さんに怒られるから・・」と親の顔...
感動したこと

刃を研ぐ

先日、遅ればせながら初詣に行ってきた。正確に言うと、メンバーの中で厄年の者がいたので、厄払いと、会社の新年の御祈祷を兼ねて行ってきた。昨年2月のブログ「パラレルキャリア」で、弊社ご登録者主催の勉強会を紹介しているが、この一環に近いというか、もともと、ご登録者の方が「神社とその周辺の自然を愛する会」(無論同好会である)を個人的に展開なさっており、弊社メンバーが便乗させてもらったという格好だ。今回行き先は、箱根神社。なんでそちらに、と思われるかもしれないが、これには理由がある。神社の評判がすこぶる良いのと、主催者が、学生時代に東海道を自転車で横断された際、夜で参拝時間が終わっていて、参詣できなかった無念を果たされたいとの思いである。主催者も、日本中の名神社を巡っておられる中、遠くもなく、近くもない距離感であるこの神社に訪問することがなかったとのことだ。道中、自家用車の中で、主催者がお参りの心がけを教えてくれた。お願いをするのではなく、お礼を申し上げに行くのだそうだ。非常に良いことをおっしゃると感じ入り、心が洗われる思いがした。マザー・テレサの言葉で「祈りは願い事ではありません」というのがあ...
ルール化

研修はなぜ楽しいか

最近、奇跡の書道家と言われる人の話が、心に残った。ダウン症をもって生まれた方が、母親に教わって書道を長年続け、個展を開くまでになった。来場者が次々に思わず涙を流してしまうほど、力のある書で、私も、本を通してだが、作品を拝見し、息を飲む思いだった。ご両親の子育ての様子が、本の中で語られており、親御様の溢れる愛が、お子様である書家の力を育み、開花させたのではないか、などと思いながら、本を読み終えた。非常に良きものを与えられると、ある意味、その後の人生が決まるような面もあると思う。私の場合はその典型で、生徒のために文字通り命をかける先生方に学生時代に恵まれたため、進路の選択や価値観の形成を含めて、恩師たちによって現在の人生が形作られたような感がある。今後の人生についても、同様に、決定付けられている感がある。それは、「次の世代に返していかないといけない」ということだ。信じられないほど無償で与え続けてくださった先生方の思いは、場所や学校は違えど、一貫していた。自分に返してもらうことを全く望んでおらず、「次の世代に返してほしい」ということだった。仕事においてお返しすることでいうと、今まで、お客様や...
ルール化

完全な理解はできなくとも

私はお酒が大好きだ。ご多分に漏れず、特に仕事終わりの一杯が格別であり、結構な頻度で飲み会に参加してしまう。概して、飲みのお誘いというのは突発的なものであり、妻への連絡が遅れがちになってしまう。食事を用意してくれている妻からすると「配慮が足りない」ということで怒られ、そこからしばしば犬も食わない状況へと発展してしまう。全面的に私に非があるのだが、これは、相手を理解しようとする意識がおざなりになってしまっている結果だと思う。人との出会いを起点とするビジネスに携わらせていただいている以上、この「他者を理解する」という行為は最大のテーマであり、最も困難な命題であると常々思う。1人として全く同じキャリア(人生)を歩まれてきた方は存在せず、語られる内容は常に新鮮であり、当方の予想を裏切られることが大半である。だからこそ、お客様の核心に触れるためには事前の準備が不可欠であるし、面談の場に双方が作り出す心地よい緊張感が存在するのだと思う。そもそも、完全に理解できるわけがないという前提があるため、イメージ通りにいかない事が当たり前だし、それだからこそもっと知りたい、もっと聞きたいという気持ちが芽生える。...
ルール化

『卵』

まさに厳寒というに相応しい寒さが続く今日この頃ではあるが、暦の上ではあと2週間ほどもすれば立春。立春には卵が立つなどといって都市伝説までいかないが大きくニュースなどになったことがその昔にあるらしいが、果たして卵が本当に立つということをご存知のかたはどれほどいるのだろうか。卵を立てるというエピソードで有名な「コロンブスの卵」の話があるが、稀代の冒険家の発想力と行動力を引き合いに出すエピソードとして多くの場面で語られている。しかし、大航海時代を体現するような偉人、新大陸を発見した功績は確実に世界史に大きな影響を与えた彼もある意味で先入観というのを持っていたようだ。実は卵は球体ながら、表面上に無数の穴を持ち、根気さえあれば誰でも生卵だろうがゆで卵だろうが立てることが出来る。自分はその事実に気づいてから面白くて練習を重ね、いまや20秒ほどあれば大体の卵は立てることが出来るようになった。話が脱線し過ぎてしまったが、常識というものの怖さであったり思い込みに囚われることが以下に可能性を狭めてしまうかということを良く感じる。ルールや常識、一般的な固定観念、世の中には色々なしがらみがある。それを物ともせ...
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サービス業

「人を見て法を説け」という古い諺がある。人に合わせて話すというお釈迦様の行為を語った言葉であり、「論語」にも同じ趣旨のことが書いてある。私たちは、法を説くというほど大げさなことはしていないが、弊社がキャリアのご提案をするにあたっては、相手のご関心・ご経験・お考えを思って、その方の心に染み入るような話をしたいと思うと、おのずと話し方、たとえ話なども、おひとりお一人に対して違ったものになってくる。その方のことを思い浮かべながらメールを書くとき、ご趣味の釣りを週末楽しみにされているだろうな、などとあれこれ思いをめぐらせながら書くと、自然に、本題に入る前に、筆が走って、釣りの話をしてしまったりする。今書いたことは、サービスのうちには入らないと思う。そもそも、私たちは人材紹介サービス業界に身を置いているが、「サービス業」というもの自体の難しさがある。「サービス」というのは、日本語にするのが難しいが、仕えるという行為であり、「お客様のために何ができるか?」ということだと思う。次に続く「業」という言葉は、仕事なので、「サービス業」というのは、より高いサービスを目指すことを仕事とする、という意味だと思...
ルール化

習慣化しておきたい大事なこと

年末が近づいてきており、サラリーマンの私達には待望のボーナスの時期がやってくる。先週末行ったお好み焼き屋にて隣の席に座っていた3人組の20代の若者達が年末のボーナスの使い道について話していた。半ば職業病であるが、お隣さんの職業が気になり断片的な話しから各々のメンバーの職業を想像してみた。何かしらの営業マン、公務員、アパレル系の店員であると想定された。各々、海外旅行、貯金、年始のセールにて買いたい洋服がある。・・・等が主な使い道のようであった。話しの中で「お前の会社はボーナスが良くて羨ましいなぁ」というコメントが出てきた。そのときに一人の若者が「お前は定時で仕事終わるだろ?俺は週末も忙しいんだから当たり前だよ」みたいな切り返しをしていた。実際に週末の夜であったのにも関わらず、彼のケータイには仕事の電話が何本も来ており、その都度「いつもお世話になっております」と軽快な対応をしていた。ボーナスの使い道や額はともかくとして、自分達の目的の為に日々の仕事を精一杯頑張る姿勢に、好感を覚えた。日々、様々な転職希望者の方とお会いさせて頂いているが、客観的に見たご自身の能力と関係なく年収UPを希望される...
ルール化

「気づき」についての気づき

年末のお大掃除に先がけて、休みを利用し家のホコリを1つ残らず吸いだしてやろうと掃除機を手に取った。途中からほんの少し掛け心地に違和感を感じながらひと通りかけ終わったので、スイッチを切り、ヘッドの部分を見てみると輪ゴムがローラーのようなものに引っ掛かっていてぐるぐると巻かれていた。原因はこれだったのかと思いながら、もっと早く止めて確認すべきだったなと思う。ゴムが幾重にも絡みついているものを剥がし取り、ちょっとしたこういう違和感に年々鈍感になってしまっているのでは無いかと考えてしまった。一時『鈍感力』や『細かいことでくよくよするな』に代表される精神的鈍さや大らかさをテーマした本がベストセラーになり、感情的ストレスに多数晒されるこの情報化社会において、鈍感さというのが個性ではなく、一つのスキルとして個人に求められる時代になってきたのかとそんなことを思っていたものだ。もちろん、神経質が服を来て歩いているなんて言われてしまう、典型的な小うるさいタイプの自分には関係の無いことだと思ってきたが、ちょっとした「違和感」に気づかなくなり、というか気づいてもその「違和感」の原因を突き止めようとしなくなった...
ルール化

相互認識の大事さ

最近は、「人の気持ちを理解することが出来ない人」が増えているそうだ。私もお客様や周囲への気遣いや心遣いを心がけているが、“ついつい”ということも少なくないので反省すべきなのだが。先日、幼稚園の園長をしている友人と話をしていて、なるほどと思うことがあった。小学生になるくらいまでは、子供は自己の認識と他人の認識に区別がつかないため、他人の気持ちを考えることが出来ないらしい。それが良く喧嘩の原因になるようだ。例えば、鼻水を垂らしている子供とそれを見かけた子供がいた時、鼻水を見た子供の方は親がしてくれたのを真似して「自分が鼻を拭いてあげよう」と良かれと思い、ティッシュを持って鼻水っ子に近づく。一方で鼻水っ子は自我が芽生え「自分でやりたい」と思っているので「やだーっ」ドーンっと相手を突き飛ばす→泣く。ということとなる。両者とも相手がどう思っているかは理解できないので、「なんで」「なんで」のぶつかり合いで、終いには喧嘩になるらしい。そういう場合は、「○○君が嫌がっているでしょ、やめなさい」とどちらかをなだめて喧嘩を制するのではなく、正しい教育としては、「○○君は自分でやりたいんだって」と「○○ちゃ...
キャリアについて

過去でも未来でもなく、やっぱり「今」

男性の場合、おしゃれだとかファッションだとかへの興味関心は人によって差が激しく、ほぼほぼ二極化していると思う。普段スーツでバシッと決めている上司のオフの姿を見て驚愕する…なんていうことはざらで、年齢が高くなるにつれてさらに無頓着指数は高くなる傾向が強い。自分はというと、若いときはとにかくおしゃれをするのが一番の趣味だったが(ニーズがあったかどうかは別として)、今は無頓着領域に片足を突っ込みつつある状態といえる。年を重ね、体型も変わり、自分の服より子供の服をという思考になってからさらに加速化している。にもかかわらず、愛着のある洋服は今でも捨てられず、何年もタンスの肥しになっている。そんなことを考えていた際、少し前に流行った断捨離という言葉を思い出した。すでに一過性のものではなくそこそこ定着した感のある言葉だが、一般的には「ものを持ちすぎることで何が本当に大切なのかという本質が見えなくなるので、まずは身の回りの整理整頓、それが最終的には心や思考の整理につながる」という考え方と定義されているようだ。キャリアについても同じようなことが言えて、他者との比較や周りの評価のみに焦点を当てると、本当に...
ルール化

脚下照顧

良く聞く言葉ではありませんが、非常にアナログかつ大切な言葉です。現在日夜、様々な方と転職に対するお話をさせて頂いておりますが転職にかける希望や思い、欲求など本当に十人十色です。一つとして同じような方はいないのでしょう。もちろん、ご相談頂いた方々に対して希望条件を満たす、あるいは近づく求人案件をご紹介していくことが我々の事業となっているのですが、必ずしも転職をお勧めするということではありません。まずはご相談にこられた方々のお話を真摯に拝聴致します。それから転職先企業に対する希望や思いを続けて確認することが多くなります。ここで問題なのは表題の言葉です。日々の行動の振り返りをすることなく現職に不満を募らせて、転職先に有らぬ期待を持つ方がいらっしゃるのです。そういったケースの場合、弊社ではまず振り返りを提案し、現職で出来る事を真剣に考えて頂くことにしております。現職での振り返りを行わず転職しても、おそらくは転職を繰り返す事になると思います。当ブログで何度も申し上げているのですが、転職はいたずらにしないに越したことはありません。実際にお話させて頂くことで、転職を考え直す方も多くいらっしゃいます。...
余談

温故知新

企業の大切な採用に関わる倫理憲章で定められた解禁日である10月1日は、恒例行事といえる内定式がある。採用に関わる職業柄、内定式に対しては、長年、思うことが多々あり、疑問が年々深まっているため、今回は、あえて大胆な提言をしてみたい。実際、「内定式」なるものの意義や有効性、大学生の修学軽視といったところへの"理詰め"な疑問と、組織の形式主義や窮屈さを感じる"感性的"な引っ掛かりや反発心を持っている。内定式の意義は「新卒一括採用」や「モチベーション向上」、「会社の代表訓示」、「新卒の同期とのコミュニケーション」などが挙げられると思う。しかし、「内定証書」授与と承諾書提出が主な目的なら、本人に渡す証明をしてくれる簡易書留で十分ではないか。学生の他社との「二重内定」防止のためだけの設営なら、社長や関係取締役もこの日のために準備と当日の拘束があり、ホテル予約などもあり、そのコストに見合うほど重要なものか。内定者は、入社する頃には、半年前の代表の話を、大半はメモしたことすら忘れているのが正直なところだろう。会社の前例踏襲主義のカルチャーや社内アピールだけの場になっていないか。「業務改善」を提言しても...
ルール化

沸騰

最近、こんな言葉を知った。「井戸掘って あと三寸で出る水を 掘らずにやめる 人のはかなさ」耳の痛いところであるが、非常に的確に、人の性(さが)を言い当てていると思う。弊社は、英語研修も実施しているが、TOEICを例に取ると、よく受講生様から、「今まで何度も勉強したのに点数が伸びないんです」というお悩みを伺うことが多い。その度に思うことは、「結果が出るまで、集中して取り組む期間をもう少し長く取っていれば……」ということである。一度学習を始めると、成果を出すには、一日何時間か必ず要るので、その間は、趣味だとか、何かしら、したいことをあきらめないといけない。その期間を、例えば一年続けるのは苦痛だと思うが、実は、2~3か月続ければ成果が出る。これがなかなか難しく、息切れする方がよく現れる。お忙しい受講生様の心情もわかるので、つらいところではあるが、心を鬼にして、「続けましょう」と励ますことにしている。ヤカンで水を沸かすのに似ていて、沸騰するまで続けるのがコツだと思う。「もう少しで沸騰する」というのは、経験しないとなかなかわからないので、信じるのは難しいが、沸騰するのを信じて粘り強く続けることが...
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『夜と霧』ビクトール・フランクルの言葉

「『夜と霧』ビクトール・フランクルの言葉」という本を読んだ。ナチス強制収容所の体験を、自著『夜と霧』で綴った人だ。極限を経験した人の言葉は、重みがある。例えばこんな具合だ。「あなたの内側で起こっていることを見つめないで、あなたに見出されるのを待っている何かを探してください。」自分自身のことを振り返っても、非常に心当たりがある。仕事なり、生活なり、悪循環に落ちいるときは、メンタルも悪化している場合があるが、思考というものは、ループする傾向があるので、ぐるぐると悪いことだけ考え、空回りしてしまうことがある。それよりは、あなたを必要としている誰か、あなたを待っている何かを探しましょう、というメッセージだ。人は、人との関係性の中で、初めて成立するものだから、幸せも、その中にある、と語りかけている。弊社の企業理念でも、似たことを謳っており、本書を読んで、嬉しくなった。【以下、株式会社コア経営理念より抜粋】> 仕事が「“人から必要とされること”によって> 初めて報酬を得ることができるもの」だからです。> 人から必要とされ続けることができる人の人生は間違いなく幸せです。> ですから、その人が必要とさ...
ルール化

国内消費の流動化がすごい

本屋さんが消えているというのは、結構周知の事実ではないですか?昔は至る所に古めかしい本屋があり、立ち寄る癖を持っている方も多くいらっしゃったでしょう。最近は、本屋さんを探さなければと思うぐらい見当たらない、目に入ってこない。通販が主流だからか、電子書籍が流行っているからか。読書愛好家のいう紙という媒体の「匂いや味」については、この際、置いておいても、電子書籍が爆発的に流行るということはないように思える。著作権や価格交渉など、問題は多い。日本には再販制度があるから、値段そのものも通販と店頭では大して差はない。通販で買うメリットもあまりない。一方で、ダメージの深刻化が見えそうなのは、家電量販店ではないか。国内家電量販企業は合併などを行っており、通販に対抗しようと日夜努力している。ただ、米国では家電量販2位のCircuit Cityが経営破綻し、1位のBestBuyも経営不振がささやかれている。理由は言うまでもなく、AmazonやEbayなどの通販。米国の事象は数年後日本でも起こると言うのは既成事実とさえなっている中、今件も然りではないかと思う。日本において量販店に行く理由として、商品ガイダ...
出来事

運鈍根(うんどんこん)

4年に一度のスポーツの祭典が終わってしまいました。あっという間でしたが、やや寝不足感が残っています。一流のアスリート同士の4年、というか人生に一度の戦いですね。どの種目も最終的には「自分との戦い」というように感じます。メダリスト、惜しくも入賞出来なかった選手、心技体のハイレベルな戦いでした。最後のタッチの差は「運」なのではないだろうかと思います。「運も実力のうち」というのは言い得て妙だと感じます。心技体を極めんとする動きや思考の中で、自ずと運の引き寄せ方も身についているのではないでしょうか。トップアスリートの僅差を決めるのが運という要素もあるのであれば、非常にシビアな戦いだと思います。逆に、努力を怠ると、運に見放されるというのも良く耳にします。ビジネスでも同じように思います。運を呼び込める人は、相応の努力をしている人だと言えます。その逆も然りです。運が悪かった、という言い逃れをする人がいますが、本当にそうだったのかを自問自答してみるのも良いかも知れません。運が悪いというのは、それを引き寄せるための努力を怠ったということなのかも知れません。日々、精進している人には天も味方するのでしょう。...
ルール化

古典を超える

ヒット漫画『ヒカルの碁』にも登場した棋士・本因坊秀策は、江戸時代の人だが、昔から現代までを通じて、史上最強の棋士と言われているそうだ。しかし、秀策の後の名人達は、秀策のスタイルを破ろうとして、違う打ち方を試みている。その結果、現代の布石なり打ち方は、江戸時代よりも進歩しているそうだ。これを捉えて、前回のブログで紹介した棋士・呉清源は、こう言っている。「決して、昔のまねをしてはだめなのです。」百歳を過ぎてなお、毎日八時間の研鑽を積む人が言うと、深い。この言葉を最近知って、私は、胸が突かれる思いがした。昔のものなり古典は完成していて、現代の私達は、それをいかに忠実に実践するかが大事だ、と思っていたからだ。そんなことを考えていると、清王朝時代の中国を舞台にした漫画を思い出した。歴史のある中華料理店で料理人を務める主人公が、「この店の伝統は何か」と聞かれ、「伝統を打ち破ることでございます」と答えるシーンがある。8月10日のブログで書いたように、「古典を現代的に適用する」ことが最上だと思っていたが、そうではない。革新が大事なのだ。古典を超えるなんて恐れ多いと思っていたが、よく考えれば、お手本を模...