2023-09

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AIの世界になっても

AIの世界。先日、米系ITアドバイザリー企業であるガートナージャパン株式会社が公表した、「今後5年以内に営業業務の60%が生成AI技術によって置き換えられる」と予測した記事を目にした。ガートナーの予測では、これまでは売り手が自ら様々なデータソースを分析・検証して、戦術・戦略を考えていた。しかし今後は、生成AIにより、社内外のデータソースを組み合わせ、複雑なプロセスを自動化することができるようになるため、営業組織のリーダーは、より深いインサイトに基づく新しい意思決定が可能になるということだった。つまり、極端に言ってしまうと、様々な分析によるターゲットリストの作成やアプローチのタイミング、各顧客の課題抽出、その課題解決のためのソリューション提案内容も全てAIが考えてくれるようになる日も近いということだ。しかし、AIに指示されたことを指示通り実行するだけ、言い換えれば、「理屈だけ」で売れるものなのだろうか?営業として非常に重要な「伝える力」の価値をどう位置付けるのか。当然、“顎が立つ”だけの営業が通用しないというのは、もはや定説。「誰に」、「何を」、「どのように」伝えるか、それぞれに関わる多...
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24時間走れますか

夏の恒例、某局の24時間テレビを今年も視聴させてもらいました。今年のマラソンランナーは、お笑い界で一世を風靡した後人気タレントとなり、「永遠の16歳」であるアイドルと結婚したHさんでした。年齢は私より少し上、多彩な才能を持つ方で芸能界を10年ほど離れておられましたが、2014年にバラエティー番組中心に復帰。今回の24時間マラソンを見事走り切り、感動のゴールテープを切りました、知り合いでもない私の涙腺も、見事に崩壊してしまいました。チャリティーマラソン、その始まりは30年ほど前に遡ります。「お尻がかゆい」ギャグを持つ芸人さんに、TV局が深夜に10分だけどうでしょうかと依頼したところ、「24時間走りましょうか?」と言って見事に走りきり、日本中を感動に包み込んだのが始まりでした。それ以来、毎年様々なタレントがマラソンに挑戦する姿を中継をしながら、スタジオでは、障害者への支援や、お年寄りへの支援、貧しい国への訪問、寄付などのドキュメンタリーを放送するという流れが定着しました。番組への温かい励ましや感動のコメントが増えるとともに、一方で、批判、誹謗、中傷などがSNSでも繰り広げられるようになりま...
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学び直しとキャリア構築

大手企業を中心に、社員の能力開発に力を入れている事例が増えている。特に情報技術の分野は、人工知能の発展や巧妙化するサイバー犯罪に対応できるセキュリティ等、時代の流れに適応するべく、会社全体で、座学によるインプットと実践研修を通じて専門人材の育成に注力している。ウイルスソフトを提供するトレンドマイクロ株式会社のように、業界・職種未経者でセキュリティ分野に関心のある意欲の高い人材を採用し、1年間かけて育成し2年目以降に各現場へ本配属させるような実例もある。ちなみに、こちらは今年4月から開始された取組みとして、先日の日本経済新聞にも取り上げられていたが、倍率は100倍とのこと。これは極端な倍率だが、学び直しに力を入れるのは企業だけでなく、働く側の関心も強くなっていると感じる。コロナ禍という緊急事態により、目に見えない不安が強まったこと、また、1人で過ごす時間が増えて様々な情報に触れる機会が多くなったことで、現在の職務の延長上には無い新しい知識や体験を求める動きが、一昔前より顕著になっている。どんなきっかけにせよ、学びをキャリア構築につなげていけるかは、ゴールが明確かどうかに尽きる。あるべき姿...
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こなし作業の罪

子供の塾の勉強の仕方が気になり、本人と話をした。一応、さぼらずに通っていて宿題もやれている。見ためでは悪い事はしていないのだが、何と言うか「出来るようになりたい」という意思が全く感じられない。「ただ、こなす事」の何がいけないのかを、うまく説明する事の難しさを知った。子供の勉強については「やる気スイッチ」という表現で、自ら動く状態にする大切さが説かれる事が多い。大人で言えば「目的意識」とか「自走」というところだろうか。何かを手に入れ、成し遂げるためにはいつもの自分ではダメ、負荷をかけないとたどり着けないとわかっていても、「つらい事をいかに避けるか」という逆算から始まると完全に本末転倒な状態となる。目的の無いアクションは成長を阻害するので自分も、周囲(会社)も不幸にする可能性が高い。仕事の種類や置かれた立場でも違うとは思うが、日常の通常業務には注意を払えるものの、対人の絡む業務、非日常な対応を必要とする業務に対しては一気にパフォーマンスの低下が起こることがある。経験を積んで熟練度が高まる事と、慣れによって緩む事は対極なのに見かけは同じなのが厄介で、自分でも気づかぬ間に、キャリア価値と寿命を...
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こだわり

最近、長野県の山の上にあるパン屋『わざわざ』という店についての記事を読んだ。年商3億円という驚きの売上を誇る店で、その成功の理由が興味深いものだった。記事によると、そのお店のオーナーは、「調理パン」ではなく「食事パン」に特化しており、食事パン二種類(食パンとカンパーニュ)を全身全霊込めて、品質向上に努めて提供しているそうだ。食パンに関しては近隣の牧場から新鮮な牛乳を仕入れ、僅かなイーストを使い、24時間かけて発酵させ、ガスオーブンで丁寧に焼き上げる手法を採用。カンパーニュは自家製の小麦酵母を活用し、同じく24時間かけて発酵させ、薪窯でじっくりと焼き上げる手法を採用している。こうした異なるこだわりのアプローチを通じて、この店は『わざわざ』という名の通り、全国から多くの人々がわざわざお越し頂ける繁盛店となった。この事例からも、仕事や商品の価値を高めるためには「こだわり」が不可欠と思われるが、二種類の食事パンの成功は、「顧客満足へのこだわり」が軸となっていると思われる。「こだわり」は時間のかかるものだが、このパン屋の店主のように商品においては「相手を満足させるためのこだわり」と店舗の立地に関...