未分類 芸術の秋に学ぶ こだわりと凡事徹底
先日勧められて朝倉文夫氏の彫刻作品を見に日暮里にある朝倉彫塑館に行った。朝倉彫塑館は朝倉文夫氏のアトリエと住居だった建物で、東京美術学校を卒業した1907年、24歳の時に谷中の地にアトリエ兼住居を構えた。当初は小さなものを、自ら設計し、改築を繰り返し、細部に至るまで様々な工夫を凝らしており、こだわりを感じさせる建築だった。「朝倉彫塑塾」と命名し、教場として広く門戸を開放して弟子を育成したとのことだ。朝倉氏(1883年 - 1964年)は明治から昭和の彫刻家であり、「東洋のロダン」と呼ばれた。朝倉氏は東京美術学校(現・東京芸術大学)に入学、モデルを雇う金がないために上野動物園へ通って動物のスケッチをした。縁あって貿易商の注文をうけ、動物の像を卒業までに1200体以上に作った。気付けばスキルが向上していて、文展に出展し、自己最高賞である2等となり、その後も連続上位入賞を果たし、第10回文展においては34歳の若さで最年少審査員に抜擢され、1958年には日展の顧問に就任した。非常に多作であり、全国各地に数多くの像を残した。朝倉氏は動物、中でも身近に多くいた猫をこよなく愛し、多いときには自宅に1...