出来事 GAP YEAR
妻がもうすぐ出産を迎える。日に日に大きくなるお腹に話しかけるにつけ、一体どんな人格、個性を持った子に出会えるのだろうと想いを巡らせている。人間、生まれる前から何らかの人格を備えてこの世に出てくるのだと思うから。その個性をどう見つけるのか、伸ばせる環境を整えることができるかどうかは親の役割ではないだろうか。妹の旦那がある日LEGOをやったところ、芸術的な巧さだったという。現在サラリーマンの彼は、別のきっかけがあれば空間能力を活かす仕事に就いていたかもしれない。あるイタリア人の友人は、「音楽もやった、建築もやった、スポーツもやった、でも、言語学が一番楽しかった、だから大学に来た」と、当時目をキラキラさせて言っていたが、現在彼女は言語学のドクターである。個を追求し尽して見つけた自分の人生、きっと楽しいに違いない。「dovere(義務)からではなくvolere(望み)からやるんだよ」と彼らは言う。それに比べ日本の学生は、単に大学に行った方がなんとなくいいから、専攻も真剣に考えている風でもなく、偏差値の高いところで受験しやすそうなところを選んだ、なんて人が多いように感じる。楽しそうにその学問領域...