2019-08

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血の通ったメッセージ

最近では、何か起こったら(政治、事件、事故、芸能ジャンル問わず)、まずはネット上に「自分の意見」を書き込むという行為が日常化している。SNS等の浸透によって、少数派の意見も注目されるなど、ポジティブに発展した事もたくさんある。でも、条件反射の様に繰り出される「Yes」「No」だったり、自分と異なる意見への執拗な攻撃なども多く、溢れる意見に際限なく触れていると気分が滅入る事もしばしば。なんというか、血が通っていないメッセージが多い気がするのだ。ビジネスにおいて「判断スピード」は極めて大事な要素とされる。だから、ベースとして過去の自分の体験や経験上のサンプルから素早く引っ張り出して、だいたい「これが回答だろう」と思われる意見を、人より早くアウトプットできる能力はわりと重宝がられる。しかし何でもそうだが、手段が目的化すると途端にチープになる。ややこしいけど「早く引っ張り出すためのアウトプットのためのインプット」になってしまうと、恐らくほぼ思考はゼロに近いのではないか。こうなると早々に限界が見えるし、顧客からの特別な信頼は得られないので、やっぱり、その人なりの思考が入っていないアウトプット(血...
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成功の理由

大手文具メーカーが新しく発売した電子メモパッドは、紙に書くような感覚で、手書きでメモができる。この商品は、ひとりの男性社員が粘り続けて、クラウドファンディングで1000万円を集めて実現した文具だ。この男性社員は、かつて、前身となるメモパッドの開発も担当していたが、その商品には幾つか欠点があった。その欠点を補いながら、自分が使いたいと思える電子メモパッドを開発したいと2年前に決心。早速社内の会議で企画を出したが、周りの反応は思いの他冷たかった。そこで、「まずは市場の声を集めることから」と考え、クラウドファンディングの利用を会議で提案した。この提案は新しもの好きの社長に受け、すぐ実施することになったが、その対象は別の商品でということになってしまう。しかし、彼は新商品の機能をイチから見直し、どんな電子メモパッドならニーズが生まれるのか徹底的に研究した。いろいろな創意工夫で便利な機能を加えていった。その後、再び社内で提案。「そんなに作りたいのなら、クラウドファンディングで1000万円集めたら発売しよう」と言われた。ようやくチャンスが巡ってきたが、1000万円が集まらなかったら企画自体がなくなる...
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染みついた習慣

先日、友人から来日しているイギリス人の女性と都内を回るので通訳として付き合って欲しいと頼まれた。昔は英語を使った仕事をしていたとは言え、それももう10年以上前のことだ。今は求人票などで英語を読む機会はよくあるけれど、話すとなると別問題で、通訳として役に立つレベルとは思えず一度は断ったのだが、どうしてもと頼まれて同行することになった。当日、久しぶりの英語に、最初は思うように言葉が出てこず、理解しようと努力してくれている優しいイギリス人の彼女に申し訳なさを感じながらも、伝えたいことが伝えられないもどかしさを覚えた。しかし不思議なもので、1日一緒にいて彼女の発音を聞いているうちに、リズム感や言い回しなど感覚を思い出し、考えなくても言葉が出てくるようになったのだ。自分でも驚きだったが、英語を使っていた期間なんてたかが数年だったというのに、数十年経った今でも身体が覚えていたとは!若い時に身に付けたものはいつまでも残っているものだと一人で感心しながらも同時に、当時、短い期間でも強い興味を持って必死に習得したスキルであり、その生活が日常的になっていたからこそ、身体に染みついたものだと気が付いた。そし...