成功の理由

大手文具メーカーが新しく発売した電子メモパッドは、
紙に書くような感覚で、手書きでメモができる。
この商品は、ひとりの男性社員が粘り続けて、
クラウドファンディングで1000万円を集めて実現した文具だ。

この男性社員は、かつて、前身となるメモパッドの開発も担当していたが、
その商品には幾つか欠点があった。その欠点を補いながら、
自分が使いたいと思える電子メモパッドを開発したいと2年前に決心。
早速社内の会議で企画を出したが、周りの反応は思いの他冷たかった。
そこで、「まずは市場の声を集めることから」と考え、
クラウドファンディングの利用を会議で提案した。
この提案は新しもの好きの社長に受け、
すぐ実施することになったが、
その対象は別の商品でということになってしまう。

しかし、彼は新商品の機能をイチから見直し、
どんな電子メモパッドならニーズが生まれるのか
徹底的に研究した。いろいろな創意工夫で便利な機能を加えていった。

その後、再び社内で提案。
「そんなに作りたいのなら、クラウドファンディングで1000万円集めたら発売しよう」と言われた。
ようやくチャンスが巡ってきたが、1000万円が集まらなかったら企画自体がなくなる。
プロジェクトを公開すると、支援者の様々な要望が集まり、
クラウドファンディングを活用して、発売前に商品に反映することができた。
結果として、1か月半で1000万円を達成した。
何が成功の要因だったのだろうか?

1.熱意、粘り、地道な努力
ずっと相手にされなくても、社内の評価が散々でも、2年以上粘り続けた。
クラウドファンディングのプロジェクトでは、イベントでチラシを配布したり、
こまめな活動レポートを行う等、泥臭い地道な努力を続けた。

2.目的を明確にして楽しむ
開発目的は自分も使いたいと思える製品。開発に辿り着くまで紆余曲折があったが、
自分だけではなく、ユーザーが欲しいと思う商品を企画する工程が楽しかったと振り返っている。

3.消費者目線
自分が使いたいと思えると同時に、ユーザーに使いやすいもの、
消費者が求めるものを一貫して追求した。

上記3点は互いに関係している。
転職活動においても同じようなことが言える。
経歴を棚卸しする上で、職務経歴書の作成、面接時の質疑応答時には
結果だけでなく、上記のように、そこにたどり着くまでのプロセスが重視される。
弊社のキャリアコンサルティングでは、プロセスが大事だということを皆様に
お伝えしています。

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