染みついた習慣

先日、友人から来日しているイギリス人の女性と都内を回るので通訳として付き合って欲しいと頼まれた。
昔は英語を使った仕事をしていたとは言え、それももう10年以上前のことだ。
今は求人票などで英語を読む機会はよくあるけれど、話すとなると別問題で、
通訳として役に立つレベルとは思えず一度は断ったのだが、どうしてもと頼まれて同行することになった。

当日、久しぶりの英語に、最初は思うように言葉が出てこず、
理解しようと努力してくれている優しいイギリス人の彼女に申し訳なさを感じながらも、
伝えたいことが伝えられないもどかしさを覚えた。
しかし不思議なもので、1日一緒にいて彼女の発音を聞いているうちに、リズム感や言い回しなど
感覚を思い出し、考えなくても言葉が出てくるようになったのだ。
自分でも驚きだったが、英語を使っていた期間なんてたかが数年だったというのに、
数十年経った今でも身体が覚えていたとは!

若い時に身に付けたものはいつまでも残っているものだと一人で感心しながらも同時に、
当時、短い期間でも強い興味を持って必死に習得したスキルであり、
その生活が日常的になっていたからこそ、身体に染みついたものだと気が付いた。
そして思った、「何だって同じこと」なのだと。
身体に染みつくほどに重ねた経験や苦労は、一生涯のものになる。

勉強でも仕事でも、何かを学ぶときに「興味を持つ」ことが大切であり、やるからには楽しむ。
「やる」と決意したら、その行為をしなければ気持ちが悪いと思えるほどにやり続けて習慣化すること。
その継続があって初めて身体に染みつき、自分のモノにすることが出来る。
誰にでも、その時は本当に苦労したけど、そのおかげで今があるという経験があるはずだ。

大人になると人生経験が増えるせいか、自分には「難しい」「無理」だと思う範囲を勝手に判断し、
やる前から諦めたり、自分の可能性を信じることが出来なくなっているのかもしれない。

自分自身を諦めず、決めつけず、まずは「やってみよう」と思うことから始めてみる。
そして、やると決めたら楽しむ方法を考える、3日・1週間・1か月・3か月と続けてみる。
さらに有効的なのは、自分が挑戦していることを周囲に公表しておくことだ。
「あれ?止めたの?」と言われないようにやり続けるしかない。
習慣化されればこっちのものだ。
毎日寝たり、食べたりするような「習慣」に、通常は「頑張る」という意識はない。

そう書きながら、私の脳裏に浮かぶのは「ダイエット」という五文字だが、
「おいしいものを食べて笑う」ことを習慣化している私にとっては、ダイエットの習慣化は非常に難しい。
・・・・いや、「まずは3日!」やってみようと思う。

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