2015-09

出来事

父から受け継いだもの

だいぶ前のことではあるが、すでにリタイアしている父にこんな質問をした事があった。「働いているとき、夢とかなかったの?」父は目も合わせずこう言った。「知らん」野暮な質問だった。父はこういった類の質問には答えない人間だ。昔からそうだった人が興味を持っても自分が興味をもたなければ答えようともしない。他人に興味が無いのだろうか?こっちも話す気がなくなる。こんな人間にはなりたくないとずっと思っていた。周囲の友人からも、『君の父さんはもっと話好きのイメージだったよ』とよく言われた。それくらい第三者から見ても無口で、無愛想、何を考えているのか理解できない人だ。自分が父と似ている部分があると、父が自分の父であることを恨めしく思った時期もあった。もっと話しやすい父なら良かったのに。もっと遊んでくれる父なら良かったのに。もっと優しい父なら良かったのに。多感な時期はよく思ったものだ。しかし、大人になった今ではそんな父でも認めるところがある。それは、家族の為に真面目に仕事をしてきてくれたということだ。私も今、家庭を持っている。守らなければならないものである。その中で理由はどうあれ、働かなければならない義務があ...
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関係構築

最近、旧友と飲みに行った。その際に出た話題で、最近こんな面白い人に出会った、誰々が~の話しをしていた等、興味深い話しが出てきた。自分は社会人になってから新しい出会いが確実に減ったなと感じていたこともあり、何故、彼は新しい出会いが多いのかと疑問に思った。初対面の人間が集まり、グループ化されるときに、ゆるやかにグループが作られていくことは学生時代に皆が経験していることだと思う。一般的には小学校⇒中学校⇒高校⇒大学⇒会社という環境の中で、自身が所属していたグループとは異なる環境に飛び込む際、何となく気が合うもの同士が集まり、グループを形成していく。このグループ形成において、心理学的な要因が多く関係している実験結果がある。アメリカの心理学者レヴィン・フェスティンガーは大学の学生寮を使い、下記のような実験を行った。17名の初対面の学生を集め、6ヶ月間の追跡調査を行った結果・・・1.実験当初は、自分の部屋に近い人同士が仲良くなる傾向が見られた。2.次第に、考え方や生活習慣等が似ている人同士が仲良くなっていった。実験当初は近接の要因により、物理的に近い人同士が結びつき、次第に類似性の要因により、親密...
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現場感覚

今、農業が熱い。政府の政策やTPPの影響もあって、新聞を読むと、農業関連の記事を目にしない日がないほどだ。弊社は設立以来、「一般消費財業界とマーケティングリサーチ業界に専門性を持った人材紹介会社」として事業を運営してきたが、皆様のご支援のおかげで、生活に身近な一般消費財(食品・日用品等)の「素材・原料」や、食品を生み出す「農業」の分野も、太い柱に育ってきている。この分野で難しい点の一つは、情報が取りにくいことだ。街中のお店で求人企業様の製品を手に取れるわけではないため、イメージが付きづらい。情報量が多いわけでもない。そんな中で、私が指針にしている先人の教えが二つある。一つは、情報のプロである諜報機関でさえ、必要な情報の大半を、公開情報の中に見出しているということだ。「出来る限りの努力をして調べれば、思ったよりもずっと多くのことが分かる」ということだと私は考えている。それでも分からないことが出てきた場合は、人に教えを乞うことにしている。私が指針にしているもう一つの言葉は、「その業界に身を置いていないと、分からないことが多くある」。当該分野に従事している人に話を聞くと、新鮮に感じることばか...
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有効求人倍率について考える。

先日、有効求人倍率が1.21倍となり23年ぶりに高水準をマークしたとの発表があった。有効求人倍率は、ぜひ産業別の数値も見て参考にして欲しい。有効求人倍率が高い業種は、建設・医療や福祉、外食などの業界で、人が集まりにくく、人手不足が続く業界での求人が多いのが実態。その他の業界では微増にとどまっている。尚、飲料や化成品の業界は前年対比でマイナスを示している。転職希望者数も増えているという一部の発表もあるが、実際に転職市場で働く私の見解では、転職を希望している人は増えているが、転職活動を本格的にしている人はそれほど多くないと思う。転職を考えることで自らのキャリアや働き方を見直すことはいいことだが、何となくではなく熟考するなど、転職は慎重であって良いと思う。一方、人があまり動かないということは、人を採りたい企業側は採用に苦戦することになる。リーマンショック後は、中途採用自体が少なかったため、採用企業は非常に厳しく人材を見極め、厳選した採用を行ってきた。しかし、一般的に景気が良くなると、これまで厳選採用していた企業も売り手市場による焦りから採用基準を緩和する動きとなる。恐れる事態はその後にある。...