出来事

出来事

TPP大筋合意を迎えて

TPPがようやく大筋合意を迎えた。関税が撤廃される項目の一覧を見ると、今後起こるであろう変化の大きさに、改めて驚く。農産・畜産を始めとして、輸入脅威論が叫ばれて久しいが、個人的には、「貿易自由化は必然的な時代の流れで、止めようがないため、是非を論じるよりは、自由化の中でどう生き残り、拡大していくかを考えた方が良い」と思っている。関税が撤廃・縮小されると、農産物の輸出が増えるが、これに伴って、関連サービスの海外進出も拡大する。そのサービスに必要な技術の海外進出も進んでいく。日本の農業の技術は、世界でも最高クラスの水準にあるという。日本の品種や日本農家の進出を待っている海外の農家は多いという。季節が正反対の南半球で、日本と半年ずらして果物を作り、流通を通年化した例もある。種子・種苗を例に取れば、外資系の超大手バイオメジャーがスケールメリットを活かし、需要が最も多い穀物種子を展開するのに対し、日本の種苗メーカーは、ニッチな野菜種子の品種改良を手掛け、東南アジア等に進出している。欧米と異なるモンスーン地域向け製品は手間がかかるため、バイオメジャーは参入しないが、地形が南北に長く、気候が多様な日...
出来事

ナバホの想い

先日都内某所にてナバホ族の巨匠「A氏」が来日し、インディアンジュエリーの制作デモンストレーションとトークショーが開かれた。インディアンジュエリーとはその名の通りインディアンが作ったシルバーやターコイズをあしらった装飾品であるが、その歴史は古く、深い。だからこそ現在でもムーブメントとして文化を築いていると思われる。彼が語ったインディアンジュエリーの歴史を少し紹介してみる。紀元前900年頃から先住民であるネイティブアメリカンはジュエリーを作っていたとされる。そこへ16世紀スペイン人によって銀が持ち込まれ、ジュエリーは大きく変化する。 1840年頃のナバホ族の一人がスペイン人から鍛冶を学んだとされる。当時の銀製品は粗雑なツールで作られており どれも現在のインディアンジュエリーとはかけ離れたものだった。しかし金属を溶かすための容器や紙やすり、送風機などを作り品質の向上に努めた。これを古典期と呼ぶ。(第1フェーズ) 1900年頃、フレッド・ハービー社というホテルやレストランなどを経営する会社が現れる。フレッド・ハービーはインディアンジュエリーに目を付け、レストランなどで販売するようになり、商業化...
出来事

父から受け継いだもの

だいぶ前のことではあるが、すでにリタイアしている父にこんな質問をした事があった。「働いているとき、夢とかなかったの?」父は目も合わせずこう言った。「知らん」野暮な質問だった。父はこういった類の質問には答えない人間だ。昔からそうだった人が興味を持っても自分が興味をもたなければ答えようともしない。他人に興味が無いのだろうか?こっちも話す気がなくなる。こんな人間にはなりたくないとずっと思っていた。周囲の友人からも、『君の父さんはもっと話好きのイメージだったよ』とよく言われた。それくらい第三者から見ても無口で、無愛想、何を考えているのか理解できない人だ。自分が父と似ている部分があると、父が自分の父であることを恨めしく思った時期もあった。もっと話しやすい父なら良かったのに。もっと遊んでくれる父なら良かったのに。もっと優しい父なら良かったのに。多感な時期はよく思ったものだ。しかし、大人になった今ではそんな父でも認めるところがある。それは、家族の為に真面目に仕事をしてきてくれたということだ。私も今、家庭を持っている。守らなければならないものである。その中で理由はどうあれ、働かなければならない義務があ...
出来事

文書に込められた思い

弊社から求人企業様に応募された求職者様が、ご内定となった。労働条件通知書(外資系企業様ではオファーレターと呼ばれる)を企業様からお預かりする。この書類を求職者様にご説明する際は、厳密な正確さを期すことは言うまでもなく、ご本人様に対する企業様の熱い思いや期待、企業様におけるキャリア構築の意義等を十分にお伝えする責任がある。緊張で、改めて身が引き締まる瞬間だ。ところで、このオファーレター、各社様ごとのカルチャーが現れており、拝見するたびに非常に興味深い。法的に必要な項目を記載したビジネス文書なので、型破りな書類は勿論ないのだが、それでも、社風がおのずと現れるものだ。特に外資系企業様は、国内系企業様との違いが顕著だ。和訳すると、「オファーレターをお届けできることを大変嬉しく思います」という書き出しで始まっていることもある(原文はもっと格調高い)。日本とは違ったあり方で、新しい社員様を歓迎する外国の文化に触れ、嬉しくなるとともに、「この文章の格調の高さをも、損なわずに求職者様にお伝えできればよいのだが……」と頭を悩ませる瞬間でもある。職務経歴書や求人票も同様に、「企業様への思いを伝えたい」「自...
出来事

子供から学ぶこと

最近、我が子の成長に伴い考えを巡らせることや思いがけない気付きを得ることが増えているように思われます。多くの大人は自分の知らない物事や世界に対し、少なからず不安感を持つことが多くなるのではないでしょうか。それは知ること、学ぶことが増える程、知らないこと、未経験の領域に対しての不安を感じる傾向にあるからなのかもしれません。未知の領域に対し、自分がイメージする世界観は、実際に起こりうる現実と一致していないケースがあり、そのイメージが、自分が積み上げてきた経験とリンクする世界観を崩してしまうことを恐れているからではないでしょうか。反対に子供は知らないこと、経験していないことが数多くあることもあり、大人が持つ失敗のイメージ、社会人の場合は会社からの評価、自分が仕事として取り組んできたことの成果等とは無関係であることからも、結果や成果はさほど重要ではなく、純粋にプロセスを楽しんでいるように感じられる。我が家でも娘が、至るところに動物シールを貼ってみたり、ぬいぐるみに自身の洋服を着せてみたり、手を伸ばしてギリギリ届くかどうかのものを無理に取ろうとしてみたり、ソファーから飛び降りようとしてみたり中に...
出来事

塩野七生の政治論

年が明け、そろそろ引越しをするというので、荷物の整理をしていた。ひょっこりと読まないままカバーが掛けられている本が出てきた。塩野七生である。2010年に出版された本だ。思い起こせば会社を設立して間もない頃、読む間もなく過ぎていっていた頃だ。読んでからリサイクルにでも出すか、と思い読み始めたら止まらなくなってしまった。塩野七生独特の滑舌、言い回し、ズバズバと日本の政治家を斬ってゆく。肉食な欲望に冷静な目。正月そうそう、スカッとした。「求めない」で始まる詩をすべて「求める」に替えて書き直していたりするところは思わず笑ってしまった。海外では自分の価値観を問われることが多く、自然にはっきりした意思表示をする習慣ができる。私も日本へ戻って10年以上経ち、いろいろなしがらみ?にもまれ、いつの間にか「和」な感じで人と人の間に立ち、良い意味で物腰も柔らかくなってきたのかもしれない。がその一方、独自の意思・思考というものを日々忘れがちになる。アベノミクスで経済社会情勢が大きく変わる中、昨年と同じ手法では対応できなくなってきている。マーケットニーズも大きく変わっている。このような状況に対応していくにはどう...
出来事

家探しの現場から

もう10年も都内の某区に住み続けています。家族の変化もあり、住環境にもこだわり、子供の教育、家族の将来をふまえて、あとは・・そろそろ資産形成にと家探しをしています。ところが、妻も私も東京出身でもなく大学も外、仕事でこちらに来たのが30過ぎてからということで、東京を実は全然知らない。特に住宅エリアとなると、足を踏み入れる機会がない。住宅街を見学するという事もかねて、色々な電車の路線に試しに乗って何駅かごとに降りて、雰囲気を見たり、不動産会社でマーケットの聞き込みを行ったりと情報収集を行っています。まずは電車内、駅前の雰囲気、人の風格、顔つき、歩くスピード、街の綺麗さ、便利さ、年齢構成等々。そして家に帰ってからは、乗車人数の推移や地盤、職場までの通勤時間、近隣の家賃や路線価、都市計画、人口動態のチェックなどをしています。家を決めるにあたって、必要な情報量が結構多い。一番心に響くポイントというのはもちろん自分の肌で得る空気感、それから、地名の由来などがけっこう面白くて興味が高まります。自然に由来するもの、人工構築物にちなんだもの、歴史に由来するもの・・様々であり、家探しをしている中でも勉強に...
出来事

増税と中途採用動向

消費税が8%に上がるということで、増税前に細々とした買いだめと今考えると不必要だったのではと思う衝動買いもしてしまいました。直前にミネラルウォーターをネットで購入したのですが、届いたのが今週末という増税後の買い物となってしまったものも・・。増税後の週末に銀座へ買い物に行くと、増税後の反動なのでしょう、高級ブランド店でショッピングを楽しむ人は疎らでした。また、イトーヨーカ堂などの大型量販店もお客さんはいるものの、カゴの中身が少量の人が目立ったように思います。このまま国民が支出を控え続けたら景気はどうなるのだろう・・と少々不安になりますが、実際、今後の消費の行方を左右する肝心の現金給与総額はほとんど伸びておらず、大手自動車メーカーなどではベースアップをしていますが、多くの経営陣はこの景気の行き先を慎重にみているようです。中途採用市場では、2020年オリンピック需要や復興需要などによる建築・不動産などの業界では人材不足が課題となっていますが、弊社が特化している食品・化粧品を含めた消費財業界においては、増員傾向にあると見ているものの、設備投資や研究開発への投資、増税後の価格転嫁を抑えるためのコ...
出来事

神田川

「あなたはもう忘れたかしら……」の歌詞で有名な、神田川。東京在住の方にはおなじみだと思うが、その神田川沿いの土手の上に、御茶ノ水という駅がある。ふと、幼い日のことを思い出した。朝早く、父と二人で郊外の自宅から出てきて、東京西部の奥多摩までハイキングに行ったことがあった。そのときに、乗り換えたのがこの駅だった。その日も、あたりに霧が立ち込めていた。今回、同じようなシチュエーションを経験したことで、ふと昔を思い出したのだろう。最近他界した父は、物静かな人だった。寡黙な昭和のお父さんというイメージの人だった。今だから言えるが、私の幼いときは、非常に近よりがたく、昔は、父に怒られるのが恐くて仕方がなかった。しかし、振り返ってみると、仕事で疲れていて、休みたいはずの土日に、何度も私を遠くに連れていってくれたこと自体、家族に対する父の思いの現れだと思うようになった。自分自身、一歳半の息子を持つ身になり、休みの日はどこに連れていこうかと、最近あれこれ考えるようになった。そんな中、より一層父のことに思いをめぐらすようになった。昔を振り返ると、父が厳格な人だったということもあり、父と共に過ごした時間が、...
出来事

雪は豊年の瑞

東京都心は45年ぶりというまさに記録的な大雪に見まわれた先週末。日曜日は東京都知事選挙の投票日であったが、足元の悪さも相まってか、投票率は前回を18%も下回りながらも新たな都知事が誕生した。政治テーマに関わることなので結果に関して言及は控えるが、我々のようなエージェントが都知事を探すとしたら、相応しい人物像とはなんなのかを考えてみた。政治家なので、企業経営者などとは求められるテクニカルスキルもヒューマンスキルも異質のものだが、簡単な求人票を書き起こしてみる。【職務内容】課題が山積みの地方公共団体、人口1300万人の東京都のマネジメント業務全般をご担当頂きます。特に2020年開催予定の東京オリンピックの成功の為の施策や、超高齢化社会による福祉負担増、少子化という日本全体が抱える課題に対して、首都東京からの発信で現状を打破するような施策を打ち出して頂きます。・予算策定と執行・東京都政に関わる施政業務全般・国、中央官庁との折衝業務全般・各種許認可の許諾など【必須】・日本国民で満30歳以上であること【歓迎される要件】・過去に国もしくは地方公共団体にて政治活動の経験がある方・組織マネジメントに優...
出来事

プロの見立て

我が家、10年ぶりに引っ越すこととなった。結婚しても何も変えないまま、家具もパッチワーク状態、昨年長女が生まれてからはますます手狭になってきたのだ。自分の好きな家具に囲まれての生活がやっとできる!もうずっと通っている家具屋に今回お世話になることとなった。行ってはソファに座り、の繰り返し、大好きな椅子がある。それをリビングに置きたいとなり、それにダイニングにと計画を練っていた。しかし、狭くもないリビングだが、全てを希望通りにできるほどのゆとりもない。はてさて困った。あの椅子には座りたい、でも横にもなりたい、ダイニングに大きな机も欲しいけど大きなL字ソファも欲しい・・すべて叶えることは到底無理である。そこでプロにご相談である。このどうしようもない願いをどうか叶えてください!彼は、あまりに多いオプションから選択肢を狭めるよう、誘導してくれた。現場まで足を運び実際に部屋の大きさを測ってもらう。それを基に、気に入っていたソファをリビングに置くとどういう距離感・空気感になるか売り場で再現して見せてくれる。ラグとソファと机の色の組み合わせ、ソファの生地・・。私たちに意見を押し付けるでもなく、かといっ...
出来事

サクラサク

大学の通知に使われている(使われていた?!)、いわゆる「合格」の代わり言葉です。その反対が「サクラチル」のようであり、「不合格」よりも少しくだけた表現になっているようです。今回は暦の並びが珍しく9日間の連休となったので、過ごし方の選択肢は例年よりも多かったのではないでしょうか。Uターン、海外旅行含めて行動的になったご家庭は多かったようです。少し元気のない日本でしたので、アベノミクス後の大型連休で経済が回るような契機が来て、法人・個人・自治体も賑やかな連休だったようです。経済的にもサクラサク現象が起きたことは非常に喜ばしいことです。年の瀬にアベノミクスという追い風が出てきたことで年末年始は大盤振る舞いをされた方も多かったようです。皆さん大いにリラックスした分、今度は仕事に精進できそうです。と言いたいところですが、良く耳にするのは仕事始めが億劫であるという内容です。仕事は楽しいことばかりではありませんが、総じて楽しまなければ億劫になるだけです。仕事が億劫というのは、ひとえに仕事がサクラチル状態になっているからではないかと感じ得ます。個々人の苦手分野を徹底的に見つめて、自らを立て直し・奮い立...
出来事

不確実性の時代に働く

師も走る12月。あっという間に1年が過ぎ去ったことを感じながら、時折、今年がどんな1年だったかを振り返る機会も多くある。スラングに近い用語であった「ブラック企業」という言葉は、今年1年で広く一般に認知をされ、企業のイメージを表現する際にブラックかブラックではないかは、1つの基準とまでなっている。また、「ブラック企業」というネガティブな認定をしようという動きもある中で、働きやすい「ホワイト企業」という言葉を広げるような動きも、厚生労働省や一部の有識者の中から声も上がっている。非常にセンシティブな問題だがブラック企業の定義というのはなんなのだろうか。様々な評論家や、有識者、経営者が意見を述べていることなので、ここでは細かい定義は控えておくが、やはりその企業で働く人が労働力を搾取されていると、感じるならばそれはブラック企業なのかも知れない。「ブラック企業」という言葉がこれほどまでに世間に広まっていったのは、終身雇用モデルの崩壊と相まって、自分の今のまたは将来の就労環境に、どことない不安を感じる人が増えているからであろう。また、会社を俯瞰的に見て、他社と比較できるような環境が整ってきたというこ...
出来事

人を気遣う心の余裕

知人のお子さんが入院しているため、時々、お見舞いに行くことがある。その病棟は、長期入院している患者さんが多く、人生模様が垣間見え、考えさせられることが多い。入院が長引くと、心の余裕を保つのは容易なことではないようで、また、入院したばかりの患者さんは、現実をなかなか受け入れられず、動転していることもある。私もそうでした、と知人は笑って話すが、私がもし同じ境遇だったら、この人のように、笑って話せるだろうか、と考えさせられた。そんな中、印象的だったのは、隣の病室にいた、ある夫婦の会話だ。奥様は、生んだばかりのお子様が、手術の必要な状態になり、すこし精神的に動転していた。旦那様は、西洋の方で、辛抱強く奥様をなだめ、奥様や医者の話を深く聴き、次第に奥様の様子も穏やかになっていった。外国の方だが、日本語で話し、まるで禅僧のような面持ちで、日本文化に適応しようとしておられる様子が感じられた。そんな様子を見て思った。人を気遣うのは、心の余裕なのだと。一生懸命やっているがうまくいかない、という悩みを転職者の方から聞くことは多い。私もそうだったし、今もそういうことがある。そんなとき、私は、一生懸命やってい...
出来事

継続・・・・好きであること、楽しむこと

最近、学生時代に熱中していたバドミントンを改めて趣味で始めることとなった。社内で同様に学生時代、真剣に打ち込んでいた同僚と何となく始めてみようかという程度であったのだが、久しぶりにやってみると「部活」とは違ってかなり楽しめるものであった。「道具」から入る私はラケット、シューズ等も揃え、今では平日の夜1日、土曜日のお昼に1日、週に二日、汗を流すようになった。コートが会社の近くなので、土曜日面談希望のお客様などにも対応が出来るようになり、ON/OFF充実した日々を送っている。そもそも大した技術を持ってなかったのですが、下手なりに楽しんでいますし、勘を取り戻しつつあることと、上達することに手応えを感じています。自分なりに何故、楽しめるのかを分析してみたところ理由は下記3点にあると思われる。①そもそもゲーム自体が楽しい⇒ゲームを繰り返すことで技術面、メンタル面、戦略思考が高まること。自らの能力が高まることが実感出来て嬉しい。②ダイエット?⇒スポーツジムでの単純な動きよりも、ゲーム性があることにより長時間楽しみながら行える。③共通の趣味を持った新しい出会いがある⇒昔私と同じように部活、サークルで...
出来事

意識が働かせる出あい、お別れの大切さ

人は、いとも簡単に新しく人と出会う。仕事でもプライベートでも、携帯やメールの交換をすることで容易にコンタクトが取れるようになる。便利である反面、「別れ」というイベントが軽んじられる傾向になってきていることを感じている。人と出会った本当の意味は、別れる時にわかることになる。もしきちんと別れていなければ、出会いの目的は達成されていないといっても過言ではないだろう。SNSを通して、昔の「つながり」と連絡を取る人が多いというのも、きちんとした別れを終えてなかったからではないだろうか。人と別れるのは、何らかの概念との別れを意味する。~であった自分との別れ、~という価値観との別れではないだろうか。「別れ」は、より自分を新しい自分に導くための道具であり、それが新しい価値観を形成し、新しい人生が始まる。換言すれば、「別れ」なしに次の自分は永遠にやってこないのではなかろうか?先日、ちょっと時間ができたので、メールアドレスや住所録の整理をしていた。そう、恐らくこの先連絡を取らない人とのお別れである。もちろん昔の知人、取引先、元同僚も含まれる。昔の会社、というのは、以前自分が良かれと思っていた価値観を代表す...
出来事

オフィス移転します

9月9日(月)より新しいオフィスへ移転致します。現オフィスから徒歩1分位離れたオフィスビルです。今日はちょっと個人的な話しになってしまいますが、ご了承いただければ幸いです。ご存じの方も多いかと思いますが、株式会社コアは2010年にマンションの一室からスタート致しました。ご訪問くださる方は、普通のマンションと同じように、扉前でピンポーン♪とチャイムを鳴らしていただく必要がございましたので、オフィスの建付けに驚いてチャイムを鳴らす前に来た道を引き返された方も多かったように記憶しております。(苦笑)東日本大震災もこのマンションの一室で体験しました。古いビルなので、倒壊するのでは?!と思う程の揺れだった為、不安で胸が震えたのを覚えています。その後、マンション部屋が手狭になった為、同ビルのオフィス棟へお引っ越しし、社員も徐々に増え、ちょうど3年ほどの時間をcores(社内用語でコアメンバー全員を指します)と共にここで過ごしました。そんな私たちにとって、今回のオフィスビルに引っ越しする意味は、見かけよりも大きい出来事です。私たちは、多くのことを毎日出会うご転職希望者の方々・クライアント企業様から学...
出来事

テーマ「一流」 その1

メールやLINEなどでのコミュニケーションが頻繁になされておりますが、ビジネスの環境においては、皆さん、日常的に電話を使っておられるかと思います。用件だけのコミュニケーションを行い、電話を切ることになるのが一般的ですが電話を切る際、どのようにしておられますか?意図しない営業電話であったり、お叱りの電話であったり、回答が難しいようなご質問もあったりと、日々、電話の内容は様々だと思います。通話を終えた後も、心地よい電話ばかりではなく、時には嫌な気持ちにさせられるような内容も当然あると思います。しかし内容がどうであれ、態度や言葉に出てしまうのは、感心出来ることではありません。よく、直面するのは、言葉は非常に丁寧な方でも電話の切り方が雑な方。非常に多いです。そこまで気が回らないのか、面倒な電話を受けたやり場のない怒りなのか、急いで電話を切り、他の仕事をしたいのか?詳細はわかりません。弊社においては、相手が電話をお切りになるか、会話を終えて3秒後に静かに受話器をおくルールがあり、その為か、コンタクト相手の耳に受話器を切る「ガチャ音」が結構耳に響くということを目の当たりにすることが多くなりました。...
出来事

GAP YEAR

妻がもうすぐ出産を迎える。日に日に大きくなるお腹に話しかけるにつけ、一体どんな人格、個性を持った子に出会えるのだろうと想いを巡らせている。人間、生まれる前から何らかの人格を備えてこの世に出てくるのだと思うから。その個性をどう見つけるのか、伸ばせる環境を整えることができるかどうかは親の役割ではないだろうか。妹の旦那がある日LEGOをやったところ、芸術的な巧さだったという。現在サラリーマンの彼は、別のきっかけがあれば空間能力を活かす仕事に就いていたかもしれない。あるイタリア人の友人は、「音楽もやった、建築もやった、スポーツもやった、でも、言語学が一番楽しかった、だから大学に来た」と、当時目をキラキラさせて言っていたが、現在彼女は言語学のドクターである。個を追求し尽して見つけた自分の人生、きっと楽しいに違いない。「dovere(義務)からではなくvolere(望み)からやるんだよ」と彼らは言う。それに比べ日本の学生は、単に大学に行った方がなんとなくいいから、専攻も真剣に考えている風でもなく、偏差値の高いところで受験しやすそうなところを選んだ、なんて人が多いように感じる。楽しそうにその学問領域...
出来事

権威

この頃、社会が「音を立てて」変わっていくように思える。以前からそれを望んでいた自分としてはカタルシスさえ感じるほどである。以前、日本人としての個の自立について触れたことがあるが、まさに今、日本人は個を尊重しつつ和を尊ぶ世界へと入りつつある。権威、権力の、ある意味での崩壊である。 昨今話題になってスポーツ界を始めとする暴力問題がまさにそうだ。権力のあるものが絶対的真実を握り、下は従うことが美徳とされる。しかし、これによってもたらされているのは権力者たちの倫理的崩壊である。オリンピックの金メダリストだって権力を利用した暴行が許されると考えたのである。これは柔道界の権力者が権力を持って何をしていたか、業界の構造的問題を示している。 日本社会では、年功序列で地位は絶対的なものとされる。学歴をかざしただけでひれ伏す人だっている。非常に盲目的で危険なことであると思う。個を個として認識していない。肩書きだけで成り立つ世界である。間違ったことを言い続ける上司に何も言えずに従わざるを得ずに転職を考える方も多いだろう。正しい見解を持った人の意見を取り入れれば大きく会社も変われるが、チャンスを逸している。「...
出来事

体罰事件に見られる教育と自主性について

大阪市立桜宮高校の男子バスケットボール部の体罰問題から、今は柔道女子全日本の件など、体罰問題の議論の余波が広がっている。体罰議論については今に始まったことではないが、解決されていないのはこの問題の根が深いことを示唆している。最初に個人的な見解を示しておくと、体罰はいけないことであると思っている。とは言え、自身が小学生の頃は同じ班の誰かが忘れ物をすると、全体責任で班全員が一列に並び、頬を引っ叩かれて育った。それでもその先生が大好きだった。みんなもその先生が大好きだった。たぶん、自分たちのことを誰よりも一生懸命に考えてくれていたし、親のように愛情いっぱいに褒めてくれたし、叱ってくれていたとみんなが実感していたからだと思う。そういう経験はあるが、「お前たちのためだ」と教育・指導を盾にして勘違いした独りよがりな暴力行動とも言える。体罰は「怒られないこと」や「殴られないこと」を目的としてしまい、本質的な「どうしたら勝てるのか」「何をどのように解決すればいいのか」を自ら考えることが出来なくさせてしまうのではないだろうか。小さい子供が親から怒られることを怖がり、「お母さんに怒られるから・・」と親の顔...
出来事

運鈍根(うんどんこん)

4年に一度のスポーツの祭典が終わってしまいました。あっという間でしたが、やや寝不足感が残っています。一流のアスリート同士の4年、というか人生に一度の戦いですね。どの種目も最終的には「自分との戦い」というように感じます。メダリスト、惜しくも入賞出来なかった選手、心技体のハイレベルな戦いでした。最後のタッチの差は「運」なのではないだろうかと思います。「運も実力のうち」というのは言い得て妙だと感じます。心技体を極めんとする動きや思考の中で、自ずと運の引き寄せ方も身についているのではないでしょうか。トップアスリートの僅差を決めるのが運という要素もあるのであれば、非常にシビアな戦いだと思います。逆に、努力を怠ると、運に見放されるというのも良く耳にします。ビジネスでも同じように思います。運を呼び込める人は、相応の努力をしている人だと言えます。その逆も然りです。運が悪かった、という言い逃れをする人がいますが、本当にそうだったのかを自問自答してみるのも良いかも知れません。運が悪いというのは、それを引き寄せるための努力を怠ったということなのかも知れません。日々、精進している人には天も味方するのでしょう。...
出来事

盲目

昨年の原発事故で出た放射線に対する反応は人それぞれであった。海外逃亡する人、とりあえず西に逃げた人、窓を閉めてマスクをした人、何もせず放射線を吸い込んだ人。また、福島産の野菜を選んで買う人、なんとなく東北関東産の野菜を買わない人、九州から野菜を取り寄せる人・・。さて、皆さんは何をもって自らの行動を決断しただろう?ある若者が言った。「東大の有名な先生が放射線は大丈夫だってツイートしてたから大丈夫ですよ」。だが後日、世間が放射線に対し懸念を示し出すと同時に、彼も食べ物に気をつかい始めた。地震予知の件では、「ツイートで●月●日に地震が来るって噂になってるから心配です」とのこと。彼は、判断の基準が、〈噂〉や〈有名な先生〉なのである。・・はて???大多数がYesと言うから、学歴のある先生がYesというからYesなのである。彼には自分の判断基準がない、と言っていい。情報が多くなると同時に、自らの目で判断すべき事柄が増えてきている。ネットであまたの情報が流れ、隣の人と同じ情報を共有しているということはもはやなくなった。これまで、他の人と同じであればいい、和、が大事である、みんなで仲良くしよう。そんな...
出来事

叫び

先日、バスの運転手を刺した少年がいた。「同級生に馬鹿にされてくそっ、と思った」という理由だそうだ。社会の中に埋もれている、学校や会社といったある一定集団の中にいる自分に歪んだ形で、叫びを上げてしまったのではないだろうか?他の人の目や考え方、流行に主眼を置いて行動している人がいかに多いことか。百貨店に行けば、ほぼ同じデザインの中からアクセサリーを選び、ある人気の色や流行の形の服の中から自分?の服を選ぶことになる。その「流行」は、雑誌という「お手本」を見て勉強する。自分らしくあるために、でも実は、自分でなくなるために。中学までが義務教育でその先は自由であるはずである。しかし、ほとんどの家庭が息子・娘を高校、そして良い大学へ入れることを考える。偏差値という定規で測り、上を目指すというレールを引き、ひたすら、機関車を走らせる。会社に入っても同じである。同期よりいくら早く昇進できるか、出世するか。日本人は、そうしてレールに乗ることに、慣れている。果たして、心からそのレールに乗れている人はどれだけいるだろう。繊細な人、正直な人はその不自然さに気付くのではないか。個の区別ない人間が、灰色の制服を身に...
出来事

変わり目の着眼点

世界No3のエルピーダメモリーが更生法の適用となってしまった。エルピーダは09年に改正産業活力再生法(産活法)の認定を受けた。業績不振に陥った一般企業に公的資金を使って支援する枠組みの適用第1号となった。日本政策投資銀行が優先株を引き受け300億円を出資したほか、三井住友銀行やみずほコーポレート銀行など主力取引銀行4行も約1000億円を協調融資した。何故、公的資金でバックアップしてもなお厳しい環境下には耐えられなかったのか。同時に、もっと驚いたのが、世界No1とNo2が韓国企業であるということだ。最近の韓国企業の台頭が非常に目立つ。国力の違い?政策の違い?いずれにせよ、この結果となった論及点はどこになるのでしょうか。今回の更生法に関しては、公的資金のバックアップ体制や経営陣の手腕などにも疑問があります。ただ、日本の産業構造の変革にこそあるのではないかと思います。もっというと、それに対応出来ていない状況ではないかと考えてしまいます。実際に、ここ最近は「失われた●●年」などと言われていますが、いつまで「失われた」という言い方で逃げ口上にするのか。正しくは、「逃がしてしまった」とか「失くして...