ルール化 古典を超える
ヒット漫画『ヒカルの碁』にも登場した棋士・本因坊秀策は、江戸時代の人だが、昔から現代までを通じて、史上最強の棋士と言われているそうだ。しかし、秀策の後の名人達は、秀策のスタイルを破ろうとして、違う打ち方を試みている。その結果、現代の布石なり打ち方は、江戸時代よりも進歩しているそうだ。これを捉えて、前回のブログで紹介した棋士・呉清源は、こう言っている。「決して、昔のまねをしてはだめなのです。」百歳を過ぎてなお、毎日八時間の研鑽を積む人が言うと、深い。この言葉を最近知って、私は、胸が突かれる思いがした。昔のものなり古典は完成していて、現代の私達は、それをいかに忠実に実践するかが大事だ、と思っていたからだ。そんなことを考えていると、清王朝時代の中国を舞台にした漫画を思い出した。歴史のある中華料理店で料理人を務める主人公が、「この店の伝統は何か」と聞かれ、「伝統を打ち破ることでございます」と答えるシーンがある。8月10日のブログで書いたように、「古典を現代的に適用する」ことが最上だと思っていたが、そうではない。革新が大事なのだ。古典を超えるなんて恐れ多いと思っていたが、よく考えれば、お手本を模...