感動したこと サービスのあり方
息子が、かつて長期入院時にお世話になっていた病院に、一日だけ検査入院した。通常の病室に空きがなかったため、一時的に、病棟の最上階にある特別室に通された。初めて立ち入るその空間は、目にするもの全てが新鮮で、こんな場所があるのかと驚いた。時が止まっているのではないかと思うほど落ち着いた雰囲気で、まるで都心の高級ホテルのようだった。だが最も印象的だったのは、スタッフの方々の対応だった。細部に至るまで気を配ってくれるが、サービスを受ける側に気を遣わせることなく、加減を心得ていて、まるでコンシェルジュのようだった。退院の際、以前お世話になった通常の病棟に、ご挨拶に立ち寄った。そこは、入退院する患者さんが毎日のようにいて、特別室とは対照的に、忙しい時間が流れていた。先生や看護師さんが果たして覚えてくれているだろうか? と思いながらその空間に入ると、懐かしい看護師さんたちが、お忙しい中、手を止めて、弾けるような笑顔で迎えてくださった。そこで息子は、その入院時に初めて見せるような、柔和な顔をして笑ったのだった。以上のことがあって、サービスのあり方について考えさせられた。特別室と通常病棟、どちらのスタッ...