2013-03

キャリアについて

変わらずに咲く桜の価値

見てくれは微妙な我が家だが、一点だけ誇れるものがある。それは、窓から見える桜だ。この家で暮らすようになって6年、毎年この時期になると「今年も変わらず咲いてくれた」と気持ちがなごみ、何とも表現しがたい安堵感に浸ることができる。一方で、「去年この桜を見た時と今の自分に変化はあるだろうか?」と少し不安な気持ちになることもある。変わらなくても良いもの、変わることが求められるもの、状況によってその価値や良し悪しは異なるだろう。私はどちらかと言えば安定志向のものの考え方をするので、本来は変化を嫌う傾向だと自覚している。そんな私もこの人材コンサルタントの仕事に就いてからは変化することを求められてきた。転職活動の場合、仮に安定志向の方だったとしても仕事を変えるという意味では必ず変化を伴うわけで、私たちはお客様に対して常に何らかの「変化」を提供し続けていることになる。お客様に変化を提供し、働き方をご提案する立場でありながら、自分自身に去年と全く変化がないのであれば、その説得力はゼロに等しい…というものだ。そんな意識で、どうにか自分を変えてこられたと思っている。安定も変化もバランスよく融合されている仕事は...
ルール化

風に揺らぐことの無い足場

この季節、変化の時期である。寒さも緩み始め、生物は春に向かって新たなる芽を吹き出し生命の息吹を感じさせる。気候は春へと変わろうとする中、不安定な大気の中で強烈な風が吹きさらし、春の嵐も頓に感じる。弊社のオフィスの近くで、新しいマンションが建設中だが、見上げると、もの凄い風の中で作業をしている現場の方が目についた。おそらく地上から9階ぐらいの高さで足場作りをしている鳶職人。服がバタバタしており、強烈な風に逆らいながら作業をされているのが感じ取れる。強風の中で、自分の身長の3倍以上の長さの鉄の足場を持ち上げ、それをどんどん上に伸ばす。安全なところから見ていても、身震いしてしまうほどのおっかなさだ。彼のてきぱきした素振りと強風が続く中でもどんどん上に伸びていく足場を見ながら、「足元を固めること」というのがいかに大切かをふと考えるに至った。きっと彼は自分でか、または彼の仲間がこれまで作ってきた、「今、自らが立っている足場」に絶対の信頼を置いているからこそ、このような天候の中でも臆すること無く、作業を続けることが出来るのだろう。もしくはそこまで考えるまでもなく、当然の安心感を持って作業に臨んでい...
ルール化

他者からの視点

先日、古い友人の紹介で外国籍の方をご紹介頂いた。どうやら転職したいそうだ。26歳になったばかりのフレッシュで活気のある人材。現職は地方の学校で子供たちに英語を教えているそうだ。転職の動機は教え甲斐のなさ、のようだ。日本を取り巻く修学環境は、とりわけ先進国の中でもレベルが低いと思う。これは日本人である自身も感じることである。この環境下におかれた外国籍の人が、就業後間もなく感じるのであるからこれは割と深刻なように感じる。彼の言う教え甲斐のなさというのは下記の通りである。1、生徒の就学意欲の低さ(やらされている感)2、カリキュラムレベルの低さ(何を子供に教えたくて勉強のプログラムを組んでいるのか)3、先生のレベルおよび程度(生徒の裏返しで、先生も子供の将来や意識など意に介さず)彼は、英語の必要性をうたい、子供にやる気を出させながら教壇に立つようだがうまく伝わらない、先生の独りよがりと見られている事だそうだ。それを周囲の先生にも相談しているものの、取り合わないようである。もっというと、どうでもよいという風に感じるような態度らしい。彼の教え方、伝え方という面も一部要因としてあるだろうがここで取り...
ルール化

古い友人に逢っての気付き

10年ぶりに会うということが、世の中そうあるものではないと思うが、先日これが起きた。大学時代から実に10年ぶりの再会である。この10年間、特段連絡を取り合っていたわけでもなく、もちろんお互いの携帯電話なども知らない。とあるSNSで急遽再開することになった。最近、SNSが流行しているので、この手の話は珍しくなくなったかもしれないが、それでも10年のブランクを経て会うということの希少性に驚いている。大学時代の友人ということもあり、当時はテニスの話や仲間内の話で終始していたが、先日は仕事観・人生観・将来像などの話がメインとなった。大学時代から、キレのある後輩だと思っていたし、魅力的な人物でもあった。そのイメージはそのままに、更に進化を遂げて目の前に現れたから驚いた。進化と言うのは日々の中では確認しづらく、また確認しようとも出来ないものである一方ブランクを経て再会すると如実に分かってしまう。今回の友人は、それぐらいインパクトのある人物であったということを差し引いても素晴らしかった。そして、何よりも自身の成長意欲を刺激されたことが想定外の収穫であった。元より、頭のキレる人物であると知っていたし、...