2017-05

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暗闇の象

外国に、こんな例え話があるそうだ。暗闇の中で、ある人が象の鼻を触り、「象とはざらざらして柔らかいものだ」と言う。また、ある人が象の牙を触り、「象とは硬くてすべすべしたものだ」と言う。他のある人が象の別の部分を触り、違うことを言う。どれも象の一部だが、象の全体を表したものではない――。この話は、いろんな解釈の仕方があるが、私は、人間にとって、物事を認識することがどれ程難しいか、「解ったつもり」を戒める話だと捉えている。弊社にお越しになる方と、フェイス・トゥー・フェイスでのご面談をする際、「求められる働き方」のようなお話をする機会が多いが、実に様々な説明が可能である。組織に貢献する。全体の中における自分の部署や自らの役割を踏まえて行動する。まず義務を果たす。多角的な視点で物事を見る。経営の観点を持つ。効率、効果、生産性を高める。独自の取り組みをする。他部署と密に連携する。突き詰めれば、どれも同じモノに達するが、表面上は違う。ご面談にお越しになった方に、職務経歴書の修正を通じて、ご自身の歩みを振り返って頂くと、「こういったことを大事にして働いてきたのか」と、感慨深いご様子で、ご自分を再確認な...
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「意識の差」「情熱の差」「考え方の差」

皆様、GWは充実したお休みを過ごされ、リフレッシュできましたでしょうか?この時期、どうしても5月病などがクローズアップされますが高い意識で働かれている皆様を想像しながら、私自身も身を奮い立たせ業務に邁進しております。さて、私もGWに帰省をしたのですが、実家で旧友と時間を共有していた際に感じたことを事例を挙げてお話をさせていただきます。人材紹介のお仕事をさせていただいてから、働く方の心情や境遇、取り巻く環境などを無意識に考える様になりました。とりわけ、現在は売り手市場とも言われておりますが、就職活動が厳しい時期もそうでない時期も、働き手の「意識」の違いが最終的な結果を左右することに変わりはないように思います。私は今年で29歳になりますが、同期の人間を考えれば社会人経験は高校を卒業すると10年、大学を卒業するとすでに丸6年になります。友人の一人は高校を卒業し飲食店の店員を経験し、一つのお店を任せていただけるまでになりました。もうひとりの友人は高校を卒業し建設作業員を経験し、会社を立ち上げるまでになりました。友人が偉くなっていくことは非常に嬉しいことですし、私のように東京に出て仕事をするより...
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ストラディバリウスの価値

相場価値として10億を超えるとされるバイオリンの世界的名器、「ストラディバリウス」の音色が、実は楽器屋で買える市販品とほとんど差が無かった――そんな研究結果が発表された。さすがに10億円となるとイメージがつかない額だが、何せ、相手は音である。好きな人は好きでいいじゃない!と言う感じではある。そもそも、何故このバイオリンが欲しいかと言えば、音の違いというよりは、芸術品として所有する事自体に意味があるという側面が強いのだろう。いわゆるブランドを身にまとう、という文脈で考えればわかりやすい。こうすると、10億円がいささかチープな印象になってしまうのだが、しかし、何かの力を借りるというのは決して悪い事ではないと思う。例えば、昔の武家に生まれた男の子は元服する時に刀を与えられたらしい。そこを起点に、子供から大人ひいては立派な武士に育っていくという考え方があり、まさしく、モノを持つことで精神もそれに見合う形になるという一例だ。名器を手にしたことの緊張感で音楽に邁進するなら、それはそれで立派だと思う。会社でも、肩書やポジションを得た際に、その高揚感や責任感を大いに利用して、しかるべき存在になれるかが...
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人材紹介会社の介在意義

先日、業界ではシェアトップクラスの食品メーカー様より求人のご依頼を頂戴しました。求人背景をお聞きしたのですが、他の紹介会社から紹介された方で、中途採用した社員の方が数ヶ月で退職してしまったというものでした。採用担当者様も時間と労力、コストをかけて行ったにも関わらず、数ヶ月で退職してしまったことに、落胆の表情を隠しきれずにおられました。その退職理由をお伺いすると、「社風に合わなかったから」というお話でした。こういった退職理由の場合、紹介会社が、ご依頼頂いた求人案件において、求職者様の「ご経験が合致していれば紹介する」というものが挙げられます。これは当然と言えば当然かもしれません。しかし、その一方で、求職者様のお人柄やお仕事に対しての考え方。これからのキャリア(人生)を転職先でどのように築いていきたいのかという側面も考えながら企業様をご紹介していくことも紹介会社には求められています。前提として求職者様のご意向と企業様のご意向をお聞きしながら双方の成長に繋がるようお互いを良縁に結び付けることが我々のミッションではあります。しかしながら、100%ご意向を叶えられるのかというと、それは求職者様も...
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期待を裏切る事で裏切らない存在意義

ラーメンが好きで、よく食べに行くのだが、大きく分けると二種類の店があるような気がする。いつ行っても味が変わらない店と、日によって微妙に味が違う店だ。前者の良い点は、安定感があり、期待値を裏切らないといったところだろう。味をいつも同じように保つのは、簡単なようで難しいので、高度なノウハウを持っている、と言えるのかもしれない。だが、個人的には、日によって微妙に味が違う店の方が好みである。湯切りの微妙な加減が違って、今日は麺が硬いとか柔らかいとか、仕入れる素材が普段と違って、今日は少し塩味が濃い、とか。お店に行く度に、その変化を楽しんでいる。これは、私が人材ビジネスをずっと続けている理由と通ずるかもしれない。お客様の立場からしたら、わざわざ時間を使って人と会って、「全部、予想の範囲内だった」というのでは、安心感はあるかもしれないが、驚きや面白さとかの感動は無いだろう。特に、相談しようとか、意見を求めて人と会うのなら尚更だ。「ああ、やっぱりこんなもんか」ではなく、何かしら自分の想像を超えたり、良い意味で期待を裏切られた…。そういうのを、人は求めているのではないだろうか。少なくとも自分はそのよう...