出来事 TPP大筋合意を迎えて
TPPがようやく大筋合意を迎えた。関税が撤廃される項目の一覧を見ると、今後起こるであろう変化の大きさに、改めて驚く。農産・畜産を始めとして、輸入脅威論が叫ばれて久しいが、個人的には、「貿易自由化は必然的な時代の流れで、止めようがないため、是非を論じるよりは、自由化の中でどう生き残り、拡大していくかを考えた方が良い」と思っている。関税が撤廃・縮小されると、農産物の輸出が増えるが、これに伴って、関連サービスの海外進出も拡大する。そのサービスに必要な技術の海外進出も進んでいく。日本の農業の技術は、世界でも最高クラスの水準にあるという。日本の品種や日本農家の進出を待っている海外の農家は多いという。季節が正反対の南半球で、日本と半年ずらして果物を作り、流通を通年化した例もある。種子・種苗を例に取れば、外資系の超大手バイオメジャーがスケールメリットを活かし、需要が最も多い穀物種子を展開するのに対し、日本の種苗メーカーは、ニッチな野菜種子の品種改良を手掛け、東南アジア等に進出している。欧米と異なるモンスーン地域向け製品は手間がかかるため、バイオメジャーは参入しないが、地形が南北に長く、気候が多様な日...