2015-10

出来事

TPP大筋合意を迎えて

TPPがようやく大筋合意を迎えた。関税が撤廃される項目の一覧を見ると、今後起こるであろう変化の大きさに、改めて驚く。農産・畜産を始めとして、輸入脅威論が叫ばれて久しいが、個人的には、「貿易自由化は必然的な時代の流れで、止めようがないため、是非を論じるよりは、自由化の中でどう生き残り、拡大していくかを考えた方が良い」と思っている。関税が撤廃・縮小されると、農産物の輸出が増えるが、これに伴って、関連サービスの海外進出も拡大する。そのサービスに必要な技術の海外進出も進んでいく。日本の農業の技術は、世界でも最高クラスの水準にあるという。日本の品種や日本農家の進出を待っている海外の農家は多いという。季節が正反対の南半球で、日本と半年ずらして果物を作り、流通を通年化した例もある。種子・種苗を例に取れば、外資系の超大手バイオメジャーがスケールメリットを活かし、需要が最も多い穀物種子を展開するのに対し、日本の種苗メーカーは、ニッチな野菜種子の品種改良を手掛け、東南アジア等に進出している。欧米と異なるモンスーン地域向け製品は手間がかかるため、バイオメジャーは参入しないが、地形が南北に長く、気候が多様な日...
キャリアについて

プランドハプンスタンス

私は前職で今のような人のキャリアの支援をすることを夢みていました。しかし、自分のキャリアを変えるなんて、守るべき家族もあり、半ば諦めていたのも事実で、どうせ自分なんかがと後ろ向きな考えをもった時期もありました。と同時に、自分の中では現状を変えたい、もっと向上心を持って働きたいと強く思っていました。するとある日、CDAの集いで現職の代表から声が掛かったことをきっかけに、入社。現在はキャリア構築の勉強を日々行い、お客様の支援を行っているわけです。先日、『これは偶然なのでしょうか、ただ、運が良かったのでしょうか。』と現在も親しくさせて頂いている大学の教授に聞くと、プランドハプンスタンスだね、と言われました。プランドハプンスタンスとは「計画された偶発性」理論のことです。スタンフォード大学のジョン・D.・クランボルツ教授が提唱したキャリア論です。私共が支援させて頂いている企業様人事担当者様や、大学の進路指導室の方々が良く、口にされ、耳にすることが多くなりました。私の見解では叶わないと思っている願望は多分叶いません。でも叶えたい夢や目標を強く描くということは言葉に表れ、行動に表れ、必ず周囲に影響を...
出来事

ナバホの想い

先日都内某所にてナバホ族の巨匠「A氏」が来日し、インディアンジュエリーの制作デモンストレーションとトークショーが開かれた。インディアンジュエリーとはその名の通りインディアンが作ったシルバーやターコイズをあしらった装飾品であるが、その歴史は古く、深い。だからこそ現在でもムーブメントとして文化を築いていると思われる。彼が語ったインディアンジュエリーの歴史を少し紹介してみる。紀元前900年頃から先住民であるネイティブアメリカンはジュエリーを作っていたとされる。そこへ16世紀スペイン人によって銀が持ち込まれ、ジュエリーは大きく変化する。 1840年頃のナバホ族の一人がスペイン人から鍛冶を学んだとされる。当時の銀製品は粗雑なツールで作られており どれも現在のインディアンジュエリーとはかけ離れたものだった。しかし金属を溶かすための容器や紙やすり、送風機などを作り品質の向上に努めた。これを古典期と呼ぶ。(第1フェーズ) 1900年頃、フレッド・ハービー社というホテルやレストランなどを経営する会社が現れる。フレッド・ハービーはインディアンジュエリーに目を付け、レストランなどで販売するようになり、商業化...
キャリアについて

三つ子の魂に逆らえるか

今でも「三つ子の魂百まで」と根強く言われています。今月で息子が3歳になるので、他人ごとではありません。欧米でも同じ様なことわざが存在している事もあり、世界共通の認識として、科学的にもこの考え方は支持されている様です。とはいえ、これは親の経済力だとか教育方針、生まれ育った地域など、本人ではどうしようもない部分で決定されるものなので、もしプラス材料があったらラッキー程度に捉えておくのが健全ではないでしょうか。人生は平等ではないと思いますが、スタートだけで決まるわけではないとも信じています。大人だからこそ思考によって、思い切り、三つ子の魂に逆らいながら生きていく事も出来るのだと思います。大人は「これが限界」と無意識に固定化してしまいがちですが、例えばこの「三つ子」という表現をもっと広い意味でとらえ、「何かを志してからの一定期間」だとすると、やってやろう、というモチベーションが上がってきます。人は生きている中で何回も三つ子の状態、つまり成長するチャンスを得ていると思います。何か新しい事に対して多くのチャレンジをする人、今までのやり方に変化を加える努力を継続する人は、他の人よりも息の長い伸び代を...