2012-06

出来事

盲目

昨年の原発事故で出た放射線に対する反応は人それぞれであった。海外逃亡する人、とりあえず西に逃げた人、窓を閉めてマスクをした人、何もせず放射線を吸い込んだ人。また、福島産の野菜を選んで買う人、なんとなく東北関東産の野菜を買わない人、九州から野菜を取り寄せる人・・。さて、皆さんは何をもって自らの行動を決断しただろう?ある若者が言った。「東大の有名な先生が放射線は大丈夫だってツイートしてたから大丈夫ですよ」。だが後日、世間が放射線に対し懸念を示し出すと同時に、彼も食べ物に気をつかい始めた。地震予知の件では、「ツイートで●月●日に地震が来るって噂になってるから心配です」とのこと。彼は、判断の基準が、〈噂〉や〈有名な先生〉なのである。・・はて???大多数がYesと言うから、学歴のある先生がYesというからYesなのである。彼には自分の判断基準がない、と言っていい。情報が多くなると同時に、自らの目で判断すべき事柄が増えてきている。ネットであまたの情報が流れ、隣の人と同じ情報を共有しているということはもはやなくなった。これまで、他の人と同じであればいい、和、が大事である、みんなで仲良くしよう。そんな...
出来事

叫び

先日、バスの運転手を刺した少年がいた。「同級生に馬鹿にされてくそっ、と思った」という理由だそうだ。社会の中に埋もれている、学校や会社といったある一定集団の中にいる自分に歪んだ形で、叫びを上げてしまったのではないだろうか?他の人の目や考え方、流行に主眼を置いて行動している人がいかに多いことか。百貨店に行けば、ほぼ同じデザインの中からアクセサリーを選び、ある人気の色や流行の形の服の中から自分?の服を選ぶことになる。その「流行」は、雑誌という「お手本」を見て勉強する。自分らしくあるために、でも実は、自分でなくなるために。中学までが義務教育でその先は自由であるはずである。しかし、ほとんどの家庭が息子・娘を高校、そして良い大学へ入れることを考える。偏差値という定規で測り、上を目指すというレールを引き、ひたすら、機関車を走らせる。会社に入っても同じである。同期よりいくら早く昇進できるか、出世するか。日本人は、そうしてレールに乗ることに、慣れている。果たして、心からそのレールに乗れている人はどれだけいるだろう。繊細な人、正直な人はその不自然さに気付くのではないか。個の区別ない人間が、灰色の制服を身に...
余談

結婚観

日を追うごとに薄れていくのは、当初抱いていた結婚に対するイメージである。入籍前と現在では、結婚に対する考え方が180度異なる。元来、日本の婚姻制度は「お見合い」が一般的であり、恋愛の末の婚姻というのは稀な現象である。このお見合いであるが、一体何を見合うのか。一概には申し上げられないが、いわゆる「覚悟」や「人生観のすり合わせ」などであろう。人生の一大イベントであり、赤の他人と一生涯伴にすることを約束する相手を選ぶというものであるから、ただ単に好き嫌いでできるものでもなかろうというのが本来のお見合いの意味合いなんでしょう。最近ではお見合いで結婚している人は少なく、恋愛の末に結婚ということが主流となっている。結局好き嫌いで、人生の生殺与奪を決めてしまうことが一般的になってきたのです。ということは元より結婚観というのは希薄になってしまっているのではないかと思います。では一体何を見据えて結婚するのか、何を期待するのか、何を望むのか。これらが結婚観と言えるのではないかと思う。これらの考えはむしろ結婚してから、より深く考えるようになった。現実を見て、堅実な路線で考える。だから結婚前に考えていた無謀と...
ルール化

マネージメント力とは

既に通説になっている「35歳以上はマネージメント経験を問われる」ということだが、最近では、部下を率いるポジションでなくとも、35歳以上でなくとも、30歳を過ぎた人には「マネージメント力」を見ている傾向にあるのをご存じだろうか。例えば、「役員面接までは行くけれども、いつも最終面接で落ちてしまう。何でなんでしょうか?」という相談を受けることが最近多い。心当たりがある方は、面接でマネージメント力に欠けていると思われている可能性が高い。部下がいて数値管理をしてきた、ということだけではマネージメント力をアピールするには力不足。では、どのような点を表現することで、マネージメント力についてアピールできるか。そして、どのような点を意識することで、部下がいなくてもマネージメント力を身につけることが出来るか。私の考えではあるが、マネージメント力とは、「会社全体を見渡せる力・動かせる力」だと考えている。直訳の通り、「経営する力」があるか。いかに「経営者(社長)の目線」を持っているか、ということ。自分に与えられた役割を果たすだけではなく、よりよい会社にするために考え、自ら動くという意識を持ち、実践してきたかど...
ルール化

贅沢というのは

弊社の隣駅に、立派な建物が出来ました。所要があり、その近くに行く際外観を見てきました。どうもバブリーな雰囲気を醸し出す建物です。一つ疑問なのですが、この建物は誰かに必要とされた外装・内装なのでしょうか。何が言いたいかというと、一言「無駄ではないかと」。もっというと、この無駄の産物を生みだすために「無駄な労力」があるのではないか。昨今の雇用状況から考えて、無駄であろうと何であろうと働き口が増えるのはいいことではないか、そんなこと言ってたら就業人口の何割が無駄な労働になっているのだ。という声が聞こえてきそうです。労働というのは、誰かに必要とされているから存在意義があるのではないか。単に労働量を増やすための「無駄作業」に何の意味があるのか。この建物、はっきり言うと「建設サイドの自己満足」でしかないのではないか。ただ、このような建物を生みだすところを見ると、日本経済はバブル時代に戻るべきと考えている人がまだまだ沢山いるような気がしてならない。あの頃はよかった、楽しかった、という言葉をよく聞きます。そりゃそうでしょ、一時期のお祭り騒ぎですからね。お祭りは、いずれ終わります。むしろ終わった後の夢の...
ルール化

今、求められているモノ

そろそろロンドン五輪です、2か月ほどで開催されます。前回の五輪前と今回の五輪前で、少し違和感を覚えているのは何だろうと考えていました。2か月ぐらい前となると、「テレビの買い替え」を提案してくる商戦ムードでしたね。今回は、実に感じない。家電量販店に行ってもテレビブースは意気消沈です。肝心のテレビCMはどうかというと、さほど流れていない。というよりもほぼやってないのではないか。それどころか、米ディスプレイサーチの予測では、2012年のテレビ出荷台数は、前年の半分近くという見通しです。今やすっかり日陰者です。多くの家庭でテレビを見ない時間帯が増えているようです。では家族が居間にいる時、何をやっているのでしょうか。どうやら、パソコンや携帯電話で動画を見ているようです。テレビ離れとなると家族の団らんにも影響が出てくるのです。家庭内でも核化が進んでいくということになると、ますますテレビのニーズは下がりそうです。生活スタイルも大きく変わりました、家庭内では共働きが「普通」になってしまい、家族が揃うのは遅い時間帯になってしまうのでしょう。そこから夕飯だのお風呂だのと寝る準備をすると、テレビをみんなでの...