2013-12

出来事

不確実性の時代に働く

師も走る12月。あっという間に1年が過ぎ去ったことを感じながら、時折、今年がどんな1年だったかを振り返る機会も多くある。スラングに近い用語であった「ブラック企業」という言葉は、今年1年で広く一般に認知をされ、企業のイメージを表現する際にブラックかブラックではないかは、1つの基準とまでなっている。また、「ブラック企業」というネガティブな認定をしようという動きもある中で、働きやすい「ホワイト企業」という言葉を広げるような動きも、厚生労働省や一部の有識者の中から声も上がっている。非常にセンシティブな問題だがブラック企業の定義というのはなんなのだろうか。様々な評論家や、有識者、経営者が意見を述べていることなので、ここでは細かい定義は控えておくが、やはりその企業で働く人が労働力を搾取されていると、感じるならばそれはブラック企業なのかも知れない。「ブラック企業」という言葉がこれほどまでに世間に広まっていったのは、終身雇用モデルの崩壊と相まって、自分の今のまたは将来の就労環境に、どことない不安を感じる人が増えているからであろう。また、会社を俯瞰的に見て、他社と比較できるような環境が整ってきたというこ...
キャリアについて

雨が降ってきちんと固まる関係か?

先日、私の住んでいるマンション階で不審者が侵入したため、警察の方が来て住民から事情を聴いて回っているのを見かけました。割と治安は良いエリアであり、めったにこういう騒ぎは起こらないため、周辺の住人の方も皆不安な面持ちで状況を見守っていました。最終的には大きな事件に発展しなかったのでよかったのですが、最近は今までの常識を超えた犯罪も起こっているので、防犯意識を高めるきっかけになりました。実は、それにも増して印象的だったのは、普段はほとんど顔を合わせることもなく、深い付き合いをしていないご近所さん同士ですが、こういう事件が起こると一気に連帯感が高まるという点でした。私のマンションは築年数が40年くらいのマンションなので昔から住んでいる方も多いのですが、それゆえに住民全体が高齢化している状況もあり、あまり接点を持つことがないのが現状です。そのため、一度もお会いしたことがないご近所さんというのも実際には多くて、この出来事で初めてどんな人が住んでいるのかを知ったという家がいくつかあったくらいです。そのような状況なのですが、一人暮らしのご老人には「何か困ったことがあったらすぐにうちのベルを鳴らしてく...
出来事

人を気遣う心の余裕

知人のお子さんが入院しているため、時々、お見舞いに行くことがある。その病棟は、長期入院している患者さんが多く、人生模様が垣間見え、考えさせられることが多い。入院が長引くと、心の余裕を保つのは容易なことではないようで、また、入院したばかりの患者さんは、現実をなかなか受け入れられず、動転していることもある。私もそうでした、と知人は笑って話すが、私がもし同じ境遇だったら、この人のように、笑って話せるだろうか、と考えさせられた。そんな中、印象的だったのは、隣の病室にいた、ある夫婦の会話だ。奥様は、生んだばかりのお子様が、手術の必要な状態になり、すこし精神的に動転していた。旦那様は、西洋の方で、辛抱強く奥様をなだめ、奥様や医者の話を深く聴き、次第に奥様の様子も穏やかになっていった。外国の方だが、日本語で話し、まるで禅僧のような面持ちで、日本文化に適応しようとしておられる様子が感じられた。そんな様子を見て思った。人を気遣うのは、心の余裕なのだと。一生懸命やっているがうまくいかない、という悩みを転職者の方から聞くことは多い。私もそうだったし、今もそういうことがある。そんなとき、私は、一生懸命やってい...