私はお酒が大好きだ。
ご多分に漏れず、特に仕事終わりの一杯が格別であり、結構な頻度で飲み会に参加してしまう。
概して、飲みのお誘いというのは突発的なものであり、妻への連絡が遅れがちになってしまう。
食事を用意してくれている妻からすると「配慮が足りない」ということで怒られ、
そこからしばしば犬も食わない状況へと発展してしまう。
全面的に私に非があるのだが、これは、相手を理解しようとする意識がおざなりになってしまっている結果だと思う。
人との出会いを起点とするビジネスに携わらせていただいている以上、
この「他者を理解する」という行為は最大のテーマであり、最も困難な命題であると常々思う。
1人として全く同じキャリア(人生)を歩まれてきた方は存在せず、語られる内容は常に新鮮であり、当方の予想を裏切られることが大半である。
だからこそ、お客様の核心に触れるためには事前の準備が不可欠であるし、面談の場に双方が作り出す心地よい緊張感が存在するのだと思う。
そもそも、完全に理解できるわけがないという前提があるため、イメージ通りにいかない事が当たり前だし、
それだからこそもっと知りたい、もっと聞きたいという気持ちが芽生える。
興味を持ってもらうとお互いがうれしくなり、さらにコミュニケーションが促進されるという好循環だ。
人の関心を引くための話法だとか間の取り方だとかはテクニカルな部分としては必要だが、
根底に「相手を理解したい」と強く思う姿勢がなければいつまでたっても核心には触れることができない。
テクニカルな領域や単なる情報提供に終始するのであれば、この仕事をする私やコアの存在意義も失うということだ。
これからさらにキャリア相談の経験を重ねても、絶対に緊張感のない面談はすまいと肝に銘じ、
また、日々私を支えてくれている妻への感謝の気持ちの不足ぶりを猛省した。
さっそく、妻の好物のたい焼きを買って、感謝の気持ちをまずは具体的に表すところから始めよう。
夫としての存在意義を失わないうちに。

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