ルール化

単純なルールで大きな差

何気ない日常の中でも、段取り力の違いを感じる事があります。例えば、旅行の計画や年末の大掃除、あるいは接待の場面など。気の利いたことを当たり前のように実行する人がいます。その行動に関心や感謝をしつつも、よくよく考えると「どうして自分は気づけなかったんだろう?」と思うくらい、小さな配慮の差だったりします。しかし、その場で気づける事、あるいは実行できる事、これ自体に大きな価値があり、差がつくのであって、その内容が高度かどうかはあまり重要ではありません。段取り力というのは「仕事がデキる、デキない」に非常に強く相関している能力の一つだと思います。この能力の差には様々な要因があると思いますが、個人的に最近思うのは「とりあえず唾をつけてみる」という感覚がとても重要だという事です。物事には期限や相手が存在するという前提は、ほとんどのケースであてはまると思います。そんな中で、与えられた課題を大事に箱に収めたままにしておく時間が長ければ長いほど、結局は触れたり考えたりする回数や時間が少なくなるため、その仕上がりも期待値を超えられなかったり、自分も納得できなかったりする事が多くなってしまいます(非常に単純な...
ルール化

人生の山登り2

以前、このブログで「人生の山登り」を書かせていただいたが、仕事において自分の大きな夢を実現するという「雲を掴むような壮大なテーマ」のもと、新しい職場で人材紹介業という名の山登りを始めて数ヶ月が経つ。相変わらず目の前の山は、実に険しく立ちはだかっている。しかし、最近は山道の幅や土質といった登る上での環境と自分の登るペースが徐々に理解出来てきた感がある。とは言ってもまだまだ序盤、つまずく事や転ぶ事も多々ある。そんな中で「事前準備」が自分には足りないところがあると思った。山登りには山登りなりの準備が必要、水中ダイビングでは水中ダイビングなりの準備が必要である。当然と言えば当然だが、経験のある人間には他愛もないことが新人の私にはその準備はなかなか難しい。それは「経験からの予測」ができていないからである。準備とは予測から成り立つもので、予測とは少し思考をこらせばできるものである。結論、準備の足りない私には思考が欠けているということになる。我々の仕事に置き換えるとこの「思考」が重要な部分であり、思考が欠けていると優れたサービスには繋がらない。何故なら、人と人とを繋げていく仕事において、場当たり的な...
キャリアについて

脱他力本願

先日、駅の構内で具合を悪そうにしている男性を見掛けた。通勤ラッシュだったこともあり、その男性の周りを多くの人が行き交っていましたが、しばらくの間、その男性に声を掛ける人がいませんでした。その状況は心理学用語で言うところの、「リンゲルマン効果」に近い現象であったと考えられます。それは集団になればなる程、誰かが何とかしてくれるだろうという手抜きの心理が無意識のうちに働いてしまう現象のことです。男性の周りに少人数の人しかいない場合、もしくは自分しかいない場合、恐らく迷わずその男性に声を掛けることでしょう。ところが、多くの人がいたことで、誰かが何とかしてくれると皆が考えた結果だったのであろう。因みに、ドイツの心理学者である、マクシミリアン・リンゲルマンが100年以上前に行った研究は、運動会でお馴染みの綱引きを使っての実験である。1人で引いた時の力を100とすると2人で引いた時の1人当たりの力は93になり3人で引いた時の1人当たりの力は85になるそして最終的に8人で引いた時の1人当たりの力はなんと49まで下がるようです。小学生時代によく運動会で頑張っていた綱引きが、自分の実力の半分も出せていなか...
出来事

文書に込められた思い

弊社から求人企業様に応募された求職者様が、ご内定となった。労働条件通知書(外資系企業様ではオファーレターと呼ばれる)を企業様からお預かりする。この書類を求職者様にご説明する際は、厳密な正確さを期すことは言うまでもなく、ご本人様に対する企業様の熱い思いや期待、企業様におけるキャリア構築の意義等を十分にお伝えする責任がある。緊張で、改めて身が引き締まる瞬間だ。ところで、このオファーレター、各社様ごとのカルチャーが現れており、拝見するたびに非常に興味深い。法的に必要な項目を記載したビジネス文書なので、型破りな書類は勿論ないのだが、それでも、社風がおのずと現れるものだ。特に外資系企業様は、国内系企業様との違いが顕著だ。和訳すると、「オファーレターをお届けできることを大変嬉しく思います」という書き出しで始まっていることもある(原文はもっと格調高い)。日本とは違ったあり方で、新しい社員様を歓迎する外国の文化に触れ、嬉しくなるとともに、「この文章の格調の高さをも、損なわずに求職者様にお伝えできればよいのだが……」と頭を悩ませる瞬間でもある。職務経歴書や求人票も同様に、「企業様への思いを伝えたい」「自...
キャリアについて

仕事ができる人

仕事ができる人、と聞いてどのようなイメージをお持ちになりますか。営業であれば、いつも売上成績がトップで会社でも一目置かれるような存在でしょうか?しかし、営業のトッププレイヤーが必ずしも「仕事ができる人」とは限りません。営業部長や経営者から見れば会社に最大の売上貢献をしてくれる人材ですから、当然、優秀な人材として会社から必要とされる人です。しかし、その後ろに後輩や同僚等誰もついて来ないような一匹狼では、管理職としては期待されていません。この先もずっと、一人走り続けるプレイヤーのままです。30代前半くらいまではそれでも良いとして、それ以降は加齢と共に「仕事が出来るひと」というイメージはいつの間にかなくなり、昇格もいつの間にか止まってしまう。とある企業の社長より伺った話しですが、管理職は「自分」という第一人称になってはダメらしいです。部下の育成や信頼獲得(課題は何か、場当たり的な指導ではなく、中長期的に育成出来ているか等)や関連部署や社外協力者との協働体制構築(最大の成果を出せる環境や体制を作り上げることが出来る力)、組織としてあるべき姿を思い描き導く力等。一人ではなく、自然に「私たち、我々...
未分類

コアはまず、マズろわない

「マズローの欲求階級」とは人の欲求は5段階のピラミッド状に構成されていて、下階級の欲求が充たされると、次の階級の欲求に移行するというものです。第一階級「生理的欲求」は、生きていくための本能的な欲求(食欲、睡眠欲など)で、この欲求を充たせれば、次の第二階級「安全欲求」を求めます。「安全欲求」とは、危機(狙われている、病魔におかされている)を回避したい、安全・安心な暮らしがしたいという欲求です。「安全欲求」を充たすと第三階級「社会的欲求」(集団に属したい)を求めます。この欲求が満たされない時、人は孤独や社会的不安を感じます。そして次に第四階級「承認欲求」(認めて欲しい)という欲求が出てきます。そして、最後に第五階級「自己実現欲求」(夢をかなえたい、成りたい自分になりたい)の欲求が発生します。しかし人間は理性を持った生き物であり、そこが他の種との違いであると考えます。認められたい、甲子園に行きたいがために、毎日夜素振りをする高校球児がいます。スタイルを維持しようと食べたいモノを我慢し、トレーニングマシーンを購入する者もいます。ボクサーを始め様々なアスリートは節制によりコンディションを整え、夢...
キャリアについて

フワフワした情報

世の中には様々な情報が溢れています。特にスマホを持つようになってからは、少しの空き時間でも何かを無意識に調べていたり、SNSで勝手に情報が飛んできたりするため、常に何らかの新しい情報と接しながら過ごす様になりました。ふと、これだけ毎日新しい情報と接する機会がすごく増えているなら、必然的に昔より知識量は単純に増えているのかも、と考えてみましたが残念ながらそこまで大きな変化はないのが事実です。情報に触れることが目的になってしまい、表面的なところで終了していたりバラバラのまま頭に残ってはいるものの、「浮遊」している状態だったり。結局、入ってくる分の情報を消費しきれていないように感じます。対人折衝やミーティングなど、瞬間的にあらゆる情報を整理しながら、アウトプットも求められる様な場面では、上記の様にフワフワした情報は何の役にも立たず、戦う武器としては使い物になりません。「その情報は武器として使えるものか?」という取捨選択の力も必要ですが、それ以上に、得られた情報の「使い道」に気付けるかどうかが重要だと思います。使い道がわかっていれば、情報の行き場が明確ですのでフワフワしませんし、隣同士がまた結...
キャリアについて

人生の山登り

この仕事をしていて思う事がある。果たしてこの仕事は自分に向いているのかと。壁にぶつかり、跳ね返され、また壁にぶつかりは跳ね返されの繰り返し。まさに七転び八起き。でもその中で成長している事は確かで、その分お客様により良いサービスが提供出来ているのであれば壁にぶつかる意味も大きい。ただ大事なのはその壁にぶつかった理由を明確にする事と次に同じ壁にぶつからないようにする事である。そうでなければ成長とは言わないし、お客様に対するサービスも上質なものは提供出来ない。よく人間の差は意識の差と言われるがまさにその通りだと思う。意識のないところに感動は生まれず、感動が提供出来なければ私がこの会社においての存在価値は無いに等しい。ただ人様に対して感動を与えるとは言葉以上に遥かに難しく、今の私には雲を掴むような話である。ではその雲を眺めているだけでいいのか。否、私はその雲を掴んでみたい。その為にはこれから幾度となく険しい山々に登り、尖った石の上を素足で歩くような時も当然あるだろう。だが、私はその雲を掴んでみたい。今は無理かもしれないが、いつか雲を掴んでみせるという意識を持ちながら歩んで行きたい。人間の差は意...
ルール化

前向き発想

日々、多くの転職希望者とお会いさせて頂いている中で、最近2名の優秀な営業マンと出会った。彼らは性別、年齢、現在勤めている企業、業界、バックグラウンドも違うのだが、共通して言える点は、兎にも角にも面接に強いことである。面談時の所感としては万人受けするタイプだなという印象しかなかったのだが、何度かやり取りを重ねている内に、彼らの最大の強みは「自分に自信を持っている」ことだと気が付いた。以前に読んだ記事でドミニク・ジョンソンという心理学博士が自信過剰な人と控えめな人の研究をしており、その研究では自分の能力を自分で高く評価する人は集団の中でも優位に立てるという内容のものがあった。周囲の人間がどのような評価をしていようと、「俺は(私は)出来る」位の方がうまく物事が進むということである。自分の周りを見ても、自分に自信を持っている者の方が「自信の根拠」はさておき、最終的には物事がうまく運んでいる人間が多いのではないかと感じる。これは理論で説明できることではなく、特異性だと考える。人はそもそも体の構成上、前向きに出来ている。顔のパーツのどれを取っても全て前を向いている。歩く時も基本的には前を向いて歩く...
感動したこと

サービスのあり方

息子が、かつて長期入院時にお世話になっていた病院に、一日だけ検査入院した。通常の病室に空きがなかったため、一時的に、病棟の最上階にある特別室に通された。初めて立ち入るその空間は、目にするもの全てが新鮮で、こんな場所があるのかと驚いた。時が止まっているのではないかと思うほど落ち着いた雰囲気で、まるで都心の高級ホテルのようだった。だが最も印象的だったのは、スタッフの方々の対応だった。細部に至るまで気を配ってくれるが、サービスを受ける側に気を遣わせることなく、加減を心得ていて、まるでコンシェルジュのようだった。退院の際、以前お世話になった通常の病棟に、ご挨拶に立ち寄った。そこは、入退院する患者さんが毎日のようにいて、特別室とは対照的に、忙しい時間が流れていた。先生や看護師さんが果たして覚えてくれているだろうか? と思いながらその空間に入ると、懐かしい看護師さんたちが、お忙しい中、手を止めて、弾けるような笑顔で迎えてくださった。そこで息子は、その入院時に初めて見せるような、柔和な顔をして笑ったのだった。以上のことがあって、サービスのあり方について考えさせられた。特別室と通常病棟、どちらのスタッ...
キャリアについて

マッチング

求人を企業様からお預かりする際、事業の戦略や方向性をお伺いすることが多い。例えば、「小売の○○グループ向けに人材を増やしたい」と、あるメーカー様からご意向をお聞きする。弊社で紹介をさせて頂き、入社が決まる。程なくして、先方企業様の製品が、○○グループ様の店頭の棚で増えたのを見かける。予定通り事業を拡大されているのだな、と思い、嬉しくなる。ただ、上記の例で言うと、どの小売店様での取り扱いが増える、ということは、表面的な事象でしかない。例えば、小売店グループAの○○という方向性と、メーカーBの△△という方向性が合致しているから取引を増やすことになった、というレベルまで掘り下げて、初めて考察と言えると思う。求職者様に求人案件をご提案する際は、ご経験やスキルのみならず、上記のような企業様の方向性と、求職者の歩んでこられた(ないし希望される)方向性を合致させた上でご提案する。言うまでもなく、ご家族などお一人お一人異なるご事情も、考慮に入れる。したがって、ご提案する側としては、いつも頭を悩ませることになる。難しいが、やりがいを感じる部分である。ご提案が求職者様に響かなかった場合は、何がいけなかった...
ルール化

いつの時代も、求められる者になるために

ワンピース、もはやドラえもんなどの国民的アニメとも言える程のインパクトがあります。そこまで詳しくはありませんが、現代版海賊劇「七人の侍」というイメージがあります。一つの大きな目標やゴールに向かって、一丸となって進む。だけど、個々の役割や能力はバラバラである。でも全員前線で戦っている。特性を活かしながら。コアも実は「七人の侍」をイメージして、立ち上げました。それぞれがプロのコンサルタントでありながら、コアという船の中で、個々の役割を全うする。特徴や性質が異なる人を集めて、組織を形成していますので、見事に全員異質です。そんなバラバラのメンバーですが、一つだけ共通するモノがあります。「顧客にプロ」であり続けること。どんな嵐が来た時も、どの様な波が来ても、それぞれの船員が役割とミッションを正確に理解し、コアという船が沈まぬように・前進し続けられるように、プロとして考動しています。特徴や得意なモノなどは一律じゃなくても良い、だけどコアに乗船する限りは、「常に顧客にプロであれ」という掟があります。話はワンピースに戻りますが、海賊とは良く言ったもので、遊んでいる時と戦の時の顔付きが見事に変わります。...
ルール化

初心忘るべからず

先日、知人の結婚式に呼んで頂き、参加してきました。昔の仕事関係で出会った知人だったため、10年ぶりくらいに再会する人が多くいました。当時の私は高校留学を企画運営する仕事をしており、彼らの留学をサポートしたのが最初の出会いでした。制服姿の時期を経て、その後も大学進学・就職と、友人として彼らが成長していく姿を見て来ました。結婚式で久々に再会した友人たちは、医師になっていた人や、キャビンアテンダントになっていた人、起業した人など、様々な仕事に就いていました。医師になった友人は、学生の頃からいつも笑顔で、他人の話しにじっくり耳を傾け、勉強やバイト・ボランティアなどでいつも忙しそうにしていましたが、どんな時もベストを尽くすような子でした。その頃から医師となることを志し、目を輝かせながら夢を語っていました。10年ぶりくらいに会った彼は、自信に満ちた素敵な男性へと成長していました。研修医を終え、今は毎日多くの患者さんとそのご家族に向き合い、日々格闘しているようです。その姿を誇らしく思いましたが、同時に違和感のようなものを覚えました。それは気の置けない友人の前だったからだとは思うのですが、仕事や環境に...
ルール化

新たなるスタート

「パパのお仕事って何屋さん?」眉間にシワを寄せながらネクタイを何度か締め直している私に幼稚園の制服に着替え終わった娘が突然聞いてくる。社名を言えば誰もが知っているであろう企業だが、相手が子供だけにこう言った。「ん~◯◯屋さん」目も合わせずにさらっと私。「ふぅ~ん」と顰めっ面の彼女。だが、彼女の目を見ながら笑顔で言えない自分がいた。この子が大きく育っているのもこの会社のお陰なのに。何故だろう。考えてみるとやはり誇りを持って仕事をしている人間とそうでない人間とでは内に秘めているものがまるで違う。私は、当時、後者だったのかも知れない。仕事という労働契約に伴い、求められる数字の要求にも応えてきたし、実績も積んできた。作り笑顔でお客様に接していたのかも知れない。ふと、車のバックミラーに映る顔を見た時、曇った表情の自分に照れ笑いしてしまった。娘の目を見て笑顔で言えないのもそう言うところからくるのだろう。本当は物心つく前から彼女に言いたかった。「パパは◯◯の仕事してるんだぞ」って。「すごいだろって」。誇らしげにでもそうは言えなかった。世の中には自分のやりたい仕事が出来ている人はどれくらい存在するだろ...
ルール化

先が見えない時こそ堅実に

学生の頃、映画やドラマを夢中になって観ていた時期がありました。好きな事にいくらでも時間を注げる状況でしたし、何よりも劇中の人々の気持ちの動きや物語の展開に素直に引き込まれていた記憶があります。今でも時折DVDを借りて観たりしますが、「これは面白い」と感じることは昔に比べて少ないような気がします。年齢を重ねて私の感覚や好みが変わっただけかもしれませんが、一つの要因としては、取ってつけたような展開や、とにかくクライマックスに向けて盛り上げようとする意図が強すぎてしまうため、途中で白けてしまう事が多いからだと思います。要は、演出があまりにも過剰で表層的、短絡的なのでわざわざ時間を取って観るに値しない作品が多いと感じてしまうのです。これは映画やドラマの話ではありますが、現実世界でも同じ事を感じる場面はあります。例えば、消費者としてモノを買ったり、サービスを受けたりする際に思う事ですが、あまりにも短期的な消費活動を扇動するプロモーションや、時流に乗りすぎた製品を見ると、やはり食傷気味になり一歩ひいてしまいます。マーケティングの凄さは認めますが、提供する側から「こういうの欲しかったですよね?」とあ...
ルール化

新しい居場所

2歳半の息子が保育園に入ることになり、入園式に出席した。保育園の倍率が高い中で抽選を通過できたことは、非常に幸運だったとしか言いようがない。息子の通うことになる保育園の建物に入って、新鮮に感じたことの一つは、靴箱やロッカー、机に息子の名前が書いてあることだった。今は全快し、何の支障もなく毎日を送っているが、息子はかつて長い間入院していた時期があり、今まで自宅以外で息子の名札を見る場所といえば、病室だった。そのため、今回他の場所で息子の名前を見たときは、一瞬時が止まったと感じる程驚いた。また、保育園の先生方と話すと、心から歓迎してくださっているのが感じられた。普段支えてくれている周囲の人達、具体的には家族や親族、職場の仲間や友人以外に、息子の居場所が新しくできたのだと実感し、日頃から支えてくださった方々への感謝で、胸に熱いものがこみ上げてきて止まらなかった。入園式では、先生方がお祝いの言葉を話してくださり、年上の園児たちが歌を歌ってくれていた。息子も、周囲が歓迎してくれている場の空気を本人なりに感じ、喜んでいるようだった。ここが、彼の新しい居場所になる。人は、必ず何かの国や地域、団体や組...
ルール化

「グローバル化」の解釈

先日、ある総合商社OBの方と話をする機会があった。世界を飛び回り、ビジネスをされてこられた方の言う事は面白く、話す内容が豊かである。話の途中に、「英語は出来ますか?」という質問を頂き、私は「いいえ」と答えた、さらに突っ込まれて「何で出来ないのですか?」と聞かれ、私は「苦手な上に勉強していないので」と少し笑いながら回答した。すると今度は「日本人は何で英語が出来ないのか?」と意見を求められた。それに対して、「日本語を勉強しているからではないですか?」と質問で返した。少し興味を持って頂いたようで、話が盛り上がった。私自身の考えは、日本人の英語習得人口率が他国より低いのは「日本が優秀だから」と考えている。植民地化もされず、他国の文化の真似をすることもなく、日本独自のカラーを発色し、在り続けてきた。日本人は英語よりも何よりも守るべき「日本語と日本文化」があるからこそ、英語を後回しにしてきたと考えている。昨今のグローバルというものに関して、少し違和感を覚えているのは自分だけではないであろう。最近では、グローバル化に影響され、英語のレベルを日本全体で高めようという機運も高まっており、小学校(幼稚園か...
出来事

子供から学ぶこと

最近、我が子の成長に伴い考えを巡らせることや思いがけない気付きを得ることが増えているように思われます。多くの大人は自分の知らない物事や世界に対し、少なからず不安感を持つことが多くなるのではないでしょうか。それは知ること、学ぶことが増える程、知らないこと、未経験の領域に対しての不安を感じる傾向にあるからなのかもしれません。未知の領域に対し、自分がイメージする世界観は、実際に起こりうる現実と一致していないケースがあり、そのイメージが、自分が積み上げてきた経験とリンクする世界観を崩してしまうことを恐れているからではないでしょうか。反対に子供は知らないこと、経験していないことが数多くあることもあり、大人が持つ失敗のイメージ、社会人の場合は会社からの評価、自分が仕事として取り組んできたことの成果等とは無関係であることからも、結果や成果はさほど重要ではなく、純粋にプロセスを楽しんでいるように感じられる。我が家でも娘が、至るところに動物シールを貼ってみたり、ぬいぐるみに自身の洋服を着せてみたり、手を伸ばしてギリギリ届くかどうかのものを無理に取ろうとしてみたり、ソファーから飛び降りようとしてみたり中に...
ルール化

選挙権と少年法

先日、公職選挙法改正案によって選挙権を18歳以上に引き下げる法案が成立する見込みであるとニュースになっていました。改正案では、飲食・喫煙などは20歳以上とする民法と、少年法の年齢にかい離がある為、合わせて議論すべきであると指摘されていました。おりしも、その翌週に川崎市の中学生が17歳・18歳の少年たちに殺されるという残虐な事件が起こり、少年法の適用年齢の引き下げについてあちこちで議論が飛び交っています。そもそも少年法の目的は「少年の健全な育成を期す」「非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行う」となっており、もともとは刑罰を科すことではなく、少年の更生なのです。人間味のある法律だと思いますが、先に述べた川崎の少年刺殺事件や昨今の名大生事件等現代の残虐な事件を見たときに、果たして、この少年法が理想とする効果があるものなのだろうかと疑問を持たずにはいられません。一方、少年法に守られ本当に立ち直り、その後の人生を真っ当に歩んでいる若者も多くいるに違いないと思うと、非常に難しい問題であると思います。しかし、あくまで個人的な考えではありますが、取り戻すことが出来ない大切...
ルール化

一流 その4

今年から新卒採用要綱が変わり、各社も新卒スケジュールを後ろ倒しにされており、例年よりも圧縮して新卒採用活動をやっているようです。より多くの学生を面接したいという想いからか過密なスケジュールが採用担当者を激務にさせているようです。私の友人の一人も、某企業の人事として新卒担当をしております。やはり相当忙しく、スケジュールもかなり圧縮しているようです。先日話をしていたら、このような話題がありました。「面接で厳しい事を言ったら、ネットで晒された。嫌な時代になったものだ。」と。詳しく話を聞いてみたところ、志望動機を確認する中で友人が発した言葉が、学生にその様な行動をさせたのではないかとのこと。そのフレーズとは、「その志望意欲であれば、うち(友人が勤める企業)じゃなくても良いというように聞こえるけど」とのことでした。私は、その言葉で癇癪を起こすことはないと思い、もう一度聞いてみました。そうしたら、言葉は確かに間違いないのだが、少しスケジュールに無理があり、疲れもたまり、態度に出ていたようです。これでは、面接の様相は全く別のものになってきます。学生も暇ではないですし、ましてや志望してきてくれているだ...
ルール化

認識のズレへの気づき

先日、2歳になる息子の保育園の個人面談に行ってきました。家では見ることができない、園内での友達や先生とのやりとりがどんな様子なのか興味深かったので、ぜひ話を聞きたいと考えて参加を決めたのですが…。実際には少々肩すかしの内容でがっかりする結果になってしまいました。お互いの目線が違う、といいますか、保育園の先生方は園のルールの確認と徹底、親に対して「伝えた」という事実を作りたいという場であったからです。先生方は職務を全うしているだけで何の罪もありませんが、保護者の期待値からすると拍子抜けで若干の不満を持ったのも事実でありました。自分が相手にして欲しい事、あるいはしてもらって当然と考えている事が、実際には相手の気持ちとは大きなギャップがあった、というのはよく聞く話です。単純な事ですが、人はそれぞれが意図や意志を持って行動しているわけですし、例えばそれが仕事上の付き合いであれば、なおさら「利害関係」という枠の中で、全ての言葉や行動は自己の利益に強く誘導されているはずです。たいていの場合、ずれている事を前提にスタートしていると思った方がよさそうです。お客様が何を求めているのか、そしてどうやってそ...
ルール化

アナと雪の女王

紅白歌合戦にも出演した、「アナと雪の女王」英語版の主題歌を歌った歌手が、初来日するという。テレビで特集を放映しており、英語版主題歌の歌詞と、対訳が紹介されていた。訳を見て、意外だった。私は洋楽を聴かないので、英語版の歌詞を知らず、オリジナルと日本語版の歌詞は、大体同じ意味だと思っていたが、こんなにも違うものなのかと感じた。テレビでは、英語版の直訳も紹介されていた。それを見ると、英語版の意味を、日本語の限られた字数にそのまま移し変えるのは、無理があると感じた。歌詞の中には、「英語ではこう言っているのが、何故こういう日本語の表現になるのだろう?」と思う箇所がいくつかあり、思わず考えこんでしまった。例えば、下記のような表現だ。A kingdom of isolation / And it looks like I’m the Queen(直訳:孤独の王国 / 私は女王のように見える)→日本語版歌詞:真っ白な世界に / ひとりのわたしThe cold never bothered me anyway(直訳:寒さは二度と私を困らせなかった)→日本語版歌詞:少しも寒くないわ私が思いついた答えは、「...
出来事

塩野七生の政治論

年が明け、そろそろ引越しをするというので、荷物の整理をしていた。ひょっこりと読まないままカバーが掛けられている本が出てきた。塩野七生である。2010年に出版された本だ。思い起こせば会社を設立して間もない頃、読む間もなく過ぎていっていた頃だ。読んでからリサイクルにでも出すか、と思い読み始めたら止まらなくなってしまった。塩野七生独特の滑舌、言い回し、ズバズバと日本の政治家を斬ってゆく。肉食な欲望に冷静な目。正月そうそう、スカッとした。「求めない」で始まる詩をすべて「求める」に替えて書き直していたりするところは思わず笑ってしまった。海外では自分の価値観を問われることが多く、自然にはっきりした意思表示をする習慣ができる。私も日本へ戻って10年以上経ち、いろいろなしがらみ?にもまれ、いつの間にか「和」な感じで人と人の間に立ち、良い意味で物腰も柔らかくなってきたのかもしれない。がその一方、独自の意思・思考というものを日々忘れがちになる。アベノミクスで経済社会情勢が大きく変わる中、昨年と同じ手法では対応できなくなってきている。マーケットニーズも大きく変わっている。このような状況に対応していくにはどう...
ルール化

本音で話せる人間関係

最近、どこかの新聞記事で約20%以上の方が30代後半を過ぎると言いたいことが言えなくなるというアンケートデータを見ました。会社でもセクハラ・パワハラ・マタハラなどと様々なリスクがある為に、自分の発言に慎重になることが増えました。会社の後輩に叱咤激励のつもりで「男なんだからもっとしっかりしなさいよ!」と言おうものならセクハラリスクを覚悟する必要があるほどですよね。この仕事を始めたばかりの頃は、人それぞれの価値観があり、それがどんなに自分では「本当にいいのかなぁ」と腑に落ちていなかったとしても「この方の選択なのだから」と思いを胸のうちに潜め、ご要望のみにお応えすることに懸命になっていました。でもこれは紛れもなく「嫌われたくない」という心理が働いており、キャリアコンサルタントとして伝えるべきことを伝えずに、本当の意味で自分の仕事を全うしていなかったと思います。これは私だけではなく、相手がどう思うかを気にしすぎるために、周囲とのコミュニケーションを恐れ、口を閉ざすことが増えからのように思います。嫌われるくらいなら、リスクがあるくらいなら、黙っておこう。自分自身のことだけ考えるのであれば、黙って...
ルール化

資格より頼れるもの

年始に親戚と会った時の話です。看護師の女性で、もう20年になるベテランですが、2人目の子供が生まれるので近々仕事を辞めるとのことでした。割と軽い感じで話をするので、大丈夫かな?と思いましたが、「まあ、また探せばみつかるから」という返答。なるほど、食べていくに困らない資格を持っているというのは本当に強いものだな…とつくづく思いました。終身雇用が崩れ、絶対安泰と言えるような企業を挙げるのが難い世の中では、究極の安定の一つは「辞めても次がある」という状態を指すのかもしれません。昨年も「この先無くなる仕事、食べていける仕事」のような特集が数多く組まれていました。大体の論調としては、ロボットやIT技術の浸透に代表されるような自動化に伴うもの、人口減少に伴うそもそものニーズの減少、および外国人労働者の受け入れに伴う競争の激化などが、今後消えてしまう仕事に共通したリスクとされています。消えてしまうというのは極端だとしても、自分自身の存在価値を守ることに、皆が必死にならなければならない時代がそこまで来ているという事だと思います。看護師のような国家資格をこれから取得する、というのは現実的ではありませんし...