未分類 サラリーマンと呼ばないで
21世紀に入って間もない頃だったと思うが、ある全国紙の「サラリーマンと呼ばないで」という連載記事が話題になった。当時は、誰もが知るような大企業が次々に倒産し、時代は「失われた十年」に突入していた。高度経済成長や、「私をスキーに連れてって」に象徴されるバブル景気という右肩上がりの時代が過ぎ、「いい学校に入って、いい会社に入れば、いい人生を送れる」という社会の前提が崩れる音を立てていた。「サラリーマンと呼ばないで」は、廃業や倒産、激動に翻弄された人達の物語。この記事が支持されたのは、変化する時代の中で、多くの人が抱え始めていた不安や哀しみを代弁し、挫折と再起を力強く描いたからだと思う。誰もが、「自分の人生を自分で選択したい」と思っている一方、それは容易でないように見える。時代の荒波が来て、社会の前提が崩れれば、一個人ではあらがいようがない。しかし、先程の「いい学校に入って、いい会社に入れば、いい人生を送れる」も、誰かが約束した訳ではない。極端な例えをすれば、第二次世界大戦中に、「日本が勝つ」と叫ばれていたのと同じで、実現が保証されていた訳ではなかった。何かを信じるという選択をすれば、その恩...