みなさんは日頃、ご近所の方や地域の人と
どのくらいコミュニケーションを取っておられますか?
「最近は隣に住んでいる人の顔もよく知らない」というケースも珍しくなく、
SNSで世界中と繋がれる反面、現実の人間関係は希薄なものになっています。
今年、7月に起きた熊本地震の際に実家の母から聞いた、
私たちが日頃から築いておくべき「繋がり」の大切さについてのお話になります。
大地震が発生したあの日、実家も激しい揺れに見舞われました。
命に別状はなかったものの、インフラは完全にストップ。断水となりました。
水が出ないと、生活のほとんどが立ち行かなくなります。飲み水はもちろんのこと、
トイレや片付けもできません。給水車がいつ来るかもわからない不安な状況の中、
実家を救ってくれたのは、行政ではなく「地域の人たち」でした。
日頃から地域の方々と密接に繋がっていたおかげで、近所の方が
「水、足りてる?うちのを使って!」と、貴重な水をすぐに分けてくれたのです。
更に実家の墓石が倒れてしまっていましたが、地域の数人が「人手が必要だろう?
一緒に直そうや」と自発的に集まり、重い墓石を元通りに直すのを手伝ってくれたそうです。
震災で誰もが自分のことで精一杯になる極限状態で、助け合いが生まれた瞬間でした。
「日常のコミュニケーション」それは、両親が日頃から地域の人たちと「顔の見える関係」を
大切にしていたからだと思います。普段から地域の行事に参加したり、
すれ違った時に挨拶や世間話を交わしたりする。そんな何気ない交流の積み重ねが
あったからこそ、有事の際に温かい行動が生み出されたのだと思います
現代の「防災」に最も必要なのは、人とのつながりだと思います。
防災と聞くと、非常食や水、簡易トイレなどの「物資」の必要性を思い浮かべます。
もちろん、それも非常に重要です。しかし、東日本大震災や熊本地震などのデータを見ても、
災害発生直後に瓦礫などから救助された人の多くは、消防や警察ではなく
「家族や近隣住民」によって救出されているという事実があります。
物資は自分一人で買い揃えられますが、「いざという時に助け合える関係」は、
お金で買うことができません。日頃からの人間関係こそが、
実は最も強力な「防災グッズ」になるのかも知れません。
「急にご近所付き合いを深くするのはハードルが高い。」と感じる方も多いと思います。
今日からできる、ほんの小さな関り・・・それはとてもシンプルです。
すれ違った時に、笑顔で「こんにちは」と挨拶をする「今日は暑いですね」
「台風が近づいてますね」と一言だけ交わしてみたり、地域のゴミ拾いや、
マンションの総会に顔を出す等、まずは、お互いに「顔と名前(存在)を知っている」
という状態を作るだけで十分です。その小さな積み重ね、人とのつながりが
お互いの心の壁をなくし、いざという時の安心感へと繋がっていくのだと思います。
