生きる

創業からもうすぐ12年。
干支が一回りめぐった。
弊社は東京にあるので、物理的な被害は東北ほど大きくなかったが、
「3.11」東日本大震災からも11年経った。
あれから弊社は2回拡張移転し、震災当時の年季の入ったビルは建て替えられて、
今は真新しいマンションが建っている。

10年以上経ち、世の中は大きく変わった。
弊社が関わっている業界のうち、特に農薬を始めとする化学や動物薬などは、
世界の業界地図が大きく変わり、10年前のものは、
もう歴史文献のような感じすらする。
リモートワークも以前では信じられないくらい普及した。

世の中は変わったが、
変わらないものがある。
働き方において大事なことだ。

人の差は意識の差。自ら考え自ら行動する。
入社した頃にこの言葉を聞いたとき、
あまりにも当たり前のような気がして、何の疑問も持たなかった。
しかし、その後、様々な経験をさせてもらい、
世の中でこの言葉が実践されているのは決して当たり前のことではないし、
自分自身が思っていたよりもずっと実行できていないと痛感することになった。

今では珍しくなくなったワークライフバランスという言葉は、
ワーク(仕事)とライフ(私生活)を分ける発想から来ている。
メリハリは大事だが、周囲から評価されている人、仕事ができる人ほど
良い意味で、仕事と生活の境目がないような気がする。
人間的に魅力的な人ほど、仕事においても、私生活においても、
他人を想い、自らが学び、自分が報われるかどうかと関係なく、
人に伝え、与えている。
自然になのか意識的になのかわからないが、そうしている。
そんな人達に接する機会にも多く恵まれ、自分の生き方を省みることになった。

弊社はコンサルタント集団だが、
コンサルタントの差は、つまるところ人間力の差であり、
仕事で人が付いてくるか、人に支持されるかどうかは、結局、人間性。
いかにエゴというか、自分本位を捨てて、人のために動けるかどうか。
テクニックなども教わったり自分で学んだりしたが、
最後は本質だけが残るのではないかというのが率直に感じるところだ。

きれいごとに聞こえるかもしれないが、
仕事とは、様々な体験や困難や成長を通して、
人間性を高めるためにあるのかもしれない。
だとしたら、人生も同じようなことのためにあるような気がする。
結局、仕事(ワーク)と人生(ライフ)の間に大きな差はないのかもしれない。

人間性を磨くというプロセスに終わりはない。
永遠に未完であるとも言える。
目標に達することそのものだけでなく、人を想い、必死に考え、
感動したり悩んだり喜びや悲しみや様々なことを感じながら、
自分の目指す姿(ToBe)を目指そうとすることに意味があるのではないか。
青臭いようだが、そんなことを想う。

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