少し前に、ある就活サイトが学生向けに送ったメールで、
「学歴フィルターで学生を選別しているのか?」と炎上する騒ぎがあった。
実際の所、このケースはよくわからないが、
自分が新卒だった時代と世の中は大して変わっておらず、
今もしっかりと学歴フィルターは存在していると思う。
今回は誤送信も重なったので炎上してしまったが、
本気で平等に選考されていると思っていた人は少ないはずだ。
応募が多い企業からすれば学歴フィルターはとても使いやすいし、
妥当性と信頼性がある分、上層部も納得させやすい。
また、選ばれる側からしても、それなりに上位校に入ってしまえば
色々な下駄をはかせてもらえることが多いのでメリットは多い。
最近は「有名大学に入る意味ってなんなの?」と問う向きもあるが、
大学全入時代になると上位校は入学者数の制限をして狭き門となり、
実際には今より付加価値が高まる可能性すらあるらしい。
結局、これからも学歴フィルターは根強く生き残りそうではあるが、
転職の現場にいると、以前よりもその威力は弱まりつつあることも実感している。
一つには、年功序列や終身雇用が崩れた事で流動性が高まっている点がある。
そうなると、ムラ社会の派閥的関係性で評価される機会が減り、
機能を重視した実用性・即効性が強く問われる組織になる。
その局面で学歴は大した役に立たないのは目に見えているし、
今後はその流れが加速化すると感じている。
もちろん、新たなジャッジの場面も増えるわけだから、
入口の段階においては学歴フィルターは活躍するだろう。
一方で、「〇〇大学出ているのにその程度?」という風に、
むしろシビアに見限られる材料になるかもしれない。
今の世の中はすべからく、消費期限が早いのだ。
ひと昔前に流行ったMBA取得など、世の中には信用を得るために
わかりやすい指標が色々とある。学歴も含めて、自分をアピールすること、
興味を持ってもらうきっかけとして使う分には良いと思うのだが、
ただ見てくれ追求だけで終わると、「映え」を気にして写真をアップするだけの
虚しい行為に人生を費やすことになってしまう。
自分の学歴を嘆いたり、よくわからない資格取得に時間とお金を費やすくらいなら
まずは職務経歴書を見直す事で人生が好転する人が多いと断言できる。
これはコスパが極めて高く、おすすめの手段なのでぜひ試してほしい。

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