東京に、4回目の緊急事態宣言が発出された。
宣言慣れという言葉もあるが、宣言の効果はさておき、
転職市場は、コロナ前と比べて明らかに変わった。
採用のハードルが高くなり、意識の高い人(例を挙げると、
自分に対して高い基準を課して達成してきた人、目的意識の強い人)でないと
採用されない傾向が更に強くなった。
事業を縮小し、従業員を出向させたりリストラする会社が少なくない中、
採用に人件費を使うのだから、当然のことだろう。
そのような環境下で行われる面接で増えた質問がある。
「今の会社でやり切ったか」ということ。
転職が逃げでなく、前向きなチャレンジなのか、
物事を人のせいにせず、自分の責任として考えられているか、
物事を達成する習慣が付いているか。こういった部分が見られている。
このような質問に対し、「はい、やり切りました」と答えるだけでは意味がない。
仕事で直面する問題に対し、どのように考えどのように行動し、
どのような結果が出たか、という具体的な内容を通じて、
言葉にどの程度の深みがあるのか、簡単にわかってしまうからだ。
天皇陛下(当時)の執刀医として有名な天野篤氏は、陛下の心臓手術後の会見で、
「普段の手術を、普段通りにしたということで、
結果もおのずとその通りになると思います」と語った。
普段から一つ一つをいかにやり切っているかが強烈に伝わってくる言葉だ。
与えられた仕事をやり切ったか?
自己満足になっていないか?
自分に甘えていないか?
どんな部分に改善の余地があるのか?
こういったことを謙虚に振り返り、改善する。
この習慣を持っている人が、転職市場においても強く、企業から求められている。

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