月曜日の22:00から「転職の魔王様」という、
人材紹介会社の仕事を題材にしたドラマが放送されている。
漫画が原作なので実態と異なる部分も多いが、
転職エージェントへの世間からのイメージを
敢えて極端に描いていると感じるシーンもあり、
自分達の見られ方を客観的に知る良い機会となっている。
そして、業界の実態とは別の視点で、
人を想うということについて印象に残ったシーンがある。
(※以降ネタバレ含みます)
小芝風花さん演じる主人公はキャリアアドバイザー見習いとして働き始め、
成田凌さん演じる「魔王様」が教育係となる。
彼女の初仕事として、大学卒業以降派遣社員として働いていた
正社員勤務を希望する女性登録者を担当することになった。
限られた選択肢の中から何とか希望を叶える為に、
寝る時間を惜しんで求人を探し出し「魔王様」に提出した。
ところが、求人案件を見るなり『やり直し。』と冷たく言い放たれてしまう。
今持っている限りの知識で考えたのを分かったうえである。
そこには、働くこと、生きていく事において主人公に何が不足しているのかを
自分で気づいてもらう事が最も本人の為になるという信念が存在しており、
「魔王様」なりの優しさと相手を想う気持ちが凝縮された対応だった。
中途半端に労えば、寝る間を惜しんで仕事をする事が正義である様な感覚が強化され、
主人公が抱える根本的な課題克服(前職を辞めた事ともつながる)には至らず、
いつまでたっても質の高い仕事、自分らしい人生を送れないのが明らかだった。
だからこそ、嫌われ役を買って本当の意味で相手のためになる発言を選び、
強烈なショックを与える事で、自分で間違いに気づかせる様に向けたのだろう。
皆様の中にも、厳しい上司の下で働いた時に、
自分なりに精一杯努力したにもかかわらず、
気が滅入るようなフィードバックを受けた方もいらっしゃるかもしれない。
もちろん、単なるはけ口として部下に嫌味を言う人も少なからずいるので、
その時は、自分が上に立った時の反面教師になったと思うようにしたい。
しかし、大事なことは「魔王」ほど極端ではないにしても、
本当に自分の事を思ってくれての言葉の可能性もあるという事だ。
『何でここまで言われなければいけないのか?』と感じることも、
その裏には『君はもっとやれるはずだ!こんなもんじゃないだろう!?』という期待と、
必ず応えてくれるはずという信頼感が土台にあっての事かもしれない。
実際に、私も新人の頃に厳しくご指導いただいたことが現在に活きており、
その時は分からなくても後になって感謝した体験を何度もしてきた。
年を重ねる毎に、至らない点をご指摘いただき、成長の機会を得られることが少なくなる。
耳触りが良いことだけでなく、何でもストレートに言って下さる方との繋がりこそを大切にしていきたい。

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