「オフィスに戻ろう」運動

コロナワクチン接種が普及し、日本の感染者数も、一時期に比べて相当少なくなってきた。
これから第六波もあるかもしれないし、まだまだ予断を許さないが、
景気回復の上でも良い兆候だろう。

コロナ下で去年から多くの会社でテレワークが普及し、定着する中で、
「オフィスに戻ろう」という動きも出ている。

これは英語ではReturn to Office(会社に戻る)、略してRTOと言われ、
インターネットで検索するとそれなりの数がヒットすることから、
一定数の会社で見られる動きといってよいだろう。

必ずしも完全出社にするわけではなく、
週1~2日は必ず出社する日など、企業によって出社率に差はあるが、
揺り戻しともいえるこの現象は、なぜ起きているのだろうか。
原因をいくつか考えてみた。

1.オフィスにいたほうが従業員の連帯感が高まりやすい
2.オフィスにいたほうが、従業員が仕事に打ち込んでくれる
(上司の目が行き届いていないと、社員が仕事の手を緩めてしまうのが心配だ)
3.永続的に在宅勤務を多めに導入するのであれば、オフィスを縮小したほうがよいが、
そこまでの必要は感じないし、賃料など固定費を支払っているのだから、
元を取る必要がある
4.ずっと続く在宅勤務で、従業員のメンタルヘルスが心配される

他にも理由はあるだろうが、ざっと思いつくものを挙げてみた。
ちなみに、この「オフィスに戻ろう」運動を支持しているのは、管理職層の方が多いそうだ。
この事実が、2.が無視できないことを表していると言っていいだろう。

さぼろうと強く決意してさぼる人は殆どいないと思う。
ついつい、○○を10件やろうと思っているところを、
しんどいから8件で済ませてしまったとか、
これを今日やろうと思っていたけど、大変だから明日でいいやとか、
人が手を緩める心理はそんな感じだろう。

オフィスにいてもそうなるのかもしれないが、
在宅勤務だとその傾向が強まるというのはうなずける気がする。

しかし、一人一人が手を緩めた結果は、部署や会社の業績として現れる。
それに真っ先に危機感を持つのは経営者やマネージメント層だ。
そう考えると、管理職層が「オフィスに戻ろう」運動を支持するのも納得が行く。

引き続き、感染対策も必要だし、
育児や介護など、特に在宅勤務の必要性が高い社員に配慮する必要も勿論あるが、
勤務ができるのは、会社が存続しているからだ。

事業がずっと縮小すれば、会社は従業員数を減らさざるをえない。
時には部下の反応が芳しくなくても、マネージメント層が
「オフィスに戻ろう」運動を推進するのは自然なことと言えるだろう。

転職活動に日々関わる人材紹介会社の人間として思うことだが、
採用の決定権者は基本的に管理職層なので、
この管理職層の目線を持てていたほうが、転職活動は絶対的に上手く行く。

コロナ前、居酒屋で他の席にいる見知らぬ人が、
「部長はああ言うけどさあ」という愚痴をこぼすのをよく耳にしたが、
なぜ部長はそう言うのか?(部下のパフォーマンスが落ちていれば、
時には言いたくないことも言わなければいけない)とか、例えばそういった視点だ。
日々実践されている方も多いかもしれないが、
自分より一段、二段、三段上の視点で考えてみると、新しい発見があるかもしれない。

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