最近初めて知ったのだが、ドリームキラーという言葉があるそうだ。
直訳すると、「夢を殺す人」だが、どういうものなのだろうか。
具体的には、新しい挑戦や試みをしようとしているときに、止める人のことだ。
家族や恋人など、身近な人ほどこうなる傾向が強い。
転職でいうと、「嫁ブロック」(転職を考えた既婚男性が、妻の反対に遭うことを指す)という言葉が
ここ数年で定着した感がある。
嫁ブロックが一概に悪いわけではないが(現職に残ったほうが良い場合もある)、
ドリームキラーは、違う形で世の中にあふれている。
例えば、「日常的に指導ばかりされている。辛い。自分は頑張っているが、求められるように変われない。」
そんなふうに友人にこぼすと、十人中何人かは、
「そうか、頑張ってるよね、無理しなくていいんじゃないか」という反応をするだろう。
しかし、本当にひどい環境なのだろうか?
本当にブラックな職場だということも稀にあるが、
こういう場合、実際は上司や先輩、周りの人が本当にその人のことを思って、
成長してほしい、改善してほしいという想いで、アドバイスしてくれていることもかなり多い。
それでも上記のように「自分は悪くない」というニュアンスで相談したら、
相談された友人は、職場環境を否定的に感じるだろう。
アドバイスを受ける側の受け止め方次第で、環境は肯定的なものにも否定的なものにもなる。
友人への言い方一つで、いい職場だよね、頑張りなよ、という反応にもなるし、
無理しなくていいんじゃないか、という反応にもなる。
後者の場合のように、ドリームキラーを自分で作り上げている場合が案外多い。
相手の反応は自分のアウトプット次第。
ドリームキラーを作り上げるのも、そのささやきに耳を傾けて甘えるのも自分だ。
本人は頑張っているつもりだが、何をどう頑張っているのかが具体的でないから、成果が出ない。
だから何を目的にどう頑張るのかを具体的にしようと、アドバイスする側が親切で言っても、
ステークホルダー(会社の利益という利害関係を共にする者)だからこそ言い方が厳しくなったり、
言われる側が自分を変えたくなかったりということから、受け手が好意的に受け止められない場合も多いようだ。
転職エージェントが現職に残ることを勧めているようで、妙な話に聞こえるかもしれないが、
どんな場合でも、環境に感謝して前向きに受け止めたほうが、精神的にも良いし、何よりも成長できる。
前向きになり、人も付いてくる。
それでも新たなチャレンジをするために、仕事や環境を変えたほうが良い場合、転職という選択肢もあるが、
転職をするしないが大事というよりも、周囲の環境を前向きに受け止めることが大事だ。
案外、大切にすべきものは身近にあることが多い。

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