今年も緊急事態宣言下でのGWとなった。
連休中のレジャーは今年もお預けになってしまったが、
密を避けられるという意味でドライブを計画していた人も多いだろう。
普段運転していない人も、少し張り切るのがこの時期だ。
翻って、政府の行き当たりばったりの対応ぶりは、
ペーパードライバーを見ているかのような不安感を募らせる。
明らかに不注意でぎこちないハンドリングなのに、
熟練のドライバーであるかのように振舞っていて、
事故を起こすかもという危機感もほとんど感じられない。
一方で、同乗者である国民は国や自治体が求める規制に対し、
「どうやってそれをすり抜けるか?」という部分に
強く意識を向けてしまっている気がする。
未熟なドライバーのアクセルとブレーキのたびに
激しく車体が揺らされているわけだから、
本来は緊張感を高めるべきと思うのだが、
この3度目の宣言を重くとらえている人はとても少なさそうだ。
経営者と従業員の関係性も同じ感じかもしれない。
社会人スタート時を「免許取り立て」と例えるならば、
10年目くらいで仕事の運転技術はそれなりだと思われていた。
しかし、ほんの少し違うルートになったり、車高が変わっただけで
驚くほどスピードが出せなくなり、事故を起こしている人が多い。
これがコロナ下で浮き彫りになった、多くのビジネスパーソンが抱える問題だ。
皆、自分がペーパードライバーだったことに初めて気づくのだ。
ただでさえ先の見通しが立たない経済状況において、
そんな社員しかいない現状を目の当たりにすれば
経営サイドもフルリモートや週休3日なんて
とてもじゃないが怖くて導入できないだろう。
経営者もまた、この異様な状況下で未知の道路を走らされている。
見渡せば世の中ペーパードライバーだらけだ。
まず、自分自身もそうかもしれないという意識を持つ事から始めよう。
今までは何とかなっていても、惰性で指示している部分があったり、
「ながら運転」になっている箇所があるならば、思わぬ事故を起しかねない。
ハンドルを握る以上、どんなレイヤーであっても組織や顧客に対しての
責任が生じているのだから、仕事をする気持ちの上では
若葉マークくらいまで戻る慎重さがあっていいと思う。
油断せず、自分たちなりのナビゲーションを更新し、働かせ続けるしかない。
ジョブ型雇用への移行でこれまでより取り締まりは厳しくなると予想されるが、
無防備な免停者が出ない事を切に願う。
かく言う私は10年以上自動車に乗っていないリアルペーパードライバーだ。
若葉マークどころか、一から教習所に通い直さないと危険なレベル。
こちらについては自動運転技術開発の皆様にすがるしかない。
できるだけ早く、どうかよろしくお願いします。

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