もしかしたら、レジ袋有料化で万引が増えるかもしれない。
7月から小売店でプラスチック製買い物袋の提供を有料とすることが義務付けられたが、
万引防止を図る団体のアンケートによると、エコバッグを使うと万引は増える傾向にあるという。
プラごみを減らすという命題のためにレジ袋を削減したがために、結果的に高度成長期に
小売店が抱えた防犯上の課題が再来するというのだ。
このように、何か新しいことを始めると、それに付随して新たな課題が浮上してくることがある。
例えば、テレワークを導入すると、社員同士が直接顔を合わせないので、会社の一体感が薄れてしまう事や、
経営層からは社員に任せるのが心配という声も聞こえる。また、面接においては今やウェブ面接を
実施している企業がほとんどだ。ウェブ面接だと、プレッシャーがあまりかからない状況で応募者が話せるので、
営業としての適性を見抜きにくい等の課題が生じる。そのほか今隆盛を極めるDXなどにおいても
同じことが言えるだろう。前に進むために必要だが、一方で新たな弊害や逆行したマイナスポイントが露呈する。
痛しかゆしのジレンマというやつだ。
とはいえ、新しい取り組みをしなければ事業継続はままならない。ここで大事なことは、
何かを変えたり取り入れたりする際は、結果を急ぐのではなく、その「プロセス」にこそ重きを置くことだと思う。
変化には痛みとイレギュラーがつきものと割り切り、そのプロセスを全社で共有する事で、
初めて本質的な組織改革を起す事が出来るのではないだろうか。
採用に目を向けても同様のことが言える。上記DXもそうだが、老舗大手でもさらに成長している会社、
転職市場で人気のある会社は、まず例外なく新しい取り組みにチャレンジしている。
実際、その様な会社の採用ポジションには、新規事業立ち上げが多かったり、新規取り組みで
成功体験を持つ人が強く求められている。その際、「私は新規取り組みを数々成功させてきました」と言えば
採用されるのかといえば、答えはもちろんノーだ。その人が何を考え、どのように新規取り組みに関わり、
何に苦労して、どう乗り越えたのかを聞かないと、採用する側は判断できない。うがった見方をすると、
その人はプロジェクトに端役で参加しただけかもしれないし、たまたま取り組みがうまくいっただけかもしれない。
感覚的にモノを言っても相手には何も伝わらない。
やはり、大事なのはプロセスだ。
そのプロセスに存在する価値の伝え方は、場数とノウハウがものを言う。決して派手さはなくとも、
自らの頭で考え、試行錯誤しそれを実現させようと努力を重ねてきた人のプロセスには、
それにふさわしい奥行きと厚みを必ず見出せる。転職という新しいアクションにおいて、
組織から後ろ髪をひかれる思いや上司への感謝など様々な思いが巡ることだろう。
しかし、そもそも転職というのもキャリアの構築、人生の一つのプロセスである。
これまでの積み上げてきた自分の過去~現在としっかり向き合い、
ぜひとも本質的に幸せになる転職を目指していただきたいと切に願う。

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