先日の衆院選投票は台風と重なり大変でしたね。
何より、今回の選挙は希望の党のゴタゴタがとても印象に残りました。
小池さんは「自己マーケティングの達人」と称されているそうですが、
商品価値を下げるお粗末な発言が何発か続き、完全に自滅状態でした。
また、パッケージ変更の商品リニューアルを図るような感覚で、
民進党から希望の党へ「俺も私も」と鞍替えした方が複数いらっしゃいました。
人格や筋道も重要な判断軸として国民に見られている立場の方々にしては、
あまりに利己的で短絡的な行動だった様に思えます。
およそマーケティング的でない、利己的、短絡的な思考や行動は身近にもあふれています。
例えば、転職活動に置き換えてみても、同様な事例は多く見られます。
大手企業の不祥事が明るみになり、世間に衝撃を与える事件が今年も多々ありました。
これだけ、大手神話が崩れている中でも大多数の感覚に「大手は安心」という先入観が
いまだに根強く残っています。悪いとは言いませんが、転職先を選ぶ判断基準としては
あくまでもサブ要因とすべきであり、とりあえず環境を変えることが主目的になると
希望の党へ移った民進党の議員の方と大差はありません。
転職活動の一つのハイライトである、面接の場面。
採用側と求職者側のパワーバランスは個別の状況で変わってきますが、
それでも、双方にメリットがなければ最終的な合意に達する事はありません。
考えもなしに圧迫やハラスメント紛いの発言をする面接官の存在。
選考企業様のホームページ見ずに一方的で見当違いな返答をする求職者の存在。
これもマーケ的ではない、自己本位の結果と表現できます。
では、本当にマーケティングができるというのはどんな人物でしょうか。
分析力に長け、他の人の数手先の展開を予測する。
様々なフレームワークを使いこなし、あまたの事例から複数の結論を導く…など、
当然ながらこの手のテクニカルスキルは相当に高いでしょう。
しかしそれ以上に、例えば「信念」「思い」「風格」の様な視覚化できない部分にこそ、
人の気持ちを動かすスイッチがあって、それが本物と偽物の分岐点である気がします。
仮に、今は嫌われ、なじられてもそれをやりぬく事。自分を信じ続ける事。
そして必ずその結果を回収するという強い意志を持つ事。
その振る舞い、生き様そのものが人の心を動かし、掴み続けるのではないでしょうか。
結局、マーケティングというのは自分以外の「他者」を究極まで意識しつつも、
限界まで「自己」を際立たせて貫ぬけるか、そういうものなのかもしれません。
選挙でも採用でもビジネスの取引でも、人が集まらなければ何も生みだせません。
表面的で上っ面なリニューアルの効果が続くのはほんの一瞬。
メッキを貼るようなマーケティングをすれば、いずれ手痛いしっぺ返しを食らいます。
逆に上記したような「本物」の人の周りには敵も味方も人が集まってきますので、
ますますエネルギーが増幅してまた、勢いも加速していく。
戦い続ける事で手段が目的化せず、陳腐化しない。ぶれない。
いずれの世界においても、人の気持ちを動かすためには
戦略に「生き様」が伴わなければいけない事を実感した今回の選挙のお話でした。

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