皆さんは親にこっぴどく叱られたり、
怒鳴られたりしたことはあるだろうか。
私はよく怒られていた記憶があるが、
当時の私は、怒ったりする人は私を嫌いな人なのだと思っていた。
つまり、親は私のことを嫌いなんだと思っていたのである。
私には4歳の二女がいる。
まだまだ流暢に言葉を発することは出来ないが、
コミュニケーションはある程度はとれるレベルである。
彼女は強気な性格で、姉にもよく挑んでいくし、
また怒るとすぐに手が出るという悪い癖がある。
そんな彼女の我儘ぶりに私も強く叱る時があり、
妻よりキツイ口調で叱る時がある。
二女は私に怒られると決まって、
『パパなんか大っっキライッ』
と思いっきり言い放つ。
いつものお決まりである。
そんな彼女と先日お風呂に入った時に、
初めて聞いてみた。
「パパって怒ると怖い?」
父親としてのプライドもあるので、
「怖い」と言ってほしかったところも正直ある。
そして彼女は、
「お口は怖いよ」
「でもココロは怖くないよ。優しい。」
そして、ニッコリ微笑んだ。
「この人は口では厳しいことを言うが、私のことを愛してくれている」
と感じとっているのか。
そして、少し黙ってから
『お口とココロは違うんだよ』
と言ったのだ。
正直、驚いた。
自分が子供のころにはこんな発想は無かった。
冒頭でも述べたが、怒る人=私が嫌い。
と言う発想しか生まれなかったからだ。
しかし今、親という立場になってみると、
私の親は私が嫌いで怒っていたのかと今考えると、
そうでは無いと気付く。
そこには少なからず愛があるものだ。
現代では、しつけや愛情、なかには良かれと思ってした行動までもが
「ハラスメント」と言う言葉で集約されてしまう傾向が強く、
叱る側も非常に気を使う世の中だ。
もはや、昔の「カミナリ親父」などすぐ問題になってしまう時代。
結論としては「愛があって𠮟っているのか」だと思う。
これから我々の専門分野である、食品や一般消費財業界をはじめ、
他の業界、あらゆる企業でAIやロボットなどが台頭し、
人との繋がりが薄れていく一方で、コミュニケーションの重要性が増してくる。
その中で「愛のある𠮟り方が出来る」というのも、
これからの時代ではとても重要なスキルの一つになるのではないだろうか。
私も父親として、組織人として、「愛のある叱り方」というスキルを
磨いていきたいと思う。

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