誰が為に生きるのかということ

昨年、弊社で転職をなさった30代前半の男性の営業マンのお客様から、興味深い話をお聞きした。
前職では『誰よりも一生懸命仕事をしているが結果に結びつかない』というお悩みがあったが、
現職で転職後、大活躍できるようになった。そのきっかけとなったのが、
現職の社長様で入社時のオリエンテーションでその社長様のお話をお聞きになり、
意識を変えることで『仕事観』『人生観』が変わったとのことだった。
そのお話は非常にシンプルなものだった。たった一つの質問である。

『君は何のために仕事をしているんだい?』

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その彼は、その質問に『会社の売上向上とその中で自身の立場を上げて行くこと』と答えたそうです。
また、その為に朝早く来て、昼休みも妻の作った弁当を10分で食べて、深夜遅くまで働き、
土日も顧客先に出向いて必死に働いてきた旨を話したそうです。

すると、その社長様が『そうなのか?それは凄いね。でも弊社に入ったからには、少しだけ考えを変えてほしい。これからは、会社のためをお客様のため、自身のためを家族のために考えて仕事をしてください。
会社のことはそれが出来るようになれば、解るはずだから・・・』

その営業マンは、意味が解らず、『どういう意味ですか』と聞き直したそうです。

『会社がありつづけるには、売上を出し続けることと、社会に必要とされることの二点が必要だ。
それを理解することが、一番の会社貢献であり、そのために、お客様のために、家族のために自分が出来ること。
喜んで頂けることを追求していく意識を持つようにしてください。その結果はそれを実践したものだけが知ること。
試してみたら?お休みに家族と旅に出てごらん』とのことだった。

そこで、結婚して新婚旅行さえ連れて行かず、仕事仕事の彼は、家族を旅行に連れて行くことにし、
家族にどこに行きたいのか?何をしたいのか?何を見たいのか?
全て、初めて家族に聞いたことだったそうです。
そこで、奥様が学生時代の夏休みにアルバイトでお世話になっていたという思い出深い避暑地のペンションに行ったそうです。(初耳だったそうです。)

道中、そのペンションで働くこととなったきっかけ、目に映る山の新緑や涼しげな小川。
幼い息子さんも普段見ることのない活き活きとした表情で、はしゃぎ、まだ話せないですが、
普段以上にワァーワァーと何か伝えているようだったそうです。奥様とも色々と話したそうです。

また、その奥様が昔、お世話になったペンションのオーナーからも色々と自分の知らない奥様の話を
お聞きし、学生時代の彼女のこだわりや、想い、大事にしていたことを初めて知り、
今まで、奥様が興味を持たない彼の趣味を押し付け、お金を家に入れることが一番の自分の義務の様に
思ってきたが、喜んでいる妻や息子の顔を見て、自分の身勝手な生き方を反省したそうです。

相手の興味を考えて行動すると、こんなに喜んでもらえるのかと、新鮮に感じると共に、
自分の心がすごく落ち着いて、穏やかな気持ちになっているのに気付いたそうです。

今までの人生で味わったことのない喜びが、自分の胸に広がっていくのを感じ、誰かのために
何が出来るか考えるようにしていくことの決意をしたそうです。

日常業務も新天地であったにも関わらず、常にお客様の満足を一番に考えて行動するようになり、
その結果、信用と信頼を勝ち得て、大きな商談がまとまったりと、人生が好転してきたそうです。

毎日、当たり前のように食べていた奥様のお弁当に感謝の気持ちを持って、
洗ったお弁当箱に奥様への感謝の気持ちを添えてプレゼントを入れてみたり・・・・するようになったそうです。

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転職を通じて、転職先の社長様のお力に依るところではあるが、このような『仕事観』や『人生観』も変えることができたこと。
非常にうれしく思いました。

自分も、必ずしも実践できてはいないと思う。
お客様のため、家族のために自分自身も何が出来るのかを改めて考えました。
人材紹介というサービス業を選んだときの想いに返り、初心を忘れずやっていこう。
そう思いを新たにした。

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