メール、LINE、チャット、SNSなど、私たちを取り巻くコミュニケーションツールは、
この数年で大きく変化しました。
相手といつでも気軽につながれるようになり、仕事のスピードも格段に向上しています。
その一方で、一つひとつのやり取りは短く、簡潔になり、
相手の表情や声のトーンが伝わらないコミュニケーションが増えました。
「伝えたつもりだった」「そんな意味ではなかった」というすれ違いも、
以前より起こりやすくなっているように感じます。
そんな中、「相手に伝わるメールを書くにはどうすればよいのか」という内容の記事を読みました。
記事では、「メールが読まれないのは相手のせいではなく、自分に改善できる点があるかもしれない」
という視点から、件名や文章構成、送るタイミングなど、
送り手が工夫できることが紹介されていました。
確かに、相手に伝わるよう工夫することは、コミュニケーションの第一歩です。
一方で、コミュニケーションは送り手だけで成り立つものではありません。
受け手の姿勢もまた、コミュニケーションの質を左右する大切な要素だと思います。
私たちは、メールを読んでいるつもりでも、
実際には自分の経験や価値観、過去の出来事など、
さまざまなバイアスを通して内容を理解しています。
例えば、上司から「一度、資料を見直してください。」というメールが届いたとします。
「何か問題があったのではないか」と受け止める人もいれば、
「より良い資料にするためのアドバイスだ」と考える人もいます。
同じ文章であっても、受け取り方は人それぞれです。
つまり、私たちは「メールそのもの」を読んでいるのではなく、
自分なりに解釈した内容を読んでいると言えるのかもしれません。
だからこそ、自分の解釈だけで結論を出すのではなく、
「別の意図があるかもしれない」と一度立ち止まることが大切です。
さらに、メールを単なる業務連絡として読むのではなく、
「相手は何を伝えたかったのだろう」「何を求めてこのメールを送ってきたのだろう」
と考えてみることで、見えてくるものがあります。
例えば、「ご確認をお願いします。」という一文も、
単に確認したという返信が欲しいのではなく、
意見を求めているのか、承認を期待しているのか、
あるいは迅速な対応を望んでいるのかもしれません。
送り手が伝え方を工夫すること、そして受け手が自分の思い込みに気づき、
相手の意図を理解しようとすること。
その両方がそろって初めて、コミュニケーションは成り立つのだと思います。
コミュニケーションツールはこれからも進化し、さらに便利になっていくと思います。
しかし、どれだけ便利なツールが増えても、その先には必ず人がいます。
だからこそ、「どう伝えるか」だけでなく、「どう受け止めるか」も意識してみる。
そんな小さな心がけが、仕事の質や信頼関係をより良いものにしてくれるのではないでしょうか。
