「〇〇が9割」的なビジネス本が引き続き売れている。
先日、似た感じで「要約力」について書かれている本を読み、
社内メンバーにも展開しようとアウトプットしたら、
全く要約できていなかった…という笑えない状況になってしまった。
筋の良くない読書、というのはまさしくこういう事なのだろうが、
そうなったのは、下記が原因だったと反省している。
① 勝手知ったる仲だからという甘え(相手任せ)
② 良い本だから内容をできる限り伝えたい(自己満足)
③ インプット時に実務へ具体的に落とし込めていない(目的意識)
基本的に何かを「話す」あるいは「記す」場合、
「全く聞き手を考えなくてもOK」という
シチュエーションはまず考えられない
(日記ですら未来の自分が読んでわかる必要がある)。
しかし、この「聞き手を考えて」というのが極めて難しく、
だいたいの場合上記①~③の様に「話し手」である自分を
成立させる事だけに必死になってしまう。
ちなみに同じ「伝わらない」にも二つあると思う。
ラーメンで例えると、一つは食傷気味の「全部のせ」と
もう一つはあまりに簡素な「味気なさ」のいずれかだ。
私は前者の「全部のせ」の傾向が強く、
あれもこれもと用意した内容全てを詰め込んでしまい、
一番伝えたい事が埋もれてしまう。
この手の人は「大は小を兼ねるはず」という感覚が強く、
局面で思考を放棄している可能性が高い。
性格的には「丁寧だがずぼら」な人だと思うので、
一生懸命ではあるけど伝わらないという悲劇を生み出す。
一方で「味気なさ」側に課題がある人は、
伝わらない原因は聞き手にあると思いこんでいる場合が多く、
シンプルイズベストをはき違えてしまっている。
結局、両者とも突き詰めれば、
「自分大好き!自己中コミュニケーション」という
共通の課題を抱えていることがわかる。
そういえば、アウトプットが上手な人は、
仕事とかプライベートとかいう区別もあまりしていなくて、
いつどんな場面でも確実に相手に伝えられている気がする。
思うに、常に成果を強く意識している人は、
それが家族でもお客様でも
「他者中心」に考える方が自分にとって「得」である事と、
「自己中心」で考える事で「損」する事の双方を
よく知っているという事なのかもしれない。
「なかなかうまく伝わらないな…」とお嘆きの方は、
まず、自分の意識の根っこに「俺を見てくれ!」「私を見て!」という
ジコチューな感覚が鎮座していないかチェックした方がいい。
もしそこで自覚できたのなら、飛躍的にアウトプット能力が伸びる可能性がある。
「〇〇が9割本」に手を出すのは、その後で十分だと思うのだ。

コメント