見てくれは微妙な我が家だが、一点だけ誇れるものがある。
それは、窓から見える桜だ。
この家で暮らすようになって6年、毎年この時期になると
「今年も変わらず咲いてくれた」と気持ちがなごみ、
何とも表現しがたい安堵感に浸ることができる。一方で、
「去年この桜を見た時と今の自分に変化はあるだろうか?」と
少し不安な気持ちになることもある。
変わらなくても良いもの、変わることが求められるもの、
状況によってその価値や良し悪しは異なるだろう。
私はどちらかと言えば安定志向のものの考え方をするので、
本来は変化を嫌う傾向だと自覚している。
そんな私もこの人材コンサルタントの仕事に就いてからは
変化することを求められてきた。
転職活動の場合、仮に安定志向の方だったとしても
仕事を変えるという意味では必ず変化を伴うわけで、
私たちはお客様に対して常に何らかの「変化」を提供し続けて
いることになる。お客様に変化を提供し、働き方をご提案する
立場でありながら、自分自身に去年と全く変化がないのであれば、
その説得力はゼロに等しい…というものだ。
そんな意識で、どうにか自分を変えてこられたと思っている。
安定も変化もバランスよく融合されている仕事は理想的かもしれない。
しかし、どちらかと言えば今の世の中は「強い」変化モードであり、
企業が中途採用に求めるのも、強烈な変化を与えてくれる人材だ。
今後どのような仕事に就いても、どのような業種を選択しても
その世界における競争や変化に身をさらされることになるし、
そもそも、変化や競争のない業界は淘汰されることになるだろう。
そう考えると、変化に対応できることこそがキャリアにとっての
最大の安定のような気がしないでもない。大変な世の中だと思う。
強い変化を求められる時代だからこそ、毎年同じタイミングで
咲いてくれる桜を見ると、束の間でも心が落ち着くのかもしれない。
来年もまた、変わらず咲いてほしい。
その桜をどんな風に見ている自分が居るか、
これから1年、また新たな変化を求めて仕事に取り組もう。

コメント