中小企業の倒産が増えているらしい。
東京商工リサーチの調べによると、
2023年上半期の倒産件数は前年同期に比べ3割増え、4000件を超えるそうだ。
コロナウィルス禍による手厚い資金繰り支援で延命してきた企業が、
その返済時期を迎え、さらに物価高・人手不足により
非常に苦しい状況に陥っている会社が多いとのこと。
産業別で見ると、建築業を始め製造業、小売業などが多いとのことだった。
一方で、大手企業では、昨年は過去最高益でも
大規模な早期退職を募っている会社もある。
上記のニュースと同時期に、塩野義製薬株式会社が
約200人の早期退職者を募集すると発表していた。
塩野義製薬といえば、国産初のコロナの飲み薬がよく知られているが、
業績好調の今だからこそ、さらなるグローバル化の加速や、
新規事業の確立などを目指し、人材のポートフォリオを見直し、
人事制度も新しく導入する予定とのことだった。
共通して言えることは、終身雇用が崩壊しつつある今、
規模の大小関係なく、組織に頼るのではなく、
社員一人一人が自立して自らのキャリアを考える必要がある、ということ。
どこでも通用するスキルや能力の習得を、
自らが積極的に身につけなければ、今後どんどん淘汰されていくことになるだろう。
自らのキャリアを考えるにあたって、
まずは「自分を知ること」から始めることをお勧めしたい。
その際に役立つのが、「Will-Can-Must」のフレームワークである。
自分がやりたいこと(will)が何か、目標・目的を考える。
さらに、今の自分ができること(can)をしっかり把握すること。
そして最後に重要なのが、
組織が自分に期待する役割・求めていること(must)を理解すること。
キャリアを考える時に、WillやCanばかりに視点が置かれることが多いが、
キャリアとは人から必要とされてこそ成り立つものである。
そして、評価とは自分ではなく、他人がするものなのだ。
Mustで求められていることが出来ていなければ、
組織・周囲からは必要とされなくなる。
Mustを客観的に捉え、過去の経験と今を振り返り、
未来に向けてどう行動すべきかについて深く考えるようにする。
これが「キャリアの棚卸し」である。
転職を考えた時に、最終的に転職はしなくても、
自分は何を求められているのか、
求められていることを今どれだけ出来ているのか、
逆に足りていないことは何か、を考え気づくことだけでも、
自分のキャリアに主体性を持った働き方に繋がる。
Mustを目指すのではなく、Mustを超えて、
Willをより大きくすることを目指したい。
そのためのお手伝いをさせていただいているのが、私たちであり、
ただ単に求人案件の紹介をしている人材紹介会社はきっと淘汰されていくだろう。
転職を希望される方と向き合い、その方のWillを明確にし、
Mustに対してCanを増やし、さらなるWillを目指すために必要な
スキル・能力・考え方は何かをご提案させていただいている。
労働市場が変化しているからこそ、そこを嘆くのではなく、
自らの働き方を見直し、自らも変化していくチャンスでもあると捉えたい。
主体的にキャリアを構築していくことで、
人生100年時代、何となく流されて生きるのではなく、
自分で人生の舵を取っていこう。

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