最近ではリスキリングが注目されていることもあって、
英語力を身につけることを目標にされている方も多いだろう。
Googleで「英語を話すために必要なこと」と検索にかけると、
英会話教室のホームページがずらずらっと並び、
相手に伝わる英語を話すために正確に発音すること、目標を持ち継続することなど
英語を勉強するために効率が良い方法について記載されているものが多かった。
これは私自身の経験なので、異なる意見もおありだと思うが、
英語を話すために必要なのは、「度胸」「教養(基本の知識)」
そして、「自ら考え自らの意見を持つこと」だと思う。
私は、高校を卒業してすぐに留学させてもらったため、
あまりにも世の中のことについて知らなすぎたように思う。
最初に通った語学学校では、世界中の人たちが集まっていたが、
どこの国とどの国は歴史的背景から仲が良くないようなことは全く分かっていなかったし、
物事の道理すらよくわからず、「そんなものなんだ」で済ませてきた。
何も知らなかったからこそ、柔軟に吸収できた面もあったと思うが、
いざ授業で討論したり、世界の異なる文化圏の人たちとある出来事についてディスカッションしたときも、
何を話したらいいか分からなかった。
意見がないのは存在しないのと同じように思われる環境なので、
「おとなしい」というレッテルが貼られる。
人によっては、ただ単に恥ずかしい、単語が出てこない、という人もいるかもしれないが、
当時の私は悩んだ末に、伝えたい考えや意見がないから話せないという結論に達し、
それからは、正解を答えようとするのではなく、自分の頭で考えて、
その考えを口にしてみるようにした。
母国語ではない英語だから話せないのかというと、
これは日本語であっても同じことなのではないだろうか。
ビジネスの市場はよりグローバルなものになっていき、
グローバル社会の中では、英語であろうとなかろうと関係ない。
偉い人がそう言っているからと長いものに巻かれるのではなく、
自分自身に語るべき「考え」があるかどうかということが大事だと思う。
そのためには、常に考える習慣が必要で、ChatGPTに答えを聞いている場合じゃない。
もともと日本人には、自分ではなく、相手を中心としたコミュニケーションとなる
「慮る」「行間を読む」「空気を読む」など類い希な能力が備わっている。
その能力を適切に活かし、自らの考えや理論を伝えられたら最強だ。
英語を話すためには、もちろん単語を多く知っていた方が話に深みがでるし、
基本知識である読む・書く・話すスキルがないとコミュニケーション以前の問題となるが、
ここで伝えたいことは、英語の能力以上に、
話している内容そのもの、話している人そのものに、人は惹かれるものであり、
だからこそ、堂々と自ら考えや意見をぶつけていけることが大切なのだということだ。

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