自己分析

将棋の藤井聡太七段が、史上最年少でタイトルを獲得した。
改めて、異次元の強さだと思う。
人間とAIの対決でAIに軍配があがった将棋だが、
藤井七段といえば、「AI超え」の手を繰り出すことでも話題になっている。
藤井七段の最近のタイトル戦の相手であり、将棋界最強の一人である渡辺明二冠が、
「すごい人が出てきたという感じです」とコメントしている通り、本当に強い。

藤井本人に言わせると、29連勝したデビュー時と比べて、
角一枚分は強くなっているという。
これは、大きいハンディキャップを課されたとしても、
今の自分が、デビューした当時の自分に勝てるということだ。

なぜ、これだけ成長できたのだろう。
その強さの秘密について、様々な人が様々なことを言っているが、
あるプロ棋士は、コロナによる自宅待機期間の過ごし方が、
最近の成長を後押ししたと言う。

藤井七段は、昨年11月のタイトル戦の挑戦者を決めるリーグ戦で、
いいところまで行ったが、終盤で悪手を指して逆転負けして気落ちし、
師匠に「手が見えない」と珍しく弱音を吐いたという。
将棋人生で初めて壁にぶち当たったそうだ。

その後、今年4月の政府の緊急事態宣言に伴い、感染防止のために、
長距離移動を伴う棋士の対局が延期された。
愛知県在住の藤井は、対局が行われる東京と大阪どちらにも行けず、
4月中旬から5月下旬まで自宅で待機していた。

藤井七段は、その期間を使って、自分の将棋を根本から見つめしたそうだ。
加えて、(元々、穴のある分野がなく、満遍なく強いと言われている人だが)
自分で苦手と思う分野の克服に努めた。
やがて、3年前の自分に7割以上は勝てる自信を持ったという。

ビジネスパーソンとしての成長に自己分析は欠かせない。
藤井七段を見ていると、尚更その重要性が感じられる。
キャリアにおける自己分析という観点で言うと、
職務経歴書の作成は、非常に有効な自己分析ツールだが、
その作成の仕方にはコツがある。
弊社では、キャリアコンサルティングの面談で、
そのポイントもお伝えするように努めている。

以前、弊社にキャリア相談に来られたある方は、職務経歴書の作成のポイントを聞いて、
「理屈はわかるが、書くのは正直面倒くさい」と最初は感じたそうだ。
ところが、取り組んでいるうちに、「自分の経歴を言葉で表現するのは面白い」と、
職務経歴書のブラッシュアップにはまってしまい、
今では、一年に一回、職務経歴書を書き直して送ってくださっている。

その方は、職務経歴書のブラッシュアップを通じて、自分を振り返り、
成長できた部分と次の目標、弱点補強の仕方や今後の行動における注意点などを
確認しているそうだ。

その方は、転職のためでない目的でご相談に来られているので、
その方には有償でアドバイスを差し上げているが、興味を持たれた方は、
是非、一度、キャリアコンサルティングを受けてみていただきたい。

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