攻めと守り

市場ニーズの変化や産業構造の変革が著しい。
その中で、新しい市場を開拓すべく、新規分野に参入する企業が増えている。
このような新規事業に伴う中途採用も増えている。
転職市場の中で、人気がある種類の求人だ。

このような採用において、転職希望者に求められることは何だろうか。
言うまでもなく、当該分野の経験や知識は必要だが、それは前提でしかない。
選考において見られる重要ポイントは、
利害関係が異なる様々なステークホルダーを巻き込み、
周囲の理解を得ながら、新規取り組みを推進していける人物であるかということ。

新規事業とは言っても、勿論、何もかも新しくするわけではない。
企業理念など、守るべき軸を守りながら、
組織に新しい風を吹き込むことが求められる。

社内において昔から続く伝統(考え方・価値観等)の意味を解り、
その良さを後進に伝えていくことができるかどうか。
採用の選考プロセスにおいては、
そういった素地も見られていると考えた方が良いだろう。

伝統と革新の共存。
守るべきものを守りながら、新しいものを取り入れていく。
言い換えれば、攻めと守りのバランスでもある。

転職希望者としては、自分が、これまで攻めと守りの両方に強みを持ち、
バランスを取ってやってきたという点を、事実ベースで感じさせることが大事だ。
職務経歴書は、そのアピールの中で重要な部分を占める。
逆に、転職希望者の方も、採用企業に見られるだけではなく、応募先が自分の強みを活かし、
希望をかなえられる場所であるかを見る視点を持つべきだろう。

上記のような選考ポイントは、新規参入に伴う募集だけに言えることではない。
伝統を守りつつ、新しい風を吹き込んでほしいということは、
多くの採用において企業から求められる点だからだ。

自分のキャリアの中で、採用サイドが求めている点を効果的にアピールする。
転職希望者はそういった意識を持つべきだし、
採用サイドも転職希望者から見られているという意識を持った方が良いと思う。

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