ロボット化する人

今は、自分の代わりに“分身ロボ”が授業に出て、学ぶことが出来る時代らしい。
特別支援学校やフリースクールなどに限られるらしいが、
「OriHime」という体長20センチのロボットが自分の分身となって授業に参加する
仕組みが導入されているところがあるそうだ。
学ぶ側がタブレット端末でログインし、端末の画面を見ながら教室にいる先生の授業を
受けることが出来るなど、オンライン教育が広がっているらしい。

確かに、病気などで物理的に教室に行くことが出来ない生徒にとっては、
毎日の楽しみになり得るし、また、学びたいことを、場所や年齢に関係なく
北海道からでも海外からでも、世界中の授業に参加できるようにもなるため
学力の向上にもつながるという意味ではメリットも大きい。

しかし、この記事を読んで「コミュニケーションの在り方」について疑問が生じた。
自身の仕事上、相手の表情やしぐさ、「間」などを感じながら、
人とのコミュニケーションを取るように心がけているため、この表情のないロボットで、
「先生は生徒の表情を見ずに、どうやって生徒の理解度を知るのだろう」と
純粋に不思議に思ったのだ。
何だか話し手の一方通行で、人類のコミュニケーション力は
益々低下するのではないかと心配にさえなり、アンチデジタル論を掲げたくなる。

オンライン教育がいくら進んでも、世の中からキャンパスが
なくなってしまうかと言うとそうはならないだろうと思う。

デジタルネイティブの6割以上がアナログなサービスやモノに興味があるという
アンケート調査結果もあるようだが、この結果からも言えるように、
デジタル化が進めば進むほど、逆のものに魅力をより感じやすくなると言える。
私たちが、人というアナログな存在である以上、デジタルだけでは
人の心を動かし、行動や意識に変化を与えることはできない。

求人案件も今やインターネットで簡単に検索・応募、面接さえも出来てしまう
HRテック時代ではあるが、転職という自分の人生をも左右してしまう選択だからこそ、
アナログを求める声も多いに違いない。

弊社では創業当初からこだわってきた部分ではあるが、これまで以上に、
人が介在することの意味・意義を追求し、
こころの声をひろい、届けられるよう、邁進していきたいと思います。

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