サラリーマンと呼ばないで

21世紀に入って間もない頃だったと思うが、
ある全国紙の「サラリーマンと呼ばないで」という連載記事が話題になった。

当時は、誰もが知るような大企業が次々に倒産し、時代は「失われた十年」に突入していた。
高度経済成長や、「私をスキーに連れてって」に象徴されるバブル景気という
右肩上がりの時代が過ぎ、「いい学校に入って、いい会社に入れば、
いい人生を送れる」という社会の前提が崩れる音を立てていた。

「サラリーマンと呼ばないで」は、廃業や倒産、激動に翻弄された人達の物語。
この記事が支持されたのは、変化する時代の中で、多くの人が抱え始めていた
不安や哀しみを代弁し、挫折と再起を力強く描いたからだと思う。

誰もが、「自分の人生を自分で選択したい」と思っている一方、
それは容易でないように見える。
時代の荒波が来て、社会の前提が崩れれば、一個人ではあらがいようがない。

しかし、先程の「いい学校に入って、いい会社に入れば、いい人生を送れる」も、
誰かが約束した訳ではない。極端な例えをすれば、第二次世界大戦中に、
「日本が勝つ」と叫ばれていたのと同じで、実現が保証されていた訳ではなかった。
何かを信じるという選択をすれば、その恩恵もリスクも、
自分で取らなければいけないのが事実だ。

転職というのは、人生において非常に大きなレベルの選択だ。
その結果は、全て自分で引き受けなければいけない。
しかし、その選択において、私共は最良の判断材料を提供したいと考えているし、
選択に至る過程を可能な限りサポートするよう、努めている。

もっと言えば、当社は、「転職」にフォーカスするのではなく、
「キャリア」にフォーカスしており、
家族・遣り甲斐・経済面といった様々な要素を踏まえて、
ご自身が最も自己実現できる働き方をご提案している。
転職が決断であれば、現職に残るのも決断であり、
意識的にでも無意識的にでも、私達は日々、選択を行っている。

その選択を意識的に行い、ご自身が後悔のない決断、
周囲にいる人達もより幸せになるような選択を行う。
人生を真剣に考えるお一人お一人が、よりご自身の人生の主人公になる。
そういったお手伝いをするのが、私共の役目だと思っている。

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