W11「独身の日」中国パワー

2009年からアリババグループが取り組んできた、11月11日の「独身の日。」
中国ではすでにネット通販会社が各社特売セールを繰り広げる商戦日となっている。
今年は過去最高の売上となり、1日で約2.8兆円(!)とのこと。
楽天の年間流通総額が約3兆円らしいので、わずか1日にして楽天の1年分を稼いでしまった。
もはや規模が大きすぎて「Wow!」としか言葉が出ない・・

日本でも楽天のスーパーセールやAmazonのプライムセールなどがあり、
私もついつい「どんなものか」とそのショッピング体験をしたくなって、
要らぬものまで買ってしまった経験がある。
完全に周囲のお祭り騒ぎに乗っかってしまった、ピュアな消費者だ。
この「独身の日」が実際にどのようなものか実体験をしていない為、解らないが、
調べる範囲では、日本で行われている各サイトのセールとは違って、アリババが
物流網の徹底構築や、中国全土の小売店約60万店舗とデータ情報交換など協業することで、
リアル店舗での売り上げ拡大など、取り組みの仕方やその意気込みが全く異なると感じた。

物流網1つとっても、日本では運輸会社のドライバー不足や長時間労働が問題視され、
10月にはヤマト運輸が27年ぶりに値上げを実施。
人材不足や働き方についての問題は確かに深刻であり、またマンパワーが違う中国と
比較するべきではないのかもしれないが、ここには大きな精神的な差があると感じる。

例えば、問題に対して場当たり的に改善し、その社会状況を受け入れて
柔軟に自らを適応させようとする大人な日本人と、
「なければ作ればいい」とどん欲にインフラさえも整えてしまう、その中国のパワーがすごい。
この貪欲な、ハングリー精神の差は、実際に中国人の方と面談をしていても感じることが出来る。
「成功したい、日本で儲けたい」という想いの強さと、
そのために必要な自己成長と自己投資は惜しまない。意欲と熱意に溢れている。
それが今の日本人には少ないように感じ、危機感を覚える。

この精神的な差はこれからどんどん広がり、世界経済から取り残されていくのではないかと不安になる。
とはいえ、現在の中国市場はまだ購買欲のフェーズであり、
日本は精神的なコトを求めるフェーズにあるため、市場特性そのものが違う。
消費者が自己実現できる「買い物体験」など日本独自のオンラインの在り方を
みつけていただくことに期待したい。
そして、粘り強く挑戦し続ける国民性であり続けたい。
そのために私たちの役割として、仕事との向き合い方や働き方について問いかけながら、
その一人ひとりに種を植え続けることが必要なのだと、自分ができることについて考えさせられた。

ところで、日本では11月11日は「ポッキープリッツの日」・・・。
ポッキーの売上はどうだったのだろうか、気になる。

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