信頼の継続

野球界で平成の怪物と言われた松坂大輔投手。

夏の甲子園決勝にてノーヒット・ノーランを達成し、春夏連覇の立役者となった。
そして、西武へ入団、後にメジャーリーグで活躍するという、
まさに絵に描いたようなキャリアを積んでいった。

絶頂期、そんな栄光の階段を駆け上がっていた彼に、
とある日本人メジャーリーガーが彼にこう言った。

「深いところでお前は野球を舐めている」

彼が指摘した部分が直接的な原因とは思わないが、
その後に松坂投手は怪我をし、低迷していった。
その後メジャーリーグを離れ、現在は日本球界で復活を狙っている。

松坂投手が努力を怠っていたとか、そういうことではなく、
人間はある一定の成績を収めたり評価を頂くと、
自分の能力を過信したり、自らを過大評価してしまう傾向がある。
その結果、自分の基盤が固まっているか否かの判断すら出来なくなる。

これはスポーツに限らず、ビジネスの世界でもよくある話だ。
この次元で満足しているプレーヤーは、過信している以上、
そのある一定の成績より上に行くことは、まず無い。
むしろ、我武者羅に努力し続ける他者に押され、後退していき、
気付いたときには歯が立たないことになっているというケースだ。

そして、これは企業にも置き換えられる。
過去の栄光にすがり、ブランドが独り歩きをし、
外から見た企業と中身が乖離していて、
自社の実態を自社の社員が理解できていない。
結果、世間から見放され、初めてその傷の深さに気付くというものである。

我々は食品や一般消費財業界に専門性をもった人材紹介会社である。
今は大変有り難いことに、企業様からはお仕事を頂いており、
また求職者様にもご登録、ご紹介を多く頂いている。
双方のマッチングに対して、今も昔も妥協なく取り組んでいる。

これがある日、何かの拍子で事業が急拡大し、
ブランドが独り歩きをしだし、従業員が増え、感謝の気持ちをもたず、
企業様も求職者様も弊社を利用するのが当然と思った時点で、
我々は転落していくのだと思う。
信頼を得ることは年単位、一方、信頼を失うのは秒単位である。
そのようにして幕を閉じた企業は山ほどある。

我々としてはこれまで以上に個人や自社を戒め、
皆様のキャリア構築のお手伝いをするということが、
どれだけの重責なのかということを今一度真剣に考え、
深いところでも絶対的なご満足を感じていただけるような
企業であり続けることを使命としている。

これからも他社紹介会社を圧倒するような、
差別化によるサービスの追求を全社員で取り組んでいきたい。

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