生き様がにじみ出る「趣味」

突然ですが、皆さんは履歴書の趣味欄はどのように記入されていますか?
エージェント経由の場合、空欄のまま提出される方も多いかと思いますが、
「読書」とか「音楽鑑賞」あたりを無難に記載される方も多いのではないでしょうか。
私自身もこれといったものがないため、「趣味はなんですか?」と聞かれ回答に窮することがこれまでも多々あり、
何か体裁の良い趣味の一つでも持ちたいなと思う事もありました。
しかしながら、趣味のある自分になりたいために趣味を探すというのもなんだか本末転倒ですし、
子育てとか健康管理とか一般的な趣味としては定義しづらいものに集中されている方も多いはずですので、
趣味と括ってしまうと非常に限られた方だけの話になってしまうかもしれません。

ただ、最近趣味と仕事の仕方には少なからず相関関係があると思う事があります。
当然、趣味を持つことで単純にプライベートの時間が充実するというのもメリットかもしれませんし、
そこから広がる人脈や新しい出会いそのものに価値があるとも思いますが、
そもそも趣味の世界で何かに強い関心を持ち続けてそれと関わっていく行為というのは、
結局、やるも辞めるもクオリティも自分次第という世界でのことですから、
何よりも強い動機と自分なりのルールが不可欠になるところがキャリアの構築に似ている気がするのです。
この「自分なりのルール」というところがミソだと思っています。

どのような仕事でも共通だと思いますが、仕事をする際には様々な対象と関係を作っていかなければなりません。
経営者、上司、顧客、提携先あるいは自分の家族なども含めれば全体の利害関係者はかなりの人数になります。
また、特に最近はビジネス上の環境要因もめまぐるしく変化していくのが常ですので、
これまで築いてきた仕組みがすぐに陳腐化してしまうことも多々あります。
そのような状況で自分自身の確固たる業務スタイルを確立することはとても難しいことだと思いますが、
往々にしてひとかどの存在として会社に認められ、顧客に求められている方々には共通して自分なりのルールがあり、
周辺環境が変わってもぶれずに仕事ができる能力が備わっているように思います。
和して同ぜず、社会や会社の規範を理解しながら自分のルールを通す努力も怠らないので、
周囲から見て独りよがりや自分勝手とは捉えられないのも大きなポイントだと思います。
つまり、趣味を持っている人は仕事ができるというわけではなく、自分ルールが明確な人はどのような世界でも一目置かれるという事だと思っています。

結局、「趣味の世界=プライベート」という図式ではなく、「本人の生き方や世界観=自分ルール」というのが
まず先に存在し、それを端的に反映しているもの、顕在化させたものがその方の趣味であるように思います。
だとすれば、なんとなく格好の良い趣味を持ちたいと思っていた私は、あまりにぶれすぎじゃないか…と反省した次第であります。
自分の生き様から自然ににじみ出てくる趣味を履歴書に堂々と書けるなら、それが一番格好いいことなのかもしれません。

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