子供が通っている小学校は極めて小規模な学校である。
だからこその良さも認めてはいるのだが、
親として少し「ぬるい」印象があるのは否めない。
人数が少ないので、それぞれの存在価値が確保されている分、
知った仲同士の居心地の良さがあるからだと思う。
「中学校に行ったら、色々大変かもな…」と親は思うが、
子供がそれを実感するのは、入学後しばらくしてからになるのだろう。
転職活動においても環境変化に伴うギャップはつきものだ。
例えば、ドメスティックな日系企業から外資系企業へ転職するケースでは
「私…外資で通用しますかね?」という不安が漂う事もしばしば。
大手からベンチャーというパターンの場合であれば、
据え膳上げ膳から「え!これも自分でやるんですか???」という
「自炊系」の世界に突入し、自由と不自由の両方を噛みしめる事となる。
逆に大企業から中小企業へ転職をする流れは(少数派ではあるが)、
高いスキルや経験を請われて転職するパターンが多いからか、
都会から田舎に来た転校生の様な優越感と緊張感が同居している様に見える。
やはり、転職の成功と失敗を分けるのは「意識の差」なのだとつくづく思う。
会社はよく「村」に例えられるが、そこでの常識が世間の非常識なんてことはザラだし、
今も昔も業績が良い魅力的な企業ほど「偏っている」ケースも多い。
どれも貴重な体験だが、思考なくその会社のルールやカルチャーに従っているだけだと、
引っ越した途端、あっという間に「過去の思い出」になってしまうだろう。
規模小さいとか、考えが偏っているとか、大手でもベンチャーでも関係ない。
その会社に勤務している間に、とにかく、自分の言葉で語れるように、
歴史やら商売の仕方やらを知り尽くす努力をすることだ。
それが出来ている人であればあるほど、今の会社のダメなところを知り、
その中で達成できた事を理解し、そして関わった人への感謝も持てている。
すなわち、自分なりの「棚卸し」を済ませたうえで転職活動に臨めるから、
ブレない芯があり、強いのだ。
大海へ出るなら、まずは今住んでいる井戸への感謝から始めたい。

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