瞳を閉じれば

卒業のシーズンですね。
硬く閉じた桜の蕾も冷たい雨と温かな日差しの合間で、
ゆっくりと花開きピンク色の綺麗な色によって、
卒業シーズンのキャンバスを彩ってくれています。

卒業シーズンに流れる曲というのは不思議なもので、
何年経って聞いても、あの時代にフラッシュバックすることができる。
私達の世代だと、尾崎豊さん、斉藤由貴さんの「卒業」や松田聖子さんの、
「制服」などのイントロを聴くだけで、あの頃に戻ることができる。
歌詞の中に、「春、別れ、出会い、桜、卒業」という「ザ・卒業ワード」が
散りばめられた曲が多くあった事を記憶しています。

しかしどうやら近頃の卒業ソングは、少し様子が違うらしい。
直接的な言葉ではなく、聴く側が情緒的な表現から卒業を連想して、
その歌を卒業ソングとして位置付けしているらしい。

例えば、リリースされてから20年経った今でも卒業ソングを代表する曲で
レミオロメンの「3月9日」という曲があるのですが、
この歌の中には、一切卒業という言葉は出て来ないのです。
この歌の由来は、3月9日に結婚式を挙げるメンバー共通の友人に
捧げるために作られた歌で、卒業の為に作られた歌ではありませんでした。
「春の風、桜の蕾、つむじ風、羊雲」というフレーズが、春を連想させて、
「瞳を閉じれば あなたがまぶたのうらにいることで」というこのフレーズからは、
大切な時期に一緒にいてくれた方を思い出し
「その人がいてくれてよかったな」という気持ちになり、
それぞれが学生時代の先生、恩師達など、自分がお世話になった方々への
感謝の気持ちが湧き出て、その思いが共感を呼び、
今では、卒業ソングの定番曲となっているのです。

ご自身のキャリアの相談をするために弊社の門を叩いてくださった方々と、
短期間ではありますが、真剣にその方々と向き合い、
最善のキャリアのご提案をさせていただいております。
無事に転職先が決まったり、現職に残る決意をされたりした方達を、
最大の敬意を払い「ご卒業」と呼ばせていただいております。
ご自身で考えご自身で行動され、ご自身でキャリアを決めることが出来た方々ですから、
私達のキャリアアドバイスからの「ご卒業」と言う意味合いです。

コアを卒業された方達が、活躍する姿を想像しつつ、
私達は新たにキャリアに迷われている方々への提案をしつづけています。
そして、卒業された方達が、街のどこかで、3月9日を聞いた時に、
私達の顔を少しでもまぶたの裏に浮かべてくださったら、ちょっと嬉しい。

七分袖に変わってしまったブレザーを着て、
卒業式に出かける近所の少年を見送りながら声をかけてあげました。
「卒業、おめでとう」

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