当たり前の日々に感謝を

今年の元旦は、輪島で震度7の地震が発生し、200人以上の方が犠牲となり、
いまだに安否不明の方がいらっしゃるという事態。
そして、翌日の2日には、被災地域へ救援物資を運ぶ予定だった、
海上保安庁の輸送機と、日航機との衝突事故で、
海上保安職員5名の尊い命が奪われてしまいました。
ここに、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたします。

そのような痛ましい災害・事故が続いた中で、
世界中から奇跡だと称賛される出来事がありました。
それは、1月2日に起きた、飛行機衝突事故で、
日航機の乗客乗員379人全員無事に、脱出できた事です。

報道などでご存知の通り、衝突した瞬間に機体から炎があがり、
あっという間に機体を包み込んでいました。
しかし、なぜ1人の犠牲者も出さずにすんだのでしょうか。

それは、客室乗務員の方々の日頃のたゆみない訓練、
そして勇敢な行動力や的確な指示のおかげだと言われています。
美しい佇まいで、空の旅を案内してくださる、客室乗務員の方々が、
この様な事故に見舞われた際には、一転して保安員となり、
乗客の命と安全を守るために、活躍をしてくださったからです。

突然の衝撃と炎で、パニック状態となった乗客から、
「早く脱出させろ」「なんで扉を開けないんだ」と、罵声が飛び交う中、
冷静にどこのエンジンが火を噴いているのか、どこの扉を開放すれば、
お客様が安全に脱出できるのかを、迅速にそして的確に判断し、
避難誘導をした結果、全員無事に脱出する事が出来たのだと言われています。

客室乗務員の方々が、私達の知らないところで、
何度も訓練を行ってきた結果なのだと思います。

人の命がかかっているので、勘を頼りに、
「こっちの扉開けてみようかな?ダメだ火が回ってる、じゃあこっちの扉は?ダメだ、次は?」
などという事をしていたら、きっと違う結果になっていたに違いないでしょう。
いかに客室乗務員の方々の、観察力・判断力、決断力・行動力が、
素晴らしかったのかがわかる「奇跡の出来事」だったのだと思います。

一方で、元旦に起こった能登半島地震の被災者の多くの方々は、未だに避難所で、
断水によりまともに水も出ない状況が続き、トイレも自由に使えないという生活を
余儀なくされているといわれています。
私達は、蛇口をひねれば水が出てくる、それが事が当たり前の事だと思い、
能登・輪島で起こっている事はどこか他人事だと思っていないでしょうか。

当たり前の出来事に、ありがたみを忘れてはいないだろうか。
私達は、日々の生活や仕事において、その時になったら考えればいいやとか、
誰かがきっとなんとかしてくれるだろうという、
先送り・人任せ・無計画な生き方をしていないでしょうか?
明確な目標を立て、その達成に向けて計画を練り、きちんと行動ができているだろうか?
人類が、皆平等に与えられている時間を無駄に過ごしていないだろうか?
今日一日、無事にいられる事に感謝の気持ちを持って過ごせているのだろうか?

そんな事を、考えさせられる、年始めでした。
このような事を考えるきっかけをくださった、
勇敢な客室乗務員の方々の行動に感謝して始まった2024年、
今年も後悔しないように、そして当たり前の事に感謝をしながら日々の生活を過ごして行こうと思います。

皆様、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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