見えない未来を見る力

このブログを書いているのは「2020年5月1日」。
例年ならGW真っただ中の金曜日であり、
誰もが少し高揚感をもって仕事をしていたり、
すでに長期連休で海外にいる…というのが当たり前の風景だろう。

しかし今年は違う。
買い物も3日に1回。公園に子供を連れていくことすら困難。
この数か月で、生活のあらゆる前提が崩れてしまったと感じる。

宿泊、飲食業を中心にコロナ関連での倒産が100件を超えたらしい。
人が動かない状態は兵糧攻めみたいなもので、資金はあっという間に底をつく。
このままだと、健全な経営状態の企業も5か月で倒産危機、
8か月すると預金準備が万端だった企業もシビアな状況に陥るという調査もあった。
本当に、想像を絶する危機に直面していることを肌で感じる。
仕事を失うことが、全ての人に等しく身近な出来事になってしまったのだ。

当社の様な人材紹介業を営む者は、転職の支援を行う事で
企業には組織活性や新規事業への投資や成功をもたらし、
人材には自己実現や新しい生活の基盤となる環境を獲得して頂いている。
つまり、「現在から未来へ」つながるサポートをビジネスとしているわけだ。
しかしコロナ禍は、人が未来を思い描く事をとても困難なものにしてしまった。

これまでも、人材紹介会社の存在意義は常に問われてきた。
単に求人票を渡して面接のセッティングをするだけなら、
すでに自動で完結するシステムが存在している。
そのような流れが強い中で、「人が人に目を向け続ける事」に価値があるとし、
我々はそれをこのビジネスの軸に据えてきた。
ならば、前提が崩れて誰もが不安を感じている今こそ、
顧客に対して「これから」を見る意識、未来を描く提案ができないなら、
自分たちがやってきたことの意義を失う。

今までもこれからも先のことは誰にもわからない。
そして、コロナ以前から現代はVUCAの時代だと言われていた。
パターンや前提に期待したり、答え探しをするアプローチは通用せず、
自分なりの判断を作り出していくほかない状況に皆が突入させられたのだ。

「毎朝、鏡の中の自分に、もし今日が人生最後の日だとしたら、
今日やろうとしていることをやりたいと思うだろうか、と問いかけ続けた」

この名言が、今ほど心に響いたことはなかったかもしれない。
我々も、この危機を乗り越えていく新しい答えを日々考え尽くしながら、
視界を妨げる霧を取り去る提案を生み出して行きたいと思う。

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