志しのある経営

「ウェアラブルデバイス」という言葉を耳にしたことはあるだろうか。
腕時計が電話になっていたり、眼鏡の横に付いているボタンを押すと
敵の情報が眼鏡に表示されたり、
子供の頃に夢見ていた世界。それが現実になった。
昨年はApple Watchの登場など様々なウェアラブルデバイスが誕生し、
今では様々な業界からウェアラブル製品が発売され、体調管理などだけではなく、
家や車などの鍵の役割を果たすようなリストバンドさえあるというのだから驚きだ。

昨年11月に株式会社ジェイアイエヌが、「自分を見るアイウェア」というコンセプトで
新しいウェアラブルメガネ「JINS MEME」を発売した。
これは、搭載されたいくつかのセンサーから瞬きや視線移動などを感知し、スマホアプリと連動して、
自分の体の状態を知ることができるメガネ。
たとえば、疲労の度合いや集中力のパターンを読み取り、
運転中や仕事中にリフレッシュすべきタイミングを知ることができたり、
高齢者の歩行パターンの乱れをモニターすることで、認知症の前兆を読み取ることができるらしい。
これまでの運動や心拍数などヘルスケア系の機能を持つウェアラブルデバイスには
私自身はあまり興味を持てなかったが(運動そのものをしてないからですが・・)、
このMEMEには純粋に「へぇ、すごいな」と興味を持った。

というのも、同社はこれまでも「JINS PC」などを手掛け、メガネという既成概念を打ち破り
業界に大きな風穴を開けてきた。ブルーライト対策用のメガネや花粉症対策用メガネなど、
視力が良くメガネを必要としない人たちにも新たな価値を提案することで市場拡大を図って来たのだ。
メガネという身に着けていて「煩わしいもの」から「機能的で得するもの」へと変えてきた、
いわば逆転の発想だ。

この逆転の発想や次々に驚きと生活に変化を与えてくれるイノベーションの根本にあるのは、
株式会社ジェイアイエヌの田中仁社長の熱意・志しにあるように思う。
今回の新製品MEMEの企画開発にあたっても「性能ではなく人々の生活を変えるイノベーション」即ち、
本来の日本の技術力(Made in Japan)を目指した過程にある。
以前何かのテレビ番組で田中社長がファーストリテイリング柳井社長から
「志やビジョンがなければ、企業は継続的に成長できない」という指摘を受けたことが
再起のきっかけになったと話されていたのを見たことがある。
それ以来田中社長は、社員にビジョンと志しを共有し、共にそれを目指されてきた。
「イノベーションでライフスタイルを変えたい」「あたらしい、あたりまえ」を目指し、
今もなお歩み続けている同社のこれからに期待し、更に応援したい気持ちになった。

正しい志しのある経営は、社員の、お客様の、共感と理解を生む。ということだろう。
しかし、志しと熱意を持ち、常に挑戦と改善を継続することで成長できるのは、
何も経営者に限ったことではない。私たちサラリーマンであっても、自発的に追及すべき姿勢なのだ。
成功や成長には、目標や目指すべき姿があり、その為の計画と実行する力が必要となる、そして
目標のためにやり続ける、苦難にも折れない心に必要なものは、志しである。
わが社のビジョンでもある「働き方の提案」にもつながる。
社員である自分自身も、働き方の提案を行うに値する働き手を目指し、
自分のあり方を見つめ直す毎日です。

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